「アガベ雷神ってどんな植物なのかな?」
「自分でも育てることができるのかな?」
あなたはこのような疑問をお持ちではないでしょうか?
雷神はアガベの中でも非常に人気が高い種類です。
育成難易度がアガベの中でも非常に簡単で、初心者でも育てることができます。
そこで今回は、観葉植物販売店のミドリスが、初心者の方向けにアガベ雷神について詳しく解説します。
・雷神と吉祥冠や風雷神、雷神錦との違い
・上手な育て方(年間お手入れカレンダー付き)
・育てる際の注意点7つ
・よくある質問
このような内容となっています。
この記事を読めば、雷神がどんな植物なのかを知り、年間でどんな管理をすれば良いのかがわかります。
この記事の目次
1.アガベ雷神とは?基本情報や特徴を紹介
この章では、アガベ雷神の基本的な情報を紹介します。
植物名 | アガベ・ポタトルム・雷神 |
科属 | キジカクシ科リュウゼツラン属 |
原産地 | メキシコ |
花言葉 | 「繊細」「気高い貴婦人」 |
花 | 数十年に1度、黄色花を咲かせる |
耐寒性 | 0度程度 |
生育難易度 | 非常に簡単 |
それでは基本情報を詳しく解説します。
1-1.特長は青みがかった美しいウェーブがある葉っぱ
アガベ雷神は、非常に美しい種類です。
ブルーグレーの美しい葉っぱと、少しウェーブ状に伸びる葉っぱが特徴です。
また、葉の先端の棘が赤いのも特徴の一つです。
1-2.花は数十年に1度咲き、その後は子株を残して枯れる
アガベ雷神の花は50年から100年に1度咲くと言われています。
アガベ雷神の花を見た人は「雷神の力」を得て幸運になるとも言われています。
花が咲いた後は子株を残して枯れてしまいます。
一生に1度、できるかどうかの希少な体験です。
1-3.耐寒性に優れるので地植えでも育てられる
アガベ雷神の耐寒温度は0度程度なので、地植えでも育てることができます。
ドライガーデンでも人気のアガベです。
小さな個体だとまだ耐寒性が弱いですが、大きく育てることができれば水はけの良いお庭に植えて楽しむことができます。
1-4.アガベ雷神の成長速度
成長速度は個体差もありますが、アガベなので比較的ゆっくりです。
私たちミドリスで管理している株ですと、1年間で7枚程度の葉っぱが増えました。
葉っぱが増えたことに伴い、高さも5cmほどアップしています。
基本的にアガベはゆっくりした成長スピードです。
1-5.雷神はアガベの中でも人気の種類
アガベ雷神はアガベの種類の中でも人気が高い種類です。
・美しいブルーグレー色
・尖った葉っぱ
・葉っぱの先端の赤い棘
・小さな個体から大型まで幅広く流通している
・育てやすい
このような理由で、人気です。
2.アガベ雷神と他の種類の吉祥冠や風雷神、雷神錦との違い
アガベ雷神は、英語で「アガベ・ポタトルム」です。
雷神を原種とした園芸品種(派生品種)は多く出回っており、次のような品種があります。
アガベ・ポタトルム・雷神錦:雷神の斑入り品種
アガベ・ポタトルム・吉祥冠:最大60cm〜80cm。日本で多く流通。
アガベ・ポタトルム・風雷神:散斑が入る淡い緑。最大60cm〜90cm
写真は次の通りです。
雷神錦 | 吉祥冠 | 風雷神 |
このように、雷神の園芸品種は多数流通しています。
「錦」と付くのは斑入り品種です。
そのため、雷神の斑入り品種は「雷神錦」、吉祥冠の斑入り品種は「吉祥冠錦」という名前です。
こちらはアガベ吉祥冠錦です。
吉祥冠の斑入り品種です。
3.アガベ雷神の育て方
この章ではアガベ雷神の育て方を解説します。
まずは、年間のお手入れカレンダーをご覧ください。
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1.置き場所は1年を通して日当たりが良い場所
アガベ雷神は日光が大好きな植物です。
そのため、1年を通して日当たりの良い場所で管理をしましょう。
ただし、強い直射日光や急な直射日光は葉焼けを起こす危険がありますので注意しましょう
【葉焼けが発生するパターン】
・真夏の強い日差し
・休眠後、春先に急に直射日光に当てる
・水やり後に葉っぱに水分が残っている時に強い日光を当てる
このようなパターンです。
5月から9月は、10%程度遮光して優しい日光を当ててあげると上手に育てることができます。
3-2.水やりは季節によって頻度を変える
アガベ雷神の水やりは季節によって微調整します。
次の頻度を目安にしてください。
4月〜10月:土が完全に乾いてから4、5日後にたっぷり
11月:土が完全に乾いたらを基準に、徐々に減らす
12月から2月:月に1回程度、土の上部を湿らす程度
3月:休眠明けから徐々に増やす(土の上部が湿る程度)
このような頻度を目安に行いましょう。
大きい株であれば、冬場は完全断水することもできます。
ただ、断水をすると根が枯れたり、春の立ち上がりが遅くなるデメリットがあります。
室内の暖かい場所であれば、断水しなくても越冬できます。
冬場の水やりは、暖かい日の午前中を目処に行いましょう。
夕方などに与えると、土が湿ったまま夜を迎えて、根を傷めてしまう危険があります。
3-3.植え替えは年に1度、4月〜5月に行う
アガベ雷神は成長が早いので、根詰まりを避けるために1年に1度を目安に植え替えを行います。
ただ、大きく育った株については、2年に1度程度でも問題ありません。
暖かくなってきた4月から5月のよく晴れた日に植え替えを行いましょう。
具体的な植え替えの手順は次の通りです。
STEP1.水やりを1週間程度控え、土を乾かす
STEP2.雷神を鉢からゆっくりと出す
STEP3.土を綺麗に落とす
STEP4.傷んだ根(茶色)を除去し、白い根だけを残す
STEP5.根の長さを4cm〜5cmに揃える
STEP6.古い下端を除去する
STEP7.鉢に多肉植物用の土を入れる
STEP8.雷神を入れて、根をしっかり覆う
STEP9.植え替え後、5日程度経過したらたっぷりと水やり
この手順で植え替えが完了します。
項目は多いですが、作業時間は30分程度で済みます。
根詰まりによる枯れを防ぐためにも、毎年しっかりと植え替えをして雷神が成長しやすい環境を作ってあげてくださいね。
植替えの際に切り離して植えると簡単に増やすことができます。
※写真はアガベ吉祥冠です。
本体 | 子株 |
3-4.肥料は植え替え時に元肥を与えれば原則不要
肥料は、毎年の植え替えの際に元肥を与えれば、追肥は不要です。
必要な場合としては、大きく育った株で2年に1度の植え替えをしている場合は、2年目に肥料を与えましょう。
4月ごろに緩効性化成肥料を置き肥すれば問題ありません。
3-5.剪定は株が傷んだ際に「胴切り」などを行う
雷神に限らず、アガベを育てていると株が痛むことがあります。
梅雨時期の蒸し暑さや葉焼け、根詰まりなど、株が痛む要因は様々です。
そんなトラブルの際は剪定の一種である「胴切り」を行います。
胴切りは下葉がひどく傷んだ際に次の手順で行います。
STEP1.雷神を鉢から出す
STEP2.枯れた下葉や傷んだ葉を除去する
STEP3.根も全てカットし、葉っぱの一番根元の茎部分を出す
STEP4.雷神を綺麗に洗う
STEP5.風通しの良い日陰で2週間程度乾かす
STEP6.日陰で水挿しをして発根を促す(毎日水を交換)
STEP7.根が3cm程度出たら植え付ける
このような形で傷んだ株をリセットすることができます。
もし、下葉ではなく中心部が傷んだ場合は、胴切りを応用した方法で剪定をします。
手順は次の通りです。
STEP1.中心部の葉っぱを全て切る
※葉っぱは茎までカットしないようにする
STEP2.新芽が出るまで半日陰で管理をする
STEP3.新芽が出たら今まで通りの管理をする
STEP4.半年から1年で綺麗な株に戻る
※新芽部分を新しい株として使いたい場合は、胴切りと同じ手順で増やします。
STEP5中心部をカッターを使って切り離す
※胴切りと同じく、茎部分も付いてくるようにカットします。
STEP6.雷神を綺麗に洗う
STEP7.風通しの良い日陰で2週間程度乾かす
STEP8.日陰で水挿しをして発根を促す(毎日水を交換)
STEP9.根が3cm程度出たら植え付ける
工程が複雑ですが、傷んだ場合はぜひチャレンジしてください。
3-6.病害虫は年間を通してチェックし早期発見、対処
アガベは比較的病害虫に強い植物ではありますが、注意する必要があります。
アザミウマやハダニ、カイガラムシに注意が必要です。
害虫は病気を誘発するものもいますので、早急に対処をしましょう。
病気は、「炭疽病」や「すす病」に注意が必要です。
基本的に、害虫も病気も「早期発見・早期対処」が必須です。
素早く対処することで、被害を最小限に抑えることができます。
基本的に、園芸用の害虫スプレーは常備しておきましょう。
3-7.耐寒温度(耐寒性)が0度程度なので、冬は注意
アガベ雷神の耐寒温度は0度程度です。
地植えできるサイズまで大きくなった株は耐寒性が高まっていますが、小さい株は冬の寒さに耐えることができません。
そのため、冬になったら室内に移動させましょう。
移動先は、窓際の日当たりが良い場所にしましょう。
また、エアコンの風が直接当たる場所は、株が傷むので注意してください。
3-8.土づくりは水はけ重視
アガベ雷神は乾燥地帯が原産の植物なので、土づくりは「水はけ重視」です。
おすすめはプロトリーフの「室内向け観葉・多肉の土」です。
無機物中心の土でコバエが湧きにくく、水はけも非常に優れています。
4.アガベ雷神を育てる際の注意点7つ
この章では、アガベ雷神を育てる際の注意点を紹介します。
注意点は次の7つです。
1.水のあげすぎに注意
2.激しい直射日光に注意
3.根詰まりに注意
4.肥料の与えすぎに注意
5.梅雨時期は高温多湿に注意
6.冬場の寒さに注意
7.病害虫に注意
この7つの注意点を理解しておき、あとは2章で紹介した育て方をすれば、アガベ雷神は元気に育ちます。
アガベ雷神が「どんなことをしたら喜ぶか」「どんなことをしたら嫌がるか」を理解することで、元気にすくすくと成長することができるでしょう。
5.よくある質問
この章ではアガベ雷神やアガベに関するよくある質問を紹介します。
アガベの子株とはなんですか?
育てていると株周りから出るアガベの赤ちゃんです。
植え替え時に増やすこともできるで、ぜひチャレンジしてください。
※写真はアガベ吉祥冠です。
本体 | 子株 |
植え替え時に優しく取って、増やすこともできます。
屋外で管理することはできますか?
どんな株でも春から秋は屋外でも管理できます。
注意点としては、2つあります。
1.株が小さいうちは耐寒性が低いので冬は屋内で管理する
2.害虫がつきやすくなるので目視チェックをしっかりとする
この2点を注意しましょう。
アガベ雷神が徒長したらどうすれば良いですか?
暖かい時期に胴切りをしてリセットしましょう。
雷神の生育環境によっては、徒長してしまい、見栄えが悪くなることがあります。
基本的には胴切りでリセットをして、仕立て直しを行います。
具体的な手順は「3-5.剪定は株が傷んだ際に「胴切り」などを行う」で解説しています。
雷神はどれくらいの価格で流通していますか?
大きさにもよりますが、小さい号数で数千円、大型株で数万円です。
雷神は他の植物と同様、大きさによって大きく価格が異なります。
5号前後のものは5000円前後、10号前後のものは2万円前後で販売されています。
6.ミドリスのアガベ雷神販売サイト
ミドリスではアガベ雷神の大型株を販売しています。
ミドリスのアガベ雷神販売サイトはこちら
・アガベ雷神 12号
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は人気のアガベ「雷神」について詳しく解説しました。
記事を簡単にまとめます。
アガベ雷神の基本情報
植物名 | アガベ・ポタトルム・雷神 |
科属 | キジカクシ科リュウゼツラン属 |
原産地 | メキシコ |
花言葉 | 「繊細」「気高い貴婦人」 |
花 | 数十年に1度、黄色花を咲かせる |
耐寒性 | 0度程度 |
生育難易度 | 非常に簡単 |
・特長は青みがかった美しいウェーブがある葉っぱ
・花は数十年に1度咲き、その後は子株を残して枯れる
・耐寒性に優れるので地植えでも育てられる
・雷神はアガベの中でも人気の種類
アガベ雷神と吉祥冠や風雷神、雷神錦との違い
アガベ・ポタトルム・雷神錦:雷神の斑入り品種
アガベ・ポタトルム・吉祥冠:最大60cm〜80cm。日本で多く流通。
アガベ・ポタトルム・風雷神:散斑が入る淡い緑。最大60cm〜90cm
アガベ雷神の育て方
・置き場所は1年を通して日当たりが良い場所
・水やりは季節によって頻度を変える
・植え替えは年に1度、4月〜5月に行う
・肥料は植え替え時に元肥を与えれば原則不要
・剪定は株が傷んだ際に「胴切り」などを行う
・病害虫は年間を通してチェックし早期発見、対処
・耐寒温度が0度程度なので、冬は注意
・土づくりは水はけ重視
アガベ雷神を育てる際の注意点7つ
1.水のあげすぎに注意
2.激しい直射日光に注意
3.根詰まりに注意
4.肥料の与えすぎに注意
5.梅雨時期は高温多湿に注意
6.冬場の寒さに注意
7.病害虫に注意
以上となります。
ぜひ、かっこいい多肉植物「アガベ雷神」をチャレンジしてみてくださいね。