パキラを初めて育てる皆さん、水やりについてさまざまな疑問があると思います。
実際に、観葉植物販売店の私たちにも
・パキラの水やりってどうすればいいですか?
・葉水は必要ですか?
など、さまざま質問をいただきます。
水やりは最初に基本を学べば、難しいことは一つもありません。
逆に、間違った方法で水やりをすると、パキラが枯れてしまうことが多々あります。
そこで今回は、パキラの水やりについて徹底解説をします。
【この記事でわかること】
・パキラの正しい水やり方法
・パキラの水やりで季節ごとのポイント
・パキラの水やりで注意するべき3つのポイント
・水やり特別編:パキラの葉水の方法
この記事を読めば、パキラの日常的なお世話の一つである「水やり」を実践できるレベルまで完全にマスターすることができるでしょう。
この記事の目次
1.パキラの正しい水やり方法
まずはパキラの正しい水やり方法を記載します。
1-1.パキラへの水やりの頻度
パキラへの水やりの頻度は次ようなタイミングです。
春から秋:土が乾いたタイミングでたっぷりと与える
冬:土が乾いてから3、4日経過してからたっぷりと与える
このように「土が乾いたら」を基準に、春から秋と冬で頻度を変えます。
春から秋でも、土が乾くスピードが大きく異なりますので、1年を通して「週◯回」と決めるのではなく、春夏秋冬で土が乾いくのを待って水やりを行いましょう。
1-2.パキラへの水やりの量
水やりで1回に与える量は次の通りです。
季節問わず鉢底から水が出るくらいたっぷりとあげる
このように、1年を通して同じ量を与えます。
「鉢底から水が出るくらい」というのはしっかりとした目的があります。
水やりには、植物の水分補給の他に「土の中の空気入れ替え」というとても重要な役割があります。
パキラの根が成長する過程で、根から老廃物や二酸化炭素を排出します。
それらを貯めて放置すると、悪影響を与えてしまいます。
水やりをたっぷりすることで、水で鉢底から老廃物や二酸化炭素を押し出し、鉢内に新鮮な空気を入れることができます。
パキラが健康を維持するためにも「たっぷりと水やり」は非常に重要な役割です。
1-3.パキラへ水やりをする時間
水やりをする時間帯は次の通りです。
午前中、できるだけ同じ時間に与える
植物は、昼夜バラバラに水やりをすると、ストレスを感じます。
できるだけ負担がないように同じような時間帯を目安に水やりを行うのが基本です。
夏:午前中の早い時間帯
冬:気温が上がってきた午前中
春と秋:午前中
このようなスケジュールで行えば、基本的に時間がバラバラになることはありません。
夏場と冬場の時間帯の注意点は次のとおりです。
夏場:気温の高い真昼に与えると、鉢の中が高温になり蒸れやすい
冬場:気温が低い朝や夜に与えると根にダメージを与える
このように、1年を通して同じような時間帯で水やりを行い、季節ごとに若干調整を行いましょう。
1-4.定期的に、浴室やベランダ、屋外で株全体にシャワーをかけると良い
暖かい日などに、株全体をシャワーで洗い流すことで、害虫予防をすることができます。
葉っぱの表、裏どちらも洗い流します。
浴室で行う場合は、土の跳ね返りに気をつけてください。
2.パキラの水やりで季節ごとのポイント
この章ではパキラの季節ごとのポイントを記載します。
春(3月、4月、5月)
春になって、徐々に暖かくなり始めるとパキラの成長が活発になり土の渇きが早くなります。
夏(6月、7月、8月、9月)
パキラの生育期で気温も高く土が乾きやすいです。
水切れに注意して、土が乾いているかこまめにチェックしましょう。
秋(10月、11月)
秋になり、徐々に土の乾きが遅くなります。
夏のペースで水やりをしてしまうと、根腐れを起こしますので注意しましょう。
冬(12月、1月2月)
土が乾くのが非常に遅くなります。
乾かし気味で育てるので、水やりも土が乾いてから4、5日経過した際に与えましょう。
このように季節ごとに、気温やパキラの生育速度で水やりが変わってきます。
季節ごとのポイントを押さえておくだけで、スムーズな水やりができるでしょう。
3.パキラの水やりで注意するべき3つのポイント
この章では、パキラの水やりで注意するポイントを解説します。
【注意するべきポイント3つ】
1.鉢の受け皿に水を貯めると根腐れなどで枯れる危険がある
2.頻度が多すぎると根腐れを起こすので要注意
3.水やりに使う水が熱すぎる・冷たすぎるのは要注意
それぞれ詳しく解説します。
3-1.鉢の受け皿に水を貯めると根腐れなどで枯れる危険がある
水やり後に、受け皿の水を放置すると枯れる危険があります。
1章の水やりの基本で記載した通り、1回の水やりの量は「鉢底から水が出るくらいたっぷり」と与えます。
そのため、水やり後には受け皿に水が溜まります。
その水を放置すると次のようなことが発生します。
・根腐れを起こす
・土の中から出てきた土壌菌が繁殖する
・虫の発生原因になる
特に夏は害虫や菌、冬は根腐れの危険が高まりますので、必ず受け皿の水は捨てるようにしましょう。
3-2.頻度が多すぎると根腐れを起こすので要注意
パキラは湿潤な環境を好みますが、だからといって水を与えすぎると根腐れを起こします。
「植物は水が好きだから毎日あげよう!」と1年中、毎日水やりをすると必ず根腐れを起こします。
1章で記載した通り、適切な頻度で水をあげることで、パキラの健康を維持しましょう。
3-3.水やりに使う水が熱すぎる・冷たすぎるのは要注意
よく水やりをする際に水道水の水をそのまま与えることがあります。
観葉植物が好む水温は「15度から20度」です。
春と秋は、水道水は15度から20度前後なので、新鮮な水を与えるのは良いことです。
夏と冬は少し気を遣う必要があります。
【夏の場合】
蛇口をひねったばかりの水道水は、水温が30度近くまで上がっていることがあります。
例えば、この水を窓際のパキラに与えると、蒸れてダメージを与える場合があります。
基本的に、夏場は朝の早い時間帯に水やりをしますので、そこまで温度は上がっていない場合が多いですが、少し気にしてあげると良いでしょう。
【冬の場合】
冬場の水温は5度程度まで下がるケースもあります。
キンキンに冷えた水をパキラに与えると、かえって悪影響になることがあります。
冬場は気温が上がった時間帯に水やりをしますが、水道水が冷たい場合は少しだけ温度を上げてあげると良いでしょう。
冬は水やりの頻度が非常に少ないため、そこまで手間がかかりません。
1週間に1度程度の水やりですので、その際に少しだけパキラのことを考えてあげると良いでしょう。
水の温度もこれぐらいでいいのかな、と判断に迷うことがあると思いますが、数字で測れるものなので水温計で測りましょう。
アクアリウム向けにシールタイプの温度計もあるので、ジョウロに貼り付けておけば置き場に困るということもありません。
Yahoo!で見る 楽天で見る アマゾンで見る
本来の用途と異なるため、ジョウロの外側に貼る場合は実際の温度とどれくらい差が出るのか、温度が反映されるまでの時間がどれくらいかかるのか確認する必要があります。
耐水性でジョウロの内側に貼れる場合はその点も気にする必要がないので、内側に貼れるものが便利です。
ジョウロの素材にうまく張り付かないという場合は、耐水テープを使うなどの工夫が必要です。
4.水やり特別編:パキラの葉水の方法
この章では、水やりに関連して葉水について解説します。
この章では「葉水=霧水」と定義します。
霧吹きで葉っぱや株を湿らすことを指します。
「葉水」はシャワーの強い水流で、株全体を洗い流す意味もありますので、混同しないように定義しました。
パキラに葉水(霧水)をする3つのメリット
葉水には、3つのメリットがあります。
・乾燥で葉っぱが枯れることを防ぐ
・葉っぱに水分があると害虫が嫌がるので防虫効果がある
・光合成を阻害するホコリを流してくれるので成長しやすい環境になる
葉水はパキラをはじめ、観葉植物にとって非常に大きなメリットがあります。
出来るだけ定期的に葉水をすることで、よりパキラが元気に成長しやすい環境を作ることができます。
葉水の方法(やり方、頻度)
次に葉水をする方法を記載します。
パキラに葉水をする時間帯
夏:午前中の早い時間帯または日没後
冬:気温が上がってきた午前中
春と秋:いつでも
夏場と冬場は少し注意が必要ですので、次の2つのポイントを理解しておきましょう。
夏場:気温の高い真昼に与えると、葉っぱの温度が急上昇し、ダメージを与える
冬場:気温が低い朝や夜に与えると葉っぱが冷え過ぎる
夏は気温が35度以上になる地域が多いです。
昼間に葉水をすると、葉っぱについた水滴の温度が上がり、蒸れてしまいます。
蒸れると葉っぱにダメージを与えますので、早い時間帯に行いましょう。
逆に冬は、午前中の遅い時間や昼間あたりが良いです。
気温が低い時間帯に葉水をすると、葉っぱが冷えてダメージを与えてしまいます。
パキラに葉水をする頻度
乾燥する時期は、毎日でもしてあげてください。
乾燥すると、ほこりが溜まったり、害虫がつきやすくなります。
葉水をすることで、それらを予防・除去することができます。
ただ、湿度が高い梅雨時期などは日にちを空けて行いましょう。
葉水により逆に蒸れてしまう可能性があります。
パキラに葉水をする時の注意点
注意点は「1度の葉水で、たくさんやりすぎないこと」です。
これは頻度の話ではなく、1回の量の話です。
1回の葉水で、たくさん吹きかけると、葉っぱから水滴がたくさん垂れて、土が湿ります。
冬場にこれを毎日すると、パキラが根腐れを起こします。
量が多すぎる葉水は「水やり」と同じことになります。
乾燥する冬で毎日葉水をする際にも、葉っぱから水滴が垂れないように適度に行いましょう。
あとは、この章で記載した葉水の方法を守れば、適切な葉水をすることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はパキラの水やりについて詳しく解説しました。
パキラの正しい水やり方法
頻度は季節によって変える
水やりの量は1年中同じで「鉢底から水が出るくらいたっぷり」
水やりの時間帯は、1年を通して午前中あたりで季節によって微調整する
定期的に浴室やベランダで株全体にシャワーをかける
パキラの水やりで季節ごとのポイント
春:徐々に暖かくなり始めるとパキラの成長が活発になり土の渇きが早くなります。
夏:パキラの生育期で気温も高く土が乾きやすいので、水切れに注意
秋:土の乾きが遅くなるので、夏のペースで水やりしないように注意
冬:土の乾きが非常に遅いので、乾かし気味に育てる
パキラの水やりで注意するべき3つのポイント
1.鉢の受け皿に水を貯めると根腐れなどで枯れる危険がある
2.頻度が多すぎると根腐れを起こすので要注意
3.水やりに使う水が熱すぎる・冷たすぎるのは要注意
パキラの葉水の方法
【葉水のメリット3つ】
・乾燥で葉っぱが枯れることを防ぐ
・葉っぱに水分があると害虫が嫌がるので防虫効果がある
・光合成を阻害するホコリを流してくれるので成長しやすい環境になる
【時間帯】
夏:午前中の早い時間帯または日没後
冬:気温が上がってきた午前中
春と秋:いつでも
【頻度】
乾燥する時期は毎日でもOK
【注意点】
1度の葉水で、たくさんやりすぎないこと
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
他のパキラのおすすめ記事はこちら
パキラとは|基本的な特徴や花言葉、初心者向け育て方、注意点を解説パキラが枯れる原因7つと対処法|復活して元気に成長するための秘訣初心者も安心!パキラの育て方|水やりや剪定方法、植え替え等を解説