「タピアンってどんな植物だろう?」
「自分でも育てることができるのかな?」
あなたはこのような疑問をお持ちではないでしょうか?
タピアンは、「花咲くグランドカバー」として人気急上昇中の植物です。
グランドカバーの他にも、鉢植えや花壇などでも育てる方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、そんな人気のタピアンを年間20万ポット以上のグランドカバーを販売する私たちミドリスが徹底解説します。
・タピアンの魅力8つ
・購入前に知るべきデメリット(注意点)5つ
・実際に植える際の注意点7つ
・グランドカバーでの育て方
・プランターでの育て方
・タピアンの増やし方
・枯れてしまう原因4つ
このようにタピアンについて網羅的に解説します。
実際に私たちもプランターや花壇でタピアンを育てているので、ユーザー目線のお話もできればと思います。
この記事を読めば、あなたがタピアンを購入するかの意思決定ができて、その後の上手な管理方法まで知ることができるでしょう。
タピアンに関するよくある質問をまとめた記事を公開しました。
合わせてお読みください。
この記事の目次
1.タピアンとは?
まずは、タピアンの基本情報を紹介します。
科名 | クマツヅラ科バーベナ属 |
出生 | バーベナの園芸品種 |
種類 | 多年草 |
開花時期 | 4月から11月 |
花の色 | 白・紫・赤 |
草丈 | 10cmから20cm程度 |
花言葉 | 魅力・魅了(バーベナ属の花言葉) |
日当たり | 直射日光が半日以上当たる場所 |
耐寒温度 | マイナス5度程度 |
栽培難易度 | 非常に簡単 |
タピアンは、お茶やスポーツドリンク、お酒等で有名な「サントリー」の園芸部門会社「サントリーフラワーズ」が開発した植物です。
タピアンは、バーベナ(別名:美女桜「ビジョザクラ」)の園芸品種として開発された多年草です。
バーベナは、250種類以上存在し、多年草と一年草が混在していますが、タピアンは寒冷地以外では多年草として活躍することができます。
タピアンをはじめとするバーベナは非常に丈夫で簡単に花を咲かせることができるので、初心者の方でも挑戦しやすい植物です。
「タピアン」という可愛い名前の由来は、フランス語の「tapis」(意味:絨毯、カーペット)が由来とされています。
次の章は、タピアンの魅力について解説します。
2.注目のグランドカバー「タピアン」の魅力8つ
この章では、タピアンの魅力を解説します。
【タピアンの魅力まとめ】
1.開花期間が4月から11月と、長い期間楽しむことができる
2.花の色が4種類で好みに合わせて導入できる
3.使い道がグランドカバー・プランター・花壇などたくさんある
4.グランドカバー(下草)として雑草抑制効果がある
5.成長速度が早い
6.病気に強く、丈夫に育つ
7.多年草なので、長い期間タピアンを楽しむことができる
8.常緑なので、常に綺麗な状態を維持できる
それぞれ詳しく解説します。
2-1.開花期間が4月から11月と、長い期間楽しむことができる
タピアンの特徴であるお花は4月から11月まで非常に長い期間咲きます。
同じお花を楽しむ植物として代表的なもので「芝桜」がありますが、開花期間は1、2ヶ月程度で、満開の時期は2、3週間程度です。
一方タピアンは、半年以上の開花期間があり、たくさんのお花を咲かせます。
満開の時期が終わっても、花茎をカットすることでまたお花をたくさん咲かせます。
「あのお家のお庭や花壇は、いつもお花が咲いていて綺麗だなぁ」と、他の人から羨ましがられることでしょう。
実際に、ミドリスの事務所前でもプランターのタピアンを飾っています。
ご近所さんから「この花綺麗だね」と何回も褒めていただきました!
2-2.花の色が4種類で好みに合わせて導入できる
タピアンは4色の花色があります。
お気に入りの色を植えて統一感を出すこともできれば、グラデーションとして植えたり、寄植えを楽しむこともできます。
それぞれの色を詳しく解説します。
2-2-1.パープリッシュホワイト(白色の種類)
パープリッシュホワイトは、白系統の品種でタピアンの中で一番人気の種類です。
優しい花色が人気で、伸びが良くグランドカバーに向いている品種です。
2-2-2.バイオレット(濃い紫の種類)
バイオレットは、濃い紫の花色です。
秀逸な株張で、ボリューミーに仕上がります。
パープリッシュホワイトに続き、人気NO2です。
2-2-3.ローズ(鮮やかな赤紅色の種類)
ローズは、赤系統の花色で、鮮やかな赤紅色を花を咲かせます。
開花時期が早く、コンパクトに広がるのが特徴です。
2-2-4.ラベンダー(優しい赤紫色の種類)
ラベンダーは優しい赤紫色のお花を咲かせます。
開花が早く、コンパクトなので、プランター栽培に向いています。
2-2-5.寄せ植えやグラデーションの魅力
単色で統一感を出すのもスタイリッシュですが、寄せ植えやグラデーション植栽をすることでさらにゴージャスな仕上がりになります。
寄せ植えの例 | グラデーションの例 |
お庭でこのような寄せ植えやグラデーション植栽をすれば、他のお庭とは全く違う、圧倒的な雰囲気作りができるでしょう。
筆者が育ててみて、やはり寄せ植えが非常に豪華な見栄えになります。
このように3色寄せ植えで育てています。
2-3.使い道が「グランドカバー(地植え)」「プランター(鉢植え)」「花壇」などたくさんある
タピアンは、さまざまな用途で活躍することができます。
代表的な使い方は3つで「グランドカバー(地植え)」「プランター(鉢植え)」「花壇」です。
それぞれの使い方について具体的に紹介します。
2-3-1.地植えのグランドカバーとして
最近では、タピアンをグランドカバーとして導入する方が多くいらっしゃいます。
花の期間が長いことから「花咲くグランドカバー」と呼ばれています。
日常的な踏みつけには弱いため、人の出入りが少ないお庭部分への植栽をおすすめしています。
2-3-2.プランター(鉢植え)として
一番多いユーザーが、プランターで楽しむ方です。
プランターでは非常に簡単に育てることができます。
摘芯や株のリフレッシュを丁寧にすることで大きく育ち、年に何回も満開を楽しむことができます。
また、プランターのメリットとしては簡単に移動できることです。
実際に育ててみて、夏場に暑すぎて少し不調が見られた際に、日当たりを調整したところ元気になりました。
2-3-3.花壇のお花として
お庭の花壇でもタピアンは活躍できます。
花壇は大きさにもよりますが、グラデーションや寄せ植えも楽しむことができます。
花壇であれば、土づくりも比較的簡単なため、上手に育てることができるでしょう。
2-4.グランドカバー(下草)として雑草抑制効果がある
タピアンは、地面を這うように伸びていく「匍匐(ほふく)性」で、成長スピードが早いので雑草抑制効果があります。
次の画像をご覧ください。
このように、タピアンを植えることで雑草を比較的抑えることができます。
雑草は道路のアスファルトでも1m以上成長することから分かる通り、非常に強い生命力を持っています。
そのため、タピアンを植えたところで、雑草が生えなくなるということはあり得ません。
あくまでも「抑制効果がある」ということを理解しておきましょう。
2-5.成長速度が早い
タピアンは成長速度が非常に早い植物です。
次のGIF動画をご覧ください。
ミドリスで大切に育てたタピアンの様子です。
非常に成長速度が早いため、あっという間にお庭や花壇を覆ってくれるでしょう。
春植え・秋植えのタピアンの成長速度がわかる記事がありますのでぜひご覧ください。
春植えタピアンの爆速成長記録|早い速度で開花・繁茂する様子を公開秋植えタピアン225日間成長記録|冬越しをして開花する様子を公開2-6.病気に強く、丈夫に育つ
タピアンは、非常に丈夫な植物です。
病気になりにくく、元気よく成長するので、初心者にはぴったりの植物です。
植物を育てたことがない人は、上手に育てることができるか不安に感じている方も多いでしょう。
タピアンであれば、4章と5章で紹介する育て方をするだけで、元気よく成長します。
注意点としては、環境が悪いとうどんこ病を発症することがあります。
万が一病気になった際には迅速な対応が必要です。
ミドリスで育てているタピアンは1年を通して一度も病気になりませんでした。
2-7.多年草なので、長い期間タピアンを楽しむことができる
タピアンは、1年草と違い、何年も楽しむことができます。
1度植えれば、何年も美観を維持することができるのは大きな魅力です。
それを下回ると、越冬ができない可能性がありますので注意が必要です。
2-8.常緑なので、常に綺麗な状態を維持できる
タピアンは常緑に該当する植物です。
このように、寒い地域に分類される岐阜県の1月でも、緑を維持しています。
ただ、冬で枯れる場合は2つあります。
・氷点下を下回ると下葉が傷む可能性あり(翌春復活)
・低温によるアントシアニンの発生で赤茶色に紅葉する
このような場合に、少し枯れたようになりますが、一般的な冬枯れの「葉っぱを落とす」ような症状はありません。
アントシアニンが発生すると次のような赤紫色になることもあります。
3.植えたら後悔?事前に知るべきデメリット(注意点)5つ
この章では、タピアンのデメリットを紹介します。
デメリットと言っても、多くは事前に知っておくことで回避できるものが多いです。
そのため、「注意点」であることが多いです。
2.踏み付けに弱いので、普段から踏み入れる場所には不向き
3.日光が好きなので、日陰では生育不可
4.寒冷地では越冬が不可能
5.冬枯れをするので、冬場は見栄えが落ちる
それぞれ詳しく解説します。
タピアンで後悔するパターンを解説した記事を公開しましたので、合わせてお読みください。
地植えでタピアンを植えて後悔するパターン5選|失敗回避方法を解説3-1.雑草も生えてくるので、定期的な管理が必要
2章でも記載しましたが、タピアンを植えても雑草は生えてきます。
そのため、定期的な雑草管理が必要となります。
タピアンに限らず、グランドカバープランツを植える場合は、雑草管理は必須です。
ほったらかしでは、上手に育ちませんので、あなたが可愛がってあげることが重要です。
3-2.踏み付けに弱いので、普段から踏み入れる場所には不向き
タピアンは、何度も踏みつけられると弱ってしまいます。
有名なグランドカバープランツの玉竜や芝桜も踏みつけには弱いです。
グランドカバーとして導入する際には、人が定期的に踏み入れない場所に植えることをおすすめします。
踏みつけに強いグランドカバーは「クラピア」がおすすめです。
詳しくは次の記事をご覧ください。
3-3.日光が好きなので、日陰では生育不可
タピアンの必要な日当たりは「半日以上直射日光が当たること」です。
そのため、日陰では生育不可です。
日陰でグランドカバーを植えたいと考えている方は次の記事をご覧ください。
日陰のお庭でも元気に成長できるグランドカバーおすすめ10選3-4.寒冷地では越冬が不可能
タピアンの耐寒温度はマイナス5度程度です。
そのため、寒冷地では冬を越すことができません。
プランターであれば、一時的に暖かい場所に移動して寒さを凌ぐことはできますが、グランドカバーや花壇では越冬が不可能です。
そのため、寒冷地で屋外での植栽はおすすめしません。
ただ、マイナス5度以下にならなければ、雪が降っても大丈夫です。
写真のようにミドリスで育てているタピアンは雪が20cm程度積もっても元気に緑を維持しています。
マイナス5度以下になる地域の方は他のグランドカバープランツを検討しましょう。
芝桜であれば、北海道でも有名な名所があるくらい寒さに強いです。
気になる方は次の記事をご覧ください。
芝桜(シバザクラ)とは?基本的な特徴と植え方、育て方をプロが解説お庭での芝桜活用法6選|おすすめの理由と注意点【花壇・プランター・玄関もOK】3-5.寒さによる茶色への変色の可能性がある
先ほども記載しましたが、常緑のタピアンでも2つの場合に茶色くなることがあります。
・氷点下を下回ると下葉が傷む可能性あり(翌春復活)
・低温によるアントシアニンの発生で赤茶色に紅葉する
植栽環境により発生の有無が異なりますが、茶色くなってしまった場合は少し見栄えが悪くなります。
ただ、翌春には新芽が出て緑が戻ります。
4.タピアンを植える際の注意点7つ
この章では、タピアンを植える際の注意点を記載します。
注意点は次の5つです。
1.事前に雑草を完全に除去する
2.土づくりをしっかりとする
3.植え付け時は、ポットの根をほぐす
4.培養土を使う
5.植え付ける際に、根っこが露出しないように培養土で隠す
6.直射日光が半日以上当たる場所に植え付ける
7.日常的に雑草の処理ができない人はシートを併用する
それぞれ詳しく解説します。
4-1.事前に雑草を完全に除去する
これは最も重要なポイントの一つです。
雑草が生えたまま植えると、タピアンに日光が当たらず枯れてしまうこともあります。
また、雑草も同時に成長するので見栄えも悪くなります。
そのため、雑草が生えている場合は次の手順で完全に枯らします。
STEP1.液体除草剤(茎葉処理型)で完全に枯らす
STEP2.枯れた雑草を集草する
STEP3.タピアン植栽まで時間がある(3ヶ月以上)場合は、土壌処理型除草剤を使う
ここまで準備すれば、タピアンに有利な環境で成長することができます。
注意点としては、STEP3の土壌処理型除草剤を使う場合です。
効果の期間が数ヶ月にも渡りますので、効果が残ったままタピアンを植えると枯れてしまいます。
商品によって3ヶ月から半年以上効果が続きますので、効果が過ぎて1ヶ月くらい余裕を持って植えましょう。
※例:効果3ヶ月の除草剤は、散布してから4ヶ月後に植える
4-2.土づくりをしっかりとする
タピアンをはじめ、グランドカバープランツは土づくりが非常に重要です。
どんなに丈夫な植物でも、不向きな土壌に植えると、やがて枯れてしまいます。
タピアンが苦手な土質は次の通りです。
・粘土質
・砂質
・栄養が乏しい土質
このような土地では、ほとんどのグランドカバープランツは不向きです。
そのため、上記の土質の場合は、「土壌改良」をしてから植栽する必要があります。
花壇やプランターであれば、基本的に培養土に植えるので問題ないですが、お庭のグランドカバーとして導入する場合には、元々の土壌環境をしっかりと把握する必要があります。
4-3.植え付け時は、ポットの根をほぐす
植え付け時にポット苗の根っこを少しほぐしてあげましょう。
ポット苗の生産では、根が固まっている場合があります。
ほぐしてあげることで、植え付け場所の土壌に早く活着します。
わずかな労力で効果が高い方法なので、ぜひ実践しましょう。
4-4.培養土を使う
植え付け時は、元々の土壌に穴を掘って植えるのではなく、培養土を入れて植えるようにしましょう。
お庭の土質は、各家庭で全く異なります。
培養土であれば、タピアンが安定して活着することができます。
培養土は植物の生育に必要な「栄養分」「保水力」「保肥力」「排水力」が整っているので、初期の活着率を向上させることができます。
植物は成長と共に大きくなりますが、部分的にしか土に栄養がないと、伸びた先で栄養補給ができません。
また、伸びた先が不向きな土壌である「粘土質」だった場合は枯れてしまうこともあります。
そのため、4-1で記載した土づくりをすることが非常に重要となります。
4-5.植え付ける際に、根っこが露出しないように培養土で隠す
タピアンに限らず、植物を植え付ける際に、よくある失敗が「根っこが露出する」ということです。
根っこが露出したままだと、乾燥しやすく、根っこにダメージを与えてしまいます。
そのため、植え付けの際には、根っこがしっかりと隠れるように覆いましょう。
○しっかりと根が隠れている例○ | ✖️根が露出してしまっている例✖️ |
左側のように、根っこが隠れて培養土に包まれているような状態にしましょう。
4-6.直射日光が半日以上当たる場所に植え付ける
タピアンは最低でも半日以上日当たりが良い場所でないと生育不良を起こします。
そのため、日陰では管理することができません。
もし、日陰でグランドカバーをお探しの方は次の記事をご覧ください。
日陰のお庭でも元気に成長できるグランドカバーおすすめ10選4-7.日常的に雑草の処理ができない人はシートを併用する
タピアンが広がるまで、日常的に隙間の雑草の処理ができない人は、シートを併用しましょう。
芝桜でも採用されている方法で、シートの上にタピアンを成長させ、隙間からの雑草はシートが防ぎます。
次の写真をご覧ください。
注意点としては、すべての節がシートを通根することはないので、平米あたり4つ以上植えるようにしましょう。
タピアンの株張りは60cm程度まで大きくなりますので、十分に覆い尽くしてくれます。
実験で使ったシートは私たちミドリスのオリジナルの「すくすくシート」です。
各通販サイトで販売しています。
5.【地植え編】タピアンの育て方
この章では「グランドカバー(地植え)」でのタピアンの育て方を解説します。
5-1.水やりは根付くまで2、3週間程度、土が乾いたタイミングで与える
タピアンを植えた場合、元々の土壌に根付くまでに2、3週間かかります。
そのため、根が活着するまでは、吸水力が弱いため水やりでサポートする必要があります。
頻度は、土が乾いたタイミングで与えましょう。
雨が降った後で、土が湿っている場合は不要です。
水のあげすぎは根腐れを起こす危険性もあるので、やりすぎに注意しましょう。
5-2.株をリフレッシュする際には、スコップで茎を切る
地植えの場合は、基本的に摘芯(ピンチ)をする必要はありません。
ただ、株をリフレッシュしたい時にはスコップを用いて茎を切ります。
具体的な方法は次の通りです。
株元と伸びた先端の間にスコップを挿して茎を切る
このようにすることで、摘芯(ピンチ)と同様の効果を得ることができます。
5-3.植え付け時は、緩効性肥料を与える
緩効性肥料は「有機一発肥料草花類用」がおすすめです。
植え付け時の穴にペットボトルキャップ1杯分程度、混ぜ込みましょう。
5-4.効果が切れたタイミングで緩効性肥料を与える
タピアンは、他のグランドカバーに比べてよく肥料を消費します。
そのため、肥料の効果が切れなようにすることが重要です。
使用する肥料ごとに効果の期間が異なりますので、効果期間が切れるタイミングで追肥を行いましょう。
おすすめの肥料は「マグァンプ」と「有機一発肥料草花類用」です。
6.【プランター編】タピアンの育て方
この章では、プランターでのタピアンの育て方を解説します。
プランターは、地植えに比べて狭い面積なので、少し手間をかけて綺麗な株に育てることができます。
ボリュームがある綺麗な株に育てられるよう、ぜひご覧ください。
6-1.管理場所は風通しが良く、直射日光が当たる場所
プランターで育てる場合は、ある程度置き場所に自由があります。
そこで、タピアンが好む環境で管理してあげることで元気よく生育することができます。
基本的にはよく日が当たり、風通しの良い場所がベストです。
タピアンは日光が大好きなので、その点を考慮してあげましょう。
6-2.水やりは土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと
水やりは観葉植物と同じく「土が乾いたタイミングでたっぷり」が基本です。
グランドカバーの場合は、地面に活着したら水やりは不要になりますが、プランターでは保水できる量が限られているので、定期的な水やりが必要になります。
土が乾いたタイミングなのは、土が常に湿っていると根腐れを起こす危険性があるためです。
もちろん、雨が降って土が濡れている際は不要です。
また、「鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと」というのは誇大表現ではありません。
水やりには水分補給の他に「土中の二酸化炭素や老廃物を押し出す」という重要な役割があります。
二酸化炭素や老廃物を出して、新しく酸素を入れることでタピアンが健康的に育ちます。
6-3.摘芯(ピンチ)は、植え付けから2、3週間、2、3度繰り返す
摘芯(ピンチ)を行うことで、芽数が増えてボリュームが出る株に育ちます。
植物の枝や茎は、一番先の芽(頂芽)が、これより下にある芽(脇芽)より優先して成長する仕組みになっています。
これは、頂芽優勢というメカニズムでオーキシンとサイトカイニンという植物ホルモンが関連しています。
摘芯(ピンチ)で、先端の芽をカットすることで、脇芽の成長を促しボリュームが出るということです。
また、花の数も増えるので、非常に見応えのある綺麗なタピアンに仕上がります。
摘芯(ピンチ)のタイミングは新芽が出てきたタイミングに行います。
重要なポイントが「カットした部分より下に葉があること」です。
6-4.植え付け時は、緩効性肥料を与える
プランターに植え付ける際には、緩効性肥料を混ぜ込みましょう。
おすすめの肥料は「マグァンプK中粒」と「有機一発肥料草花類用」です。
必要量は次の通りです。
通常のプランター650型(横幅65cm)の場合
マグァンプK中粒:50g
有機一発肥料草花類用:100g
これらを参考に施肥をしましょう。
プランターのサイズにより必要量が異なりますので、商品ラベルに従って施肥をしましょう。
6-5.効果が切れたタイミングで緩効性肥料を与える
元肥の効果が切れたタイミングで新しく肥料を追加しましょう。
タピアンは肥料をたくさん消費します。
肥料切れになると花が少なくなるので、しっかりと追肥することをおすすめします。
6-6.花は咲き終わったタイミングで花茎ごとカットする
タピアンのようにお花を楽しむ植物は「花がら摘み」が重要です。
咲き終わった花がらを放置すると、そちらに養分が取られて、株全体の花付きが悪くなることに加え、株の寿命も短くなります。
また、花がらを放置すると、自然に落ちてカビや病気の原因になります。
園芸用のハサミで花茎からカットしましょう。
6-7.花が少なくなったり、株が乱れたら切り戻し剪定をする
切り戻し剪定でリセットすることで、また満開のタピアンを楽しむことができます。
プランターからはみ出して乱れたり、花の量が明らかに少なくなった時が切り戻しのタイミングです。
時期は8月までで、それ以降は行わないようにしましょう。
鉢の周りに沿う形で大胆に切り戻しをします。
切り戻しをする際には、それより下の茎にちゃんと葉っぱがあるか確認してから行いましょう。
6-8.冬越しは日当たりの良い場所でする
秋が過ぎたら、タピアンを短く刈り込んで冬越しの準備をしましょう。
冬の間は、日当たりの良い暖かい場所で管理しましょう。
また、霜が降りると負担がかかりますので、真冬は軒下などに避難すると尚良いでしょう。
7.タピアンの増やし方「株分け」・「挿し芽」※種苗法に要注意
例えば、増やした株をご近所さんや離れたご家族に譲渡する場合も種苗法違反となります。
最近ではお花の交換会なども行われているようですが、こちらも登録品種は絶対にしてはいけません。
・誰かにあげる
・誰かに売る
・増やして敷地外に植える
これらは全て違反となります。
種苗法は、種苗開発者の権利を守る大切な法律です。
必ず遵守するようにしましょう。
万が一、違反した場合は、個人なら10年以下の懲役か1千万円以下の罰金、法人なら3億円以下の罰金が科せられます。
タピアンをお庭内限定で増やす方法は「株分け」と「葉挿し」の2種類あります。
特徴は次の通りです。
株分け:1株を2つ以上に分けること。発根済みで成功率が高い
葉挿し:茎を切って発根からスタート。発根からで成功率が低い
それぞれ詳しく解説します。
7-1.株分け
株分けはタピアンが夏を越して大きく育ったタイミングに行うのがベストです。
手順は次の通りです。
STEP1.水やりを控えて土を乾かす
STEP2.タピアンを掘り起こす(鉢の場合は、鉢から出す)
STEP3.ハサミなどを使って株を分ける
STEP4.分けた株を新しい鉢や敷地内に植える
STEP5.水をたっぷりあげる
このような方法で株分けをすることができます。
株分けはすでに根がついている状態なので、成功率が極めて高いです。
また、鉢植えでは植え替えと同時にできるので効率的に増やすことができます。
7-2.挿し芽
挿し芽は春から夏にかけて行います。
STEP1.タピアンの茎を5cm程度でカットする
STEP2.ペットボトルに水を溜めて入れる
STEP3.茎から根っこが出て5mm程度まで伸びたらポット苗に植える
STEP4.ポット苗の中で大きくなれば、敷地内や植木鉢に植える
挿し芽はこのような手順で行います。
元の株への影響がほとんどないので、手間はかかりますが多く増やすことができます。
しかし、発根は難しい部分もありますので、成功率が低いです。
また、手間も多くかかるため、おすすめしません。
8.タピアンの必要数量の目安
この章ではタピアンの必要数の目安を記載します。
横長プランター:2~3株/65cm
このような数量が必要です。
グランドカバーの場合、10平米のお庭だと約40株〜60株を目安としましょう。
9.タピアンが枯れる原因4つ
この章では、タピアンが枯れる原因を記載します。
1.間違った環境に植える
2.日常的に人が踏む場所に植えて枯れる
3.水のあげすぎによる根腐れ
4.うどんこ病による枯れ
それぞれ詳しく解説します。
9-1.間違った環境に植える
丈夫なタピアンでも不向きな環境で成長することはできません。
次のようなパターンが「不向きな環境に植える例」です。
・粘土質や極端に硬い土壌、砂質の土壌に植える
・日陰の場所に植える
・雑草が生えたまま植えて、負ける
このようなケースが間違えた環境によって枯れる例です。
9-2.日常的に人が踏む場所に植えて枯れる
タピアンは芝生やクラピアのように、日常的に人が踏める植物ではありません。
そのため、何度も踏まれるとダメージを負って枯れてしまいます。
9-3.水のあげすぎによる根腐れ
植物の多くは、水をあげすぎると根腐れを起こして枯れてしまいます。
特にプランター栽培では、ついつい水をあげ過ぎてしまうことがあります。
基本的には「土が乾いたタイミング」で水やりをします。
グランドカバーでは完全に活着した後は原則水やり不要となります。
9-4.うどんこ病による枯れ
タピアンがかかる病気としては「うどんこ病」があります。
他の植物に比べて丈夫ではありますが、発症した場合は早急な対応が必要です。
病気にかかったまま放置すると、最終的には枯れてしまいます。
病気の範囲が小さいうちに適切な対処をしましょう。
【対処方法】
・発病した株を除去する
・穴が空いた部分に培養土を入れる
・トップジンM水和剤などの薬を散布
このように、病気の部分を完全に切除し、病気の拡大を防ぐ対処法が重要です。
9-5.タピアンを枯らさないためには「タピアンを可愛がること」が一番重要
この章では、枯れる理由を紹介しました。
どんな丈夫な植物でも、適切な管理をしないと1週間程度で枯れることがあります。
そのため、タピアンを枯らさないためには、あなたがタピアンを「可愛がる」ということが一番重要です。
可愛がるとは、具体的に「タピアンが喜ぶこと・嫌がることを理解する」です。
・風通しが良い場所が好き
・肥料が好き
・手入れしてもらうのが好き
・日光が少ないこと
・粘土質や極端に硬い土、栄養分が少ない場所に植えられる
・肥料が少ない
・手入れされず放置される
・過度な水やりをされる
喜ぶことをしてあげて、嫌がることは回避する。
これらを意識して実行することで、健康的なタピアンを育てることができるでしょう。
10.タピアンに関するよくある質問
最後に、タピアンに関するよくある質問を紹介します。
タピアンに関するよくある質問をまとめた記事を公開しました。
合わせてお読みください。
タピアンは、ほったらかしでも大丈夫ですか?
ほったらかしはNGです。
タピアンは丈夫な植物ですが、定期的な管理は必要です。
この記事で、グランドカバーとプランター別に育て方を解説していますので参考にしてください。
ほったらかしがNGな理由を解説した記事を公開しました。
地植えタピアンほったらかしはNG!4つの理由と適切な育て方を解説
タピアンは日陰でも育ちますか
日陰では育ちません。
日陰に植えて、数週間は過ごせるかもしれませんが、やがて生育不良を起こして枯れてしまいます。
そのため、日陰に植えるのはやめましょう。
日陰のグランドカバーを探している方は次の記事をご覧ください。
日陰のお庭でも元気に成長できるグランドカバーおすすめ10選タピアンと芝桜の違いを教えてください。
一覧表にしましたのでご覧ください。
項目 | タピアン | 芝桜 |
姿 | ||
種類 | 多年草 | 多年草 |
開花時期 | 4月から11月 | 4月から5月 |
花の色 | 白・紫・赤(4種類) | 白・紫・赤・青・ピンク・縞模様など10種類以上 |
草丈 | 10cmから20cm | 10cmから20cm |
植栽シート併用 | OK | OK |
日当たり | 直射日光が半日以上当たる場所 | 直射日光が半日以上当たる場所 |
耐寒温度 | マイナス5度以上 | マイナス5度以上 ※北海道でも生育可能 |
栽培難易度 | 非常に簡単 | 非常に簡単 |
販売価格 | 1株600円前後 | 1株200円前後 |
芝桜より高くても、お花を長く楽しみたいのであれば、タピアンがおすすめです。
タピアンは、種で販売していますか?
タピアンの種は販売されていません。
タピアンの元品種であるバーベナは種が多く流通していますが、園芸品種のタピアンは「ポット苗」での流通となります。
そのため、導入する場合は販売店から3号苗(9cmポット)を購入してください。
タピアンの販売時期はいつからいつまでですか?
タピアンの販売時期は春と秋の年2回です。
それぞれの販売店により、申し込みの締め切りがありますので注意してください。
私たちミドリスでは、春納品の場合は「12月末までのご注文で翌春3月〜4月の納品」で販売しています。
事前予約することで、元気に成長した苗をお届けすることができます。
タピアンは踏みつけできますか?
タピアンは踏みつけNGです。
踏みつけは、タピアンにダメージを与えます。
頻繁に踏むとダメージを負って、最悪の場合は枯れてしまいます。
グランドカバーとして楽しむ場合は、芝桜や玉竜などと同じく、人が立ち入らない部分で楽しみましょう。
タピアンとバーベナの違いはなんですか?
バーベナの園芸品種であるタピアンは、より丈夫に改良された種類です。
一番の違いは、バーベナは雨に弱い品種が多いですが、タピアンは非常に強いです。
また、うどんこ病に対する耐病性も強化されています。
そのため、バーベナの弱点を強化した品種と言えるでしょう。
もちろん、バーベナの品種の中で、雨に強い品種もありますので、全品種より優れているとは断言できません。
北海道でも育ちますか?
タピアンの耐寒温度はマイナス5度程度です。
そのため、北海道でこの温度を下回る場所では越冬することができません。
プランターであれば、屋内の日当たりが良い場所で管理することで越冬可能です。
タピアンはどこで売ってますか?
ホームセンターや通販サイトで販売されています。
私たちミドリスでも、各通販サイトで販売しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
11.ミドリスでタピアンを購入する4つの理由
タピアンを購入するべき会社は、自信を持って私たちミドリスと言えます。
理由は次の4つです。
・良い状態の苗をお届けできる
・育成説明書と植栽時の肥料(元肥)がついてくる
・グランドカバーの販売数が年間数十万ポット
・育成中に気軽に相談できる
まずはこちらの画像をご覧ください。
このように、同じタピアンでも、苗の管理状態によって大きな差が生まれます。
当然、植栽後の活着率や成長率に大きな差が生まれます。
ミドリスは良い状態の苗だけをお送りします。
その他にも記載した通り、肥料や育成説明書が付いてきます。
生育後のサポートも全力で行っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は花咲くグランドカバー「タピアン」について徹底解説しました。
この記事をまとめます。
科名 | クマツヅラ科バーベナ属 |
出生 | バーベナの園芸品種 |
種類 | 多年草 |
開花時期 | 4月から11月 |
花の色 | 白・紫・赤 |
草丈 | 10cmから20cm程度 |
花言葉 | 魅力・魅了(バーベナ属の花言葉) |
日当たり | 直射日光が半日以上当たる場所 |
耐寒温度 | マイナス5度程度 |
栽培難易度 | 非常に簡単 |
2.花の色が4種類で好みに合わせて導入できる
3.使い道がグランドカバー・プランター・花壇などたくさんある
4.グランドカバーとして雑草抑制効果がある
5.成長速度が早い
6.病気に強く、丈夫に育つ
7.多年草なので、長い期間タピアンを楽しむことができる
8.常緑なので、常に綺麗な状態を維持できる
2.踏み付けに弱いので、普段から踏み入れる場所には不向き
3.日光が好きなので、日陰では生育不可
4.寒冷地では越冬が不可能
5.寒さによる茶色への変色の可能性がある
2.土づくりをしっかりとする
3.植え付け時は、ポットの根をほぐす
4.培養土を使う
5.植え付ける際に、根っこが露出しないように培養土で隠す
6.直射日光が半日以上当たる場所に植え付ける
7.日常的に雑草の処理ができない人はシートを併用する
2.株をリフレッシュする際には、スコップで茎を切る
3.植え付け時は、緩効性肥料を与える
4.効果が切れたタイミングで緩効性肥料を与える
2.水やりは土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと
3.摘芯(ピンチ)は、植え付けから2、3週間、2、3度繰り返す
4.植え付け時は、緩効性肥料を与える
5.効果が切れたタイミングで緩効性肥料を与える
6.花は咲き終わったタイミングで花茎ごとカットする
7.花が少なくなったり、株が乱れたら切り戻し剪定をする
8.冬越しは日当たりの良い場所でする
【株分け】
STEP1.水やりを控えて土を乾かす
STEP2.タピアンを掘り起こす(鉢の場合は、鉢から出す)
STEP3.ハサミなどを使って株を分ける
STEP4.分けた株を新しい鉢や敷地内に植える
STEP5.水をたっぷりあげる
【挿し芽】
STEP1.タピアンの茎を5cm程度でカットする
STEP2.ペットボトルに水を溜めて入れる
STEP3.茎から根っこが出て5mm程度まで伸びたらポット苗に植える
STEP4.ポット苗の中で大きくなれば、敷地内や植木鉢に植える
丸鉢プランター:1~3株/30cm
横長プランター:2~3株/65cm
・グランドカバーでの必要数
4~6株/1㎡
2.日常的に人が踏む場所に植えて枯れる
3.水のあげすぎによる根腐れ
4.うどんこ病による枯れ
5.タピアンを枯らさないためには「タピアンを可愛がること」が一番重要
以上となります。
この記事を読んでわからない点があれば、いつでもお問い合わせください。
あなたがタピアンを導入して綺麗なお花をたくさん咲かせることを願っております。
ミドリスのタピアン販売サイト
最後にミドリスのタピアン販売サイトを紹介します。
・ダントツ1番人気!タピアン 3色 合計12株セット(肥料付き)
・タピアン 4色 合計12株セット(肥料付き)
・タピアン 単色 12株セット(肥料付き)
・タピアン 4色 合計24株セット(肥料付き)
・タピアン 3色 合計24株セット(肥料付き)
・タピアン 3色 合計48株
・パープリッシュホワイト(白色品種)24株
・パープリッシュホワイト(白色品種)48株
・バイオレット(紫品種)24株
・バイオレット(紫品種)48株
・ローズ(赤品種)24株
・ローズ(赤品種)48株