adenium-ぷりぷりの可愛い幹が特徴のアデニウム。
とっても愛らしい姿の人気の観葉植物です。
「アデニウムを買いたいけど、育て方がわからない」
「塊根植物って難しそう」
こんな不安をお持ちの方も多いと思います。
結論から言うと、アデニウムは育て方のポイントを押さえておけば育てやすい塊根植物です。
そこで今回は、今まで数百鉢のアデニウムを管理してきた、観葉植物販売店のミドリスが、アデニウムの育て方を徹底解説します。
残念ながらいくつかの株を枯らしてしまった経験もありますので、それらも踏まえて、上手な育て方を紹介します。
【この記事でわかること】
アデニウムの基本的な育て方(お手入れカレンダー付き)
アデニウムの幹を太らせる方法
アデニウムを冬越しさせる方法
アデニウムが枯れる原因5つ
アデニウムの花が咲かない原因
このように、育て方について網羅した記事となっております。
この記事の目次
1.アデニウムの基本的な育て方
まず始めにカレンダーで一覧を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
1-1.水やりは季節によって頻度を変える
アデニウムの水やりは季節によって大きく頻度が異なります。
頻度は次のように行います。
【春から秋】4月から9月ごろ:土が乾いたタイミングでたっぷりと水やり
【休眠しない冬】11月から2月はひと月に1回程度、コップ1杯の水やり
【休眠する冬】11月から2月は完全断水
3月と10月:月に2回程度コップ1杯の水やり
梅雨:乾かし気味に水やりをする(土が乾いて3、4日空ける)
このように水やりをします。
ミドリスで育てているアデニウムは、5月〜9月まででも、2週間に1回、たっぷり与えるだけです。
これくらい乾かし気味に育てても問題ありません。
気温が下がる10月から3月は、部屋の室温によって大きく異なります。
水をあげながら、様子を見て頻度を変えていきましょう。
梅雨は高湿度なので、水やりの回数を減らします。
冬は断水を推奨しているケースもありますが、室内の暖房が効いて暖かい場所では、ひと月に1回くらいはコップ1杯程度の水をあげると良いでしょう。
室温が10度程度の場所で管理している場合は、アデニウムが休眠している可能性が高いです。
このような状態の時は断水で大丈夫です。
春の注意点としては、冬場は断水orかなり少ない水やりで過ごします。
春に暖かくなって急にたっぷりの水を与えると、根腐れを起こして枯れてしまいます。
私たちミドリスでも、休眠明けのアデニウムに雨を当ててしまい枯らしてしまったことがあります。
葉っぱを落とすことが休眠の合図です。
休眠している時は、一切水を与えず、断水しましょう。
10度以下にならない室内の暖かい場所で管理しているアデニウムは休眠しないケースが多いです。
1-2.置き場所は春から秋は直射日光が当たる場所、冬は暖かい場所がおすすめ
置き場所は基本的に「直射日光が当たる日当たりの良い場所」で管理しましょう。
アデニウムは砂漠の生き物ですので、どんどん太陽に当てましょう。
春以降は、ベランダの日当たりが良い場所がアデニウムが非常に喜ぶ環境です。
特に、花を咲かせたい場合は、屋外の直射日光が当たる場所で管理をしましょう。
写真はミドリスで育てているアデニウムですが、春から秋はガンガン直射日光を当てて育てています。
冬場は屋内の日光が当たる暖かい場所で管理しましょう。
ただ、夜は窓際だと気温が下がるので注意が必要です。
暖房が当たらない場所で管理をしましょう。
日照量が少ない時は、観葉植物育成ライトでカバーできることもあります。
観葉植物の育成ライトについて詳しく解説した記事がありますので、ぜひご覧ください。
1-3.剪定は5月から8月にかけて行う
剪定は5月から8月にかけて行います。
剪定で「仕立て直し」をすることで、あなたの好みに合った風貌にすることができます。
茎は根元のところまではどんどん切っても大丈夫です。
茎が伸びすぎて樹形が崩れた場合は、思い切ってカットしましょう。
剪定をすると、切り口から白い樹液が出てきます。
直接触れないように風通しの良い場所で乾くまで待ちましょう。
1-3-1.剪定バサミに関する重要なポイント3つ
剪定バサミは、観葉植物を可愛がるための「あなたの大切な相棒」となります。
剪定バサミで重要なポイントが3つあります。
1.切れ味の良いハサミを使うこと
2.普段の剪定はバイパスタイプで行うこと
3.使用後のメンテナンスを行うこと
この3つを押さえておけば、剪定を円滑・安全に行うことができます。
剪定バサミについて詳しく解説した記事はこちら。
剪定バサミおすすめ10選!【用途別】使い勝手抜群のハサミを選べる1-4.胴切りをする3つの目的
胴切りとは、アデニウムを上下2つにスパッと切って分ける方法です。
目的は次の3つです。
・根腐れや株元が傷んでいる場合(下部胴切り)
・徒長しすぎている場合(上部胴切り)
・アデニウムを増やしたい場合(上部胴切り)
このような場合に行います。
アデニウムの胴切りの時期
アデニウムを胴切りする適切な時期は春か秋のよく晴れて湿度が低い午前中です。
「湿度が低い」「気温が高すぎない」という2つが条件です。
湿度が高い切ったアデニウムに雑菌が入る可能性が高く、気温が高い場合は弱る場合があります。
そのため、梅雨時期などはNGです。
春の乾燥した日が一番おすすめの時期です。
アデニウムの胴切り前に準備する道具
アデニウムの上部胴切りと下部胴切りはほとんど同じ道具でできますが、切り口に使用する薬剤などが違います。
まずは事前に準備する道具をご紹介します。
数が多いので、気になる方は下の「胴切りで使う道具を詳しく見る」をタップしてください。
上部胴切り、下部胴切り共通で使う道具
・アルコール消毒液
アデニウムを切るカッターナイフを消毒するために使います。
雑菌が切り口に触れるのを防ぐため、切るたびに消毒しましょう。
・カッターナイフ
アデニウムはご家庭のカッターナイフで切れますが、普段使っているものをそのまま流用すると切り口から雑菌が入ってしまう恐れがあります。
替え刃を使う、消毒するといった対策をしてから使いましょう。
・ゴム手袋
作業時に樹液が肌に触れるとかぶれる可能性があるため、樹液が染み込んでしまう軍手ではなくゴム手袋を使いましょう。
・鉢
切り取ったアデニウムを植え付けるために必要です。
さまざまな鉢が販売されているので、飾りたい場所のイメージに合うものを選ぶのも一つの楽しみです。
・多肉植物用の土
アデニウムを植える鉢に入れる土です。
アデニウムは砂漠の植物で、水はけの良い場所に自生している植物です。
水はけの良い多肉植物用の土を使いましょう。
・鉢底ネット
鉢の中の土が流れ出てしまうのを防ぐとともに、鉢底から虫が侵入して害を受けるのを防ぎます。
植え替え用の鉢よりも大きいものを、鉢の形に合わせてカットするのが一般的な使い方です。
鉢に付属している場合もあるので、よく確認しましょう。
・鉢底石
鉢底ネットの上に入れて、通気性と排水性をよくします。
ネットに包まれたタイプなら次の植え替えの際に取り出しやすいこと、どれぐらい鉢底石を入れればいいのか迷わずに済むことからお勧めです。
他にも作業する場所に新聞紙を敷いておくと、作業後の掃除や後片付けが簡単になるので用意しましょう。
上部胴切りで使う道具
・トップジンMペースト
切り口に塗ることで、病原菌の侵入や切り口の枯れを防ぎ、回復を早めます。
他の植物の剪定の際にも使えるので、一つ用意しておきましょう。
下部胴切りで使う道具
・切り口保護剤
切り口から病原菌などが入らないよう保護し、乾燥させて傷みを防ぎます。
・発根促進剤
切り取った茎からの発根を早めるために使います。
アデニウム上部の胴切りの手順8STEP
まず、準備するものは次の通りです。
アルコール消毒液
カッターナイフ
殺菌剤(トップジンMペーストなど)
新聞紙
ゴム手袋
新しい鉢、鉢底石と多肉植物用の土(後日植える時に使う用)
上部の胴切りは次の手順で行います。
STEP1.使用するカッターナイフをアルコール消毒する
アルコール消毒は念入りに行いましょう。
アデニウムの切り口に雑菌が入ると、病気や枯れの原因となります。
何回か切る場合は、都度消毒をしましょう。
STEP2.アデニウムをナイフで切る
アデニウムは簡単に切ることができます。
手を怪我しないように気をつけてカットをしてください。
STEP3.切り口の樹液をティッシュなどで拭き取る
アデニウムをカットすると、切り口から樹液が出てきます。
手で直接触れると、かぶれる可能性が高いのでゴム手袋は必須です。
樹液はティッシュで綺麗に拭き取りましょう。
STEP4.乾燥したら殺菌剤を塗る
殺菌剤は「トップジンMペースト」がおすすめです。
ペースト状なので、綿棒などで伸ばしながら塗っていきましょう。
剪定の際の胴切りはこれで終了です。
次のステップからはさらに剪定した枝を挿し木で増やす上級者編となります。
STEP5.切った上部を増やす場合は、同じく殺菌剤を塗る
カットした上部を増やす場合は、殺菌剤を塗りましょう。
切り口を覆うように塗るのがポイントです。
STEP6.丸1日程度切り口を乾燥させる
塗り終わったら切り口を乾燥させるために1日程度風通しの良い日陰で管理します。
STEP7.ポットに植える
鉢底石と多肉植物用の土を入れたポットに挿します。
直後の水やりは不要です。
STEP8.挿し木苗は発根に時間がかかるので気長に待つ
アデニウムは成長が遅いので、挿し木苗が発根するのにも数ヶ月の時間がかかります。
気長に管理をしましょう。
アデニウム下部の胴切りの手順5STEP
下部の胴切りで用意するものは次の通りです。
アルコール消毒液
カッターナイフ
切口保護剤(じゃがいも切り口保護材など)
発根促進剤(ルートンなど)
新聞紙
ゴム手袋
新しい鉢、鉢底石と多肉植物用の土(後日植える時に使う用)
下部の胴切りは次の手順で行います。
STEP1.使用するカッターナイフをアルコール消毒する
上部の胴切りと同じく、カッターナイフを念入りに消毒しましょう。
切り口に雑菌が入ると、アデニウムが枯れてしまいます。
STEP2.アデニウムをナイフで切る
怪我をしないように手袋をつけて切りましょう。
アデニウムの下部を切る時は、幹が太いので、アデニウムを回しながら切るとスムーズです。
力を入れすぎて怪我をしないよう細心の注意を払いましょう。
STEP3.切り口の樹液をティッシュなどで拭き取る
カットしたら切り口から樹液がでるので、ティッシュで拭き取りましょう。
STEP4.切口保護剤と発根促進剤を塗って数日日陰で乾燥させる
切口保護剤は東商の「じゃがいも切り口保護材」、発根促進剤は住友化学園芸の「ルートン」がおすすめです。
どちらも粉末になっていますので、ホームセンターで、刷毛を購入して切り口に付けましょう。
STEP5.鉢底石と、多肉植物用の土を入れた鉢に入れる
鉢底石は多めに入れましょう。
基本は植え替えの手順と同じです。
1-5.植え替えは1,2年に1度、成長期の4月から5月にかけて行う
アデニウムをはじめ、観葉植物は1,2年に1度は植え替えが必須です。
2号から4号の小さい株:1年に1度
5号以上の株:2年に1度程度(成長の見ながら)
このようにアデニウムが小さいうちは毎年植え替えをしてあげましょう。
植え替えが必要な理由は次の4つです。
根詰まりの防止
古い根や腐った根を除去する
古い土を入れ替えることで老廃物や有害な微生物を除去する
土の栄養分の改善
特に、根詰まりを起こすと枯れてしまうことが多いです。
そのため、定期的な植え替えは必須となります。
次に、実際にミドリスでしている植え替えの手順を紹介します。
植え替えの手順8STEP
植え替えは8つの手順で行います。
多いように見えますが、30分程度でできます。
STEP1.土を乾燥させるために1週間程度水やりをストップする
まずは、植え替え予定日の1週間前から水やりをストップします。
目的は土を乾燥させるためです。
根を剪定する際に、土が湿っていると非常に作業がしにくいです。
土が乾燥していることで、簡単に根だけにできます。
STEP2.鉢からアデニウムを出して土を落とす
鉢を傾けてアデニウムを出します。
土を落とす際は優しく作業をしてください。
強くしすぎると根にダメージを与えます。
アデニウムを軽くトントンと叩くと、土が綺麗に落ちます。
STEP3.古い根や長すぎる根、腐った根を取り除く
土を落としたら、根っこを剪定します。
古い根、長すぎる根、黒く腐った根をハサミでカットします。
これらの根っこはほとんど本来の機能を果たしません。
元気な根っこの成長を阻害するものなので、しっかりとカットしていきましょう。
STEP4.一回り大きい鉢に鉢底石と多肉植物用の土を3割程度入れる
今までの鉢より一回り大きい鉢を用意します。
鉢が大きすぎると根腐れの原因になります。
アデニウムの成長に合わせて、一回り大きいサイズを用意します。
アデニウムは水はけ重視の土がおすすめなので、軽石も多めに入れます。
軽石を入れたら、多肉植物用の土を3割程度まで入れます。
STEP5.アデニウムを真ん中にセットし、周りから土を入れていく
アデニウムを真ん中にセットして、傾きなどを調整しましょう。
位置が決まったら周りから土を入れていきます。
水やりのためのウォータースペースを5、6cm確保するのが目安です。
STEP6.割り箸で土をつつき、スペースを埋めながら土を足していく
土を入れたら一旦割り箸で土をつつきましょう。
根っこの周りにも行き渡るようなイメージで行います。
多肉植物用の土は、1つあたりが大きいのでつつくと、土同士の隙間が埋まり、かなり沈みます。
再度ウォータースペースを5、6cm確保できる程度まで土を入れていきます。
STEP7.アデニウムがぐらぐらしない程度まで固定する
土を入れ終わったらアデニウムがグラグラしていないか確認します。
もしグラグラしている場合は、土同士の隙間ができてしまっています。
STEP8.植え替え後は1週間程度水やりを控えて半日陰で管理する
植え替え後にすぐ水やりするのはNGです。
1週間程度、半日陰で管理したのち、たっぷりと水やりをしましょう。
これで植え替え作業は完了です。
植え替えの際に、おしゃれな植木鉢に交換すると、さらにデザイン性がアップします。
おしゃれな植木鉢について知りたい方は、次の記事をご覧ください。
1-6.肥料はアデニウムの成長期に与える
肥料は5月から9月末あたりまでの成長期に合わせて与えます。
緩効性化成肥料(マグァンプなど):規定量、規定回数与える
または
液体肥料:規定倍率に薄めて与える
緩効性化成肥料と液肥はどちらか一つで大丈夫です。
効果が重複するものを与えると、濃すぎてアデニウムにダメージを与えます。
1-7.気を付ける病害虫
アデニウムにつきやすい害虫は次の2つです。
ハダニ
カイガラムシ
ハダニはアデニウムの葉っぱの裏に潜んでいます。
カイガラムシは葉っぱの付け根部分につくことが多いです。
対処法は次の通りです。
ハダニ:葉っぱの裏側に葉水をする
カイガラムシ:ピンセットや殺虫剤で除去する
このように対処していきます。
1-8.アデニウムの種まきは6月が目安
アデニウムの種は10粒で1000円〜3000円で販売されています。
発芽率が7割程度と考えると、少し高めですが種から育てる分、愛着が湧きます。
用意するものは次の通りです。
・種
・ポット
・多肉植物用の土
・プラスチック容器
・鉢底石
・赤玉土
・バーミキュライト
・ベンレート水和剤
・メネデール
・霧吹き
・アデニウムの種
発芽させるアデニウムの種子です。
発芽させるための土やポット替わりの容器がセットになっているものもあります。
・種蒔き用のポット
種を蒔くためのポットです。種1粒につき1ポット必要です。
発芽するまで腰水に浸けて育てるため、水に溶けない素材で、プラスチック容器に入れても完全に沈まない程度の高さが必要です。
・鉢底石
通気性と透水性を確保するために、種蒔き用のポットや植え替え用の鉢の底に敷きます。
・赤玉土
種を植えるための土です。バーミキュライトと混ぜて使います。
・バーミキュライト
種を植えるための土です。赤玉土と混ぜて使います。
・プラスチック容器
種をまいたポットを腰水で管理するための器です。
種を撒く数や、ポットの大きさによってサイズを決めましょう。
腰水して種が乾燥しないようにするために蓋が必要なので、浅いものは避けましょう。
・ベンレート水和剤
腰水管理の際に水に混ぜたり噴霧することで、カビなどの発生を防ぐ殺菌剤です。
・霧吹き
腰水管理の際にカビなどが生えないよう、ベンレート水和剤溶液を噴霧するのに使います。
・植え替え用の鉢
発芽したアデニウムを植え替えるための鉢です。
種蒔き用のポットより一回り大きい程度のものに植え替えましょう。
・多肉植物の土
発芽したアデニウムを植えるための土です。
水はけの良い、多肉植物用のものがおすすめです。
・メネデール
鉢に植え替えた後、早く根付くように水やり時に使用します。
必要な道具を把握したところで、種まきの手順をざっくり流れを説明します。
STEP1.ベンレート水和剤とメネデールをカップで水に溶かし、タネを入れて1日つける
STEP2.ポットに鉢底石を入れ、赤玉土とバーミキュライトを1:1で入れる
STEP3.ポットの土に熱湯を入れ、消毒するのを3回繰り返す
STEP4.土に水をかけて粉塵を流す(※鉢底の水が綺麗になるまで)
STEP5.土の上に種を置く(※埋めない)
STEP6.栽培するプラスチック容器を消毒する
STEP7.プラスチック容器にポットを入れて、ベンレート水和剤の水で腰水をする
STEP8.プラスチック容器に蓋をする
STEP9.毎日、定期的に蓋を開けて、換気をする
STEP10.ベンレート水和剤を溶かした液を霧吹きで定期的に噴霧する
このような流れで作業をします。
早ければ4日程度で発芽します。
1週間程度で容器から出して腰水を終了します。
暖かい窓際で育ててあげましょう。
1-9.自生地の環境にできるだけ近づける
アデニウムをはじめ、観葉植物を育てるときに「自生地の生活」というのが重要なポイントとなります。
「自生地=その植物が好む環境」です。
その環境に合わせて進化をしてきました。
アデニウムの場合は、原産地が「南アフリカ、南西アフリカ、ソコトラ島、アラビア半島原産」で、気温が高く、雨が少ない乾燥した地域で生活しています。
そのため、水が不足することよりも水が多すぎて根腐れする可能性が高いです。
また、日本の冬場の気温には耐えることができませんので、冬場は屋内へ避難が必要です。
原産地の気候=高温・乾燥・雨が少ない
日本の気候=高温・多湿・冬は寒い
このような自生地とのギャップを人間の手で埋めてあげることで、元気よく成長することができます。
2.アデニウムの幹を太らせる方法
アデニウムの幹を太らせるには強剪定が基本となります。
強剪定とは、植物の長い枝を根元から剪定したり、多くの枝や葉っぱを落とす剪定方法です。
育てる中で、アデニウムが上に伸びて、幹が太らないケースがあります。
強剪定をすることで、幹を太らせる可能性を高くできます。
強剪定はアデニウムに負担をかけますので、成長期の5月から8月に行いましょう。
梅雨時期は菌がつきやすいので、避けましょう。
5月の乾燥した日が一番おすすめです。
先ほど詳しく解説しましたので、胴切りの方法を簡単に紹介します。
【用意するもの】
アルコール消毒液
カッターナイフ
剪定バサミ
殺菌剤(トップジンMペーストなど)
ゴム手袋
【強剪定の手順】
STEP1.使用するカッターナイフもしくは剪定バサミをアルコール消毒する
STEP2.アデニウムをナイフまたは剪定バサミで切る
STEP3.切り口の樹液をティッシュなどで拭き取る
STEP4.トップジンMペーストなどの切り口の殺菌剤(癒合剤)を塗る
このような方法で行います。
3.アデニウムを冬越しさせる方法
アデニウムは熱帯の植物なので、冬の管理方法が気になる方も多いと思います。
まず、アデニウムの耐寒温度は5度程度です。
5度を下回ると、そのまま枯れてしまう可能性があります。
基本的に、休眠させるかさせないかで管理方法が異なります。
5度から10度ちょっとの室温:アデニウムが休眠するので断水管理
冬でも室温が20度以上の部屋:アデニウムに動きがあれば水やりをする
このように、アデニウムが過ごす部屋の室温によって大きく異なります。
寒い部屋で管理する場合は、完全に休眠するので断水で大丈夫です。
暖房やヒーターが常に稼働している部屋は、室温が20度以上あり、場合によっては25度程度までいきます。
その場合は、アデニウムを観察しましょう。
新芽の葉っぱが大きくなる様子があれば、休眠せず、成長を続けていることになります。
その場合は、水を吸いますので、定期的な水やり(かなり控えめ)が必要です。
休眠しない場合の注意点は次の5つです。
・暖房やヒーターに直接当てない
・水はけが良い土であること
・水は土が完全に乾いてから5日程度経過してからあげる
・アデニウムが成長しているのを確認する
・風通しの良い環境で管理する
この注意点を守り、元気に冬越しをさせてあげましょう。
この場合、冬場は断水になり管理は楽になりますが、春のスタートの際にトラブルが発生することがあります。
・休眠明けに水やりをしすぎて根腐れ
・生育期のスタートが遅くなり、成長できる時期が短くなる
このようなデメリットがあるので、できるだけ休眠させないことをおすすめします。
4.アデニウムが枯れる原因
この章ではアデニウムが枯れる原因を記載します。
【アデニウムが枯れる原因5つ】
1.水のあげすぎにより枯れる
2.寒さにより枯れる(5度以下の温度、霜にあたる)
3.剪定の際に雑菌が入って枯れる
4.根詰まりによる枯れ
5.害虫による枯れ
それぞれ詳しく解説します。
4-1.水のあげすぎにより枯れる
アデニウムが枯れる原因で一番多いのが「水のあげすぎによる根腐れ」です。
元々は乾燥地帯の植物なので、水やりをしすぎるとすぐに根腐れを起こします。
適切なタイミングでの水やりが必要です。
【春から秋】4月から9月ごろ:土が乾いたタイミングでたっぷりと水やり
【冬】11月から2月はひと月に1回程度、コップ1杯の水やり
3月と10月:月に2回程度コップ1杯の水やり
梅雨:乾かし気味に水やりをする(土が乾いて3、4日空ける)
基本的にはこのようなタイミングで行います。
ミドリスで育てているアデニウムは、5月〜9月まででも、2週間に1回、たっぷり与えるだけです。
これくらい乾かし気味に育てても問題ありません。
10月から3月は、部屋の室温によって大きく異なります。
水をあげながら、様子を見て頻度を変えていきましょう。
4-2.寒さにより枯れる(5度以下の温度、霜にあたる)
アデニウムの耐寒温度は5度です。
5度を下回ったり、霜にあたると枯死する可能性が高いです。
暑さには非常に強く、40度以上でも元気に過ごすアデニウムですが、寒さには注意が必要です。
4-3.剪定の際に雑菌が入って枯れる
初心者の方が枯らしてしまうケースがあります。
アデニウムの剪定の際に、使用するカッターを消毒せず使ったり、切り口に保護剤(トップジンMペーストなど)を塗らない場合に菌が侵入する可能性があります。
そのため、アデニウムを切る際には使用する道具の消毒と、剪定後の保護剤は確実に行いましょう。
4-4.根詰まりによる枯れ
根詰まりを起こすと、根から栄養や水分がうまく吸収できなくなり、最終的には枯れてしまいます。
根詰まりを予防する方法は「4月もしくは5月に植え替え」です。
2号から4号の小さい株:1年に1度
5号以上の株:2年に1度程度(成長の見ながら)
このように、適切なタイミングで植え替えをすることで、根詰まりを防ぐことができます。
4-5.害虫による枯れ
アデニウムは、「ハダニ」「カイガラムシ」という害虫がつきやすいです。
これらが付着すると、葉っぱから栄養を吸収し、葉を枯らします。
葉水や殺虫剤を使用して駆除しましょう。
5.アデニウムの花が咲かない原因
砂漠のバラと言われるアデニウムなので、せっかくであれば綺麗なお花を見たいと思います。
ただ、花が咲かないこともあります。
花が咲かない原因の多くは次の3つです。
原因1.直射日光が不足している
原因2.まだ開花する年齢ではない
原因3.肥料を与えていない
それぞれ詳しく解説します。
原因1.直射日光が不足している
花が咲かないケースで一番多い原因です。
特に1年中室内栽培をしている場合は、咲かないことも多くあります。
春から秋に屋外の風通しの良い場所でたくさん直射日光を当てると花が咲きやすくなります。
冬場など、どうしても日光が当てれない場合は育成ライトも検討しましょう。
原因2.まだ開花する年齢ではない
小さなアデニウムを購入した場合、すぐに花が咲かないこともあります。
基本的には、実から発芽させた場合で、4、5年経過しないと咲かないこともあります。
持っている株がまだ若い場合は、お花がまだ咲く年齢ではない可能性があります。
原因3.肥料を与えていない
アデニウムは肥料を与えなくても、ある程度元気に過ごすことができます。
ただ、お花を咲かせたい方は、適切な施肥をしましょう。
成長期の4月から9月:3週間に1度程度、薄めた液肥(ハイポネックス 原液など)を与えることをおすすめします。
注意点としては、「用法用量を遵守して使う」ということです。
肥料も使い方を間違えば、アデニウムにとって毒になりますので注意しましょう。
6.ミドリスの大型アデニウム販売サイト
私たちミドリスは大型のアデニウムを販売しております。
アデニウムを検討中の方はぜひご覧ください。
・アデニウム 各種
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、かなりボリュームがありましたが、アデニウムの育て方について解説しました。
この記事をまとめます。
アデニウムの基本的な育て方
水やりは季節によって頻度を変える
置き場所は春から秋は直射日光が当たる場所、冬は暖かい場所がおすすめ
剪定は5月から8月にかけて行う
胴切りをする3つの目的
植え替えは1,2年に1度、成長期の4月から5月にかけて行う
肥料はアデニウムの成長期に与える
気を付ける病害虫
アデニウムの種まきは6月が目安
自生地の環境にできるだけ近づける
アデニウムの幹を太らせる方法
5月ごろの強剪定で太くなる可能性が高い
アデニウムを冬越しさせる方法
耐寒温度5度以上をキープする
室温15度以上をキープして休眠させないのがお勧め
室温15度以下で休眠させる場合は、断水をする
アデニウムが枯れる原因
水のあげすぎにより枯れる
寒さにより枯れる(5度以下の温度、霜にあたる)
剪定の際に雑菌が入って枯れる
根詰まりによる枯れ
害虫による枯れ
アデニウムの花が咲かない原因
原因1.直射日光が不足している
原因2.まだ開花する年齢ではない
原因3.肥料を与えていない
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。