「庭の雑草をどうにかしないといけないけど…小さな子供がいても除草剤って使っていいの?」
草をみるみる枯らす効果がある除草剤は、大切な子供に害がありそうで心配ですよね。
除草剤は一般的に販売されているものであれば危険はなく、お子さんがいる家庭でも使うことができます。
ただし、撒く際に服装や注意書きを読むなどの準備をしていなければ、除草剤を撒いている人の体に付着してしまったり、子供が吸い込んで気分を悪くしてしまう可能性があります。
そのため、除草剤の正しい撒き方を事前に知っておくことがとても大切です。
そこで本記事では、以下の内容について解説していきます。
除草剤の正しい撒き方
食品成分や天然成分から作られた除草剤
除草剤を使用しない雑草対策
この記事を読むことで、除草剤の正しい使い方がわかり、安心安全な除草作業ができるようになります。
また、除草剤自体を使いたくない人のために、除草剤を使わない雑草対策についても説明していますので、ぜひ最後までお読みいただき、お子さんのことを考えた雑草対策を見つけてみましょう。
調査時点での確認となりますので、資料の内容、見解等が変わる可能性がございます。
最終的な判断はご自身でお願いします。
実際に使用される場合は、検討中の除草剤メーカーに直接使用方法、注意点等ご確認ください。
この記事の目次
1.除草剤は用法と用量を守れば子供がいても使用できる
冒頭でお伝えした通り、日本で一般的に販売されている除草剤は正しく使用すれば危険性は極めて低いとされています。
しかし、「除草剤は子供に悪影響を与える」と言われることもあり、自宅の庭などに使用してもいいものかと考えてしまう人もいるでしょう。
除草剤は本当に子供にとって悪影響がなく、安全に使用できるのかについて解説していきます。
1-1.なぜ除草剤が子供に悪影響を与えると心配されるのか
「子供にとって除草剤は悪影響」と言われる場合、問題視されているのは「グリホサート」という成分です。
グリホサートは除草力に優れており、除草したい雑草ごとに除草剤を使い分けなくてもいいことから、多くの除草剤に使用されています。
なぜグリホサートが問題視されるのかというと、2015年にWHO(世界保健機関)の外部組織「IARC(国際がん研究機関)」がグリホサートを発がん性の「グループ2A」に分類した影響が大きいでしょう。
【発がん性の分類】
グループ1 | 発がん性がある |
グループ2A | おそらく発がん性がある |
グループ2B | 発がん性がある可能性がある |
グループ3 | 発がん性について分類できない |
グループ4 | 発がん性がない |
参考:農林水産省(国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について)
グリホサートはこの通り、「おそらく発がん性がある」という分類になりますが、このグループに含まれるものには以下のようなものがあります。
概日リズムを乱す交替制勤務
赤身肉
65℃以上の非常に熱い飲み物
つまり、赤身肉など日常的に口にするものと発がん性は同等であり、グリホサート自体が吸い込んだりして体内に入らなければ発がん性に対しても問題はないとされています。
日本でもグリホサートの毒性実験は行われており、内閣府の食品安全委員会による「農薬評価書 グリホサート」では、「発がん性は認められない」という結果が出ています。
このことからも、グリホサート系除草剤を使用しても子供に危険性はないと言えるでしょう。
1-2.グリホサート系除草剤も用法と用量を守れば子供にも安全に除草ができる
グリホサート系除草剤は子供にも影響はないと解説しましたが、除草剤を撒く場合は用法と用量は守らなくてはなりません。
いくら国が安全であるとしていても、除草剤を撒いているそばで子供が遊んでいて除草剤が体にかかってしまったり、目に入ってしまえば危険です。
それは除草剤に限ったことではなく、洗剤などでも口に入ったり目に入れば危険なのは同じですよね。
大切なのは、除草剤を撒いている最中は子供は家の中で待っててもらうなどして散布場所に近づけないことです。
これは除草剤の注意書きにも記載されています。
2.子供にも安全な除草剤の正しい撒き方
前述した通り、除草剤は使用方法を守れば害はなく安全です。
除草剤には液体タイプと粒材タイプのものがありますが、粒材タイプの場合は撒いた時に吸い込んでしまうこともないため、ここでは液体タイプの除草剤の撒き方について解説していきます。
2-1.注意書きには必ず目を通す
まず、除草剤の種類に限らずパッケージに書かれている注意書きは必ず目を通しましょう。
注意書きには主に以下のようなことが記載されています。
除草剤を撒く際の服装
皮膚についたり目に入った場合の対処について
撒く場所の注意点
保存方法
どのような服装が適しているのかも細かく記載されており、もしも肌に付いてしまったり目に入ってしまった場合も注意書きを読んでいれば落ち着いて対処ができます。
2-2.肌が露出しない服装を選ぶ
除草剤を散布する場合、思っている以上に風などの影響で除草剤が体に付着します。
そのため、極力肌をおおって露出を最低限にすることで、肌に直接除草剤が付着したり、吸い込んでしまうことを防げます。
除草剤を散布する場合の服装は以下の通りです。
長袖
長ズボン
手袋
農薬用マスク
保護メガネ
農薬用マスクは隙間ができず顔へのフィット感が高いため、普通のマスクではなく農薬用を準備しましょう。
農薬用マスクは数百円から購入が可能です。
保護メガネは散布した除草剤が目に入らないようにするためにも、用意しておきましょう。
こちらも500円ほどで購入できます。
除草剤は噴霧器を使用した方が満遍なく散布できますが、薬剤が霧状になるため、風がなくてもできる限り体をおおうことを意識した服装の準備をしてください。
2-3.散布場所付近に子供を近づけない
除草剤を散布する付近にお子さんが近づかないようにしましょう。
散布している場所の付近も風で薬剤が飛ぶため、お子さんは家の中で窓を閉めて待っていてもらうか、誰かに面倒を見ていてもらうといいでしょう。
子供の肌に除草剤が付いたり、吸い込んでしまわないように配慮をしてください。
3.子供への影響がどうしても気になる場合におすすめの除草剤4選
吸い込んだりしなければ安全に使用できる除草剤ですが、お子さんによってはおとなしく家の中で待っててくれないなど、グリホサート系除草剤の使用に不安を覚える人もいるでしょう。
グリホサートが使用されていない除草剤は、割高で除草力が落ちたり雑草によって使い分けが必要ですが、体内に入ってしまっても害のない成分のものもあります。
食品成分や天然成分を使用した、子供にも安心な除草剤を4つ紹介します。
3-1.おうちの草コロリ(アースガーデン)
おうちの草コロリはペラルゴン酸という食品成分から作られた除草剤です。
ペラルゴン酸とは、とうもろこしやお茶、柑橘などの食品に含まれる成分であるため、除草剤として使用しても人の健康に影響はありません。
<除草剤としての効果>
枯れ始めるまでの時間は植物によって異なりますが、最速5分で枯らします。
さらに効果は1.5ヶ月間の持続が期待でき、種にも効果があるため発芽させません。
ペラルゴン酸は本当に安心?
聞きなれない成分の名前は、どんな成分なのかがわからず不安になってしまうかもしれませんが、ペラルゴン酸の安全性評価資料によると以下のように記載されており、人の健康に害がないことがわかっています。
ペラルゴン酸及びペラルゴン酸カリウム塩は、農薬として想定し得る使用方法に基づき使用される限りにおいて、ヒトの健康を損なうおそれがないことが明らかであると考えられる。
引用:環境省(安全性評価資料 ペラルゴン酸及び ペラルゴン酸カリウム塩)
資料によるとアメリカやEU、WHOなども害はないと判断しているので、安心して使える成分と言えるでしょう。
3-2.庭師さんのミネラル除草液(プロイデア)
庭師さんのミネラル除草剤は、1,000ヶ所以上の現場経験がある女性庭師さんが監修したものです。
岩水塩を原料としているため、
塩化マグネシウム
塩化ナトリウム
クエン酸
といった、100%天然成分で安心して使用できます。
<除草剤としての効果>
葉・茎・根などの触れた部分に直接作用し、植物の水分バランスを崩すことで枯れさせます。
除草効果は3〜5日ほどで表れます。
そのため、購入前にメーカーに確認をしましょう。
土壌に塩分が含まれていると、土地の価値が下がる可能性があります。
3-3.ウィードブライト 除草剤の革命(万葉創業社)
万葉創業社は世界の岩塩を取り扱う専門会社です。
除草剤の原料も粗蛋白質・粗脂肪・粗繊維・塩化ナトリウムといった食品添加物の100%で、農薬系薬剤不使用。
原料が食品添加物であることから、
誤飲
皮膚への付着
などの「もしも」があっても心配ありません。
<除草剤としての効果>
2〜3日ほどで枯れはじめ、効果は2〜3ヶ月持続します。
そのため、購入前にメーカーに確認をしましょう。
土壌に塩分が含まれていると、土地の価値が下がる可能性があります。
3-4.お酢の除草液シャワー(トヨチュー)
お酢の除草シャワーは、醸造酢を使用した100%食品原料の天然除草剤です。
シャワータイプなため、そのまま枯らしたい雑草にかけるだけなのでとても手軽に除草作業ができます。
<除草剤としての効果>
最速50分で草を枯らしはじめます。
葉や茎から除草成分が吸収され、雑草を枯らします。
4.子供がいても安心な除草剤を使わない3つの雑草対策
安心な除草剤と言われても、やっぱり使用するのが怖いという人もいるでしょう。
しかし手作業で雑草を抜くのは非常に手間と時間がかかりますし、雑草は少しでも根が残っているとすぐさま生えてきてしまいます。
庭などの広い範囲の雑草をどうにかしたい場合は、別の対策をしなくてはなりません。
除草剤を使用したくないのであれば、以下の雑草対策がおすすめです。
グランドカバーを植える
防草シートで被う
砂利を敷き詰める
それぞれ防草効果や見栄えなどの特徴が大きく異なるため、どこに雑草対策をしたいのか、どんな見栄えにしたいのかによってこれらの雑草対策を使い分けましょう。
では、3つの雑草対策について説明していきます。
今生えている雑草を処理するのは、雑草対策を実施する上で非常に重要なポイントとなります。
そのため、事前除草で除草剤を用いることを推奨する場合があります。
4-1.グランドカバーを植える
芝生に代表される「地被植物」をグランドカバープランツと呼びます。
グランドカバーを適切に育てれば隙間なく茂り、グランドカバーにおおわれた地面にしっかりと根を張るがため、庭の景観を美しく見せながら雑草対策ができる優れモノ。
踏みつけにも強い植物を使用することで芝生同様に上を歩いても問題なく、開花時期には花を楽しむこともできます。
緑が一面に広がるお庭なら、雑草対策が不要で安全なだけでなく子供が喜びそうですね。
グランドカバーについては「4.グランドカバーのメリットと注意点」で詳しく説明しています。
4-2.防草シートで雑草を防ぐ
防草シートは、雑草対策の定番です。
日の光を当たらなくすることで、雑草が生えてくるのを防いでくれます。
一度敷いてしまえば防草シートの寿命までメンテナンスの必要がなく、管理の手間がかかりません。
また、上から砂利を敷くことで、より高い防草効果を得られます。
防草シートについては、「5.防草シートのメリットと注意点」で詳しく説明しています。
4-3.砂利を敷き詰める
雑草を生やしたくない部分に砂利を敷き詰めることで地面に日光が当たるのを遮り、雑草が生えにくくする方法もあります。
ただ、砂利単体では防草効果が低く、「防草シートを併用する」ことで、防草効果が飛躍的に向上します。
砂利については、「6.砂利のメリットと注意点」で詳しく説明しています。
5.グランドカバーのメリットと注意点
グランドカバープランツは、雑草を抑えながらお庭の見栄えをよくしたいという方におすすめです。
ただ、どの植物も最低限の管理が必要となりますので、事前に管理方法などを調べて「私にでもできそう」と感じた方は検討していただければと思います。
5-1.人気のグランドカバープランツ3選
グランドカバープランツの中で人気の、3種類の植物を紹介します。
芝生の代わりに活躍中「クラピア」
グランドカバーの王様「タマリュウ」
春の開花時期にお庭を彩る「芝桜」
それぞれ詳しく解説していきます。
5-1-1.クラピアでお庭を彩る!
クラピアのメリットは次の通りです。
成長速度が速く、あっという間にきれいな緑が広がる
背が高くならない植物で密集しているため、雑草が生える隙間がない
踏まれることでより緻密になる
種をつけずに太陽と水と土の栄養で繁殖するため、管理がとてもしやすい
クラピアを検討する方はぜひ次の記事をお読みください。
記事タイトル:クラピアとは?お庭の雑草対策で大注目!芝生より綺麗なグランドカバー
記事URL:https://midoris.jp/kurapia/
5-1-2.グランドカバーの王様「タマリュウ」でお庭を常緑に!
タマリュウをおすすめする理由は次の通りです。
常緑のため1年中綺麗な緑のお庭を維持したい方におすすめ!
管理が簡単なので、園芸初心者でも簡単に育てることができる
他の植物に比べて強く、病気になりにくいので失敗する可能性が低い
日光が当たらない場所で植物を諦めていた方におすすめ!
ただ、人に踏まれると枯れてしまうので、お庭の一部に植えたり、飛び石を設置して人が歩くスペースを作ることでタマリュウと共存することができます。
タマリュウが気になる方は次の記事をご覧ください。
記事タイトル:タマリュウとは?基本的な特徴と植え方、育て方を写真付きで徹底解説
記事URL:https://midoris.jp/tamaryu/
5-1-3.芝桜で春に圧倒的な美観にする!
芝桜は、芝生のように地面を広がり、桜のような花を咲かせる多年草です。
様々な色の種類があり、単色やグラデーションなど美しい配置が可能です。寒さに強く、とても育てやすい植物です。
特徴は次の通りです。
常緑(1年中枯れない)
乾燥や寒さに強い
踏みつけに弱い
5-2.グランドカバーは自分で植えることも可能
グランドカバーの植え付けは特別難しいことはありません。
植え方さえ理解していれば初心者でも問題なく植えることができます。
例えば、タマリュウの植え付けは以下の通りです。
ポットタイプとマットタイプがありますが、庭全面に植えるのに適したマットタイプの場合は以下のような手順で植えます。
1.タマリュウを植える間隔と位置を決める
2.穴を掘る
3.穴に培養土を入れて混ぜる
4.タマリュウを容器から外して穴に入れる
5.水をあげる
6.根付くまで、2日おきに水をたっぷりとあげる
このように複雑な作業はないので、自分でトライしてみるのもおすすめです。
タマリュウの植え方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
記事タイトル:タマリュウの植え方|ポット・マット対応版!プロが教える完全ガイド
記事URL:https://midoris.jp/tamaryu-how-to-plant/
5-3.グランドカバーを植えるメリット
グランドカバーには雑草対策となる以外に、以下のようなメリットがあります。
庭の見栄えが良くなる
頻繁に雑草の処理が必要なくなる
泥はねやほこり防止になる
これらのメリットについて詳しく説明していきます。
5-3-1.庭の見栄えが良くなる
グランドカバー最大のメリットは、なんといっても「見栄えの良さ」でしょう。
一面に緑が広がるため、ただ地面がむき出しになっていたり砂利が敷き詰められているよりも、明るく見栄えのいい庭を作ることが可能です。
また、花が咲く時期には植えた場所一面に花が咲くため、目で見て楽しみながら季節を感じることができます。
5-3-2.頻繁に雑草の処理が必要なくなる
グランドカバープランツを「正しく」植えれば、何もしないお庭より大幅に雑草の量を減らすことができます。
ただし、それぞれの植物にあった植え方をして初めて効果が発揮されます。
よく調べないまま植えてしまい「こんなはずじゃなかった」なんてことにならないようにしましょう。
クラピアだけではなく、今回紹介した「タマリュウ」や「芝桜」も同様です。
植物それぞれ、隙間などから雑草が生える量も異なりますが、多少生えてきますので、定期的な管理は必要となります。
5-3-3.泥はねやほこり防止になる
グランドカバーは地中に根をしっかりと張るため、雨が降った後のぬかるみを緩和し、植えた場所全体をおおうことで泥はねを防ぐことが可能です。
また、風の強い日に埃や砂が舞い上がるのを防いでくれる効果も期待できます。
5-4.グランドカバーを植える際の注意点
雑草対策以外にもさまざまなメリットがあるグランドカバーですが、以下のような注意点があります。
植えた部分を被うまでは雑草が生える
繁殖力が高い
種類によっては種ができる
植物である以上、病気のリスクがある
これらの注意点について、詳しく説明していきます。
5-4-1.植えた部分をおおうまでは雑草が生える
グランドカバーは横に這うように伸びて地面を被います。
植えたばかりの頃はまだ伸びていない状態なので地面が露出しており、そこから雑草が生えてくることも。
そのため、地面全体がグランドカバーで被われるまでは、草取りをする必要があるでしょう。
植える際にマルチシートや栽培シートなどのシートを一緒に敷くと、植えた部分以外の地面を被うことができるため、グランドカバープランツが育つ過程で雑草に悩まされることもなく管理することができます。
5-4-2.繁殖力が高い
繁殖力が高いため植えたところからどんどん広がり、隣の敷地まで広がってしまう可能性があります。
広がりすぎてしまわないように、根止めフェンスを設置するなど根止めの処置をしておくと安心です。
庭の中で部分的にグランドカバーを植えたい場合も根止めをしましょう。
ホームセンターなどで、あなたのお庭にあったレンガを見つけて利用してみましょう。
5-4-3.種類によっては種ができる
グランドカバープランツの種類によっては種ができ、種が飛ばされてあちこちで生えてきてしまいます。
自宅の庭全面に植えているのであれば問題はありませんが、隣の庭などに飛んで行ってしまった場合はそこにも生えてしまうため注意が必要です。
種ができない種類か種ができにくい種類のグランドカバープランツを選ぶと、あちこちに生えることがなく管理しやすいですよ。
ちなみに、今回紹介した3種類(クラピア、タマリュウ、芝桜)は種をたくさん飛ばすことはないので、安心して導入していただけます。
5-4-4.生き物である以上、病気のリスクがある
植物は生き物ですので、病気になることもあります。
病気になると植物が枯れてしまい、対処する必要もあります。
また、「病気にならないように事前に体調を整えてあげる」ことも重要です。
植物の面倒を見るのが苦手な人は、慎重に考えた方が良いかもしれません。
というのも、「気に入った植物を大切に育ててあげる」という気持ちさえあれば、その植物を購入する前に色々と調べることができます。
また、購入後も、定期的に様子を見てあげたり、管理することができるでしょう。
6.防草シートのメリットと注意点
植物は日の光をエネルギーとして成長しますが、防草シートは地面を被って日光を遮ることで雑草を成長させず生えるのを防ぎます。
ビニールシートとの違いは水を通すところで、防草シートの上に雨が降っても水たまりにはなりません。
商品によって次のような違いがあります。
水はけ
耐久性
遮光性
このような差があるため、これらに優れた防草シート選びが重要となります。
6-1.防草シートを使用するメリット
防草シートは以下のようなメリットがあります。
メンテナンスの手間がかからない
土地を使いたいときにすぐに利用できる
自分でも簡単に施工することができる
これらのメリットについて詳しく説明していきます。
6-1-1.メンテナンスの手間がかからない
除草剤を使用したとしても定期的に散布しなければならず、草刈り機で雑草を刈っても根がなくならないためすぐに雑草が生えてきます。
防草シートの場合は、敷く前に雑草をすべて処理して正しい方法で敷けば、防草シートの寿命までほとんどメンテナンスいらずです。
1度敷いてしまえば、敷きっぱなしで何年も雑草に悩まされることがなくなります。
6-1-2.土地を使いたいときにすぐに利用できる
防草シートを被せた部分に花壇を作ったり家庭菜園を作りたいと考えたら、防草シートをはがせばすぐにその部分が利用できます。
何も植えていない花壇や、いずれ何かを育てたいと考えて放置している土地などにも使用できる手軽さが魅力です。
6-1-3.自分でも簡単に施工することができる。
防草シートはご自身でも簡単に施工することができます。
ただ、事前準備を怠ると、失敗して二度手間になります。
そのため、最初にしっかりと知識を入れて置くようにしましょう。
6-2.防草シートを使用する際の注意点
手軽に雑草対策ができる防草シートですが、以下のような注意点があります。
見た目が悪い
正しく敷かないと失敗する
品質が悪い防草シートでは雑草が生えてくる
数年ごとに敷き直しが必要
これらの注意点について、詳しく説明していきます。
6-2-1.見た目が悪い
防草シートだけでは、ただシートが敷かれているだけの状態となるため見栄えが悪くなってしまいます。
景観を気にするのであれば、上から砂利や人工芝などを敷いて、防草シートを隠しましょう。
6-2-2.正しく敷かないと失敗する
防草シートは敷き方によっては雑草が生えてきてしまうなど失敗に繋がります。
以下は、よくある防草シートの失敗例です。どのようなポイントに注意すべきかを知るためにも、失敗例を参考にしてみてください。
よくある失敗例① 雑草の上から防草シートを敷く
短い雑草だからと放置して、その上から防草シートを被せてしまうことで失敗してしまうケースが多々あります。
雑草の上から防草シートを敷くと、雑草が隙間から生えてきてしまったりシートを突き破ってしまう可能性があるため、防草シートを敷く前には必ず草刈りをしましょう。
よくある失敗例② 防草シートがしっかり重なっておらず雑草が隙間から生えてくる
防草シートを複数枚並べて敷く場合には、15cm以上重ねる必要があります。
まったく重ねていなかったり、重ね方が足りないと、シートとシートの隙間から雑草が生える原因になります。
防草シートを重ねると、その分シートが必要になるためもったいないような気がしますが、重ねしろをケチると結局雑草が生えてきてしまい、補修に無駄な労力や費用をかけることになるので、必ず15cm以上重ねるようにしましょう。
よくある失敗例③ 固定ピンが足りていないせいでめくれてしまう
防草シートは固定ピンを地面に刺して固定しますが、固定ピンは最低でも1㎡あたり5本必要で、それ以下になると強風などでめくれ上がってしまう可能性が高くなります。
これもシートの重ねしろのようにケチってはいけないポイントです。
めくれあがってしまってはせっかくの防草シートも意味がありませんし、また敷きなおさなくてはならず手間がかかります。
決められた数の固定ピンでしっかりと固定するようにしましょう。
6-2-3.品質が悪い防草シートでは雑草が生えてくる
耐久性がなく、すぐに破れてしまうような品質の悪い防草シートでは、すぐに雑草が生えてきてしまう可能性があります。
せっかく苦労して防草シートを敷いたのに雑草が生えてきてしまっては意味がないので、簡単にほどけたり破けてしまいそうな防草シートは避けましょう。
さらに、防草シートによって耐久性が数年しかないものから10年ほど敷き続けられるものまであるので、長く防草シートを敷き続ける予定であれば耐久性が高いものを購入する必要があります。
安価なものは耐久性が低いことが多く、結局数年で敷きなおさなければならず、長い目で見ればコスパがいいとは言えません。
防草シートを選ぶ際には耐久性に注目して選びましょう。
6-2-4.数年ごとに敷き直しが必要
防草シートは正しく敷けばメンテナンスが必要ないものですが、雨風や紫外線にさらされるため劣化していきます。
劣化が進むと破れやほつれる部分が出てくるため、その隙間から雑草が生えてきてしまいます。
耐久性は前述した通り商品によって異なるため、商品ごとの耐久性に合わせて補修や敷き直しをしましょう。
7.砂利のメリットと注意点
砂利は敷き詰めるだけで防草効果が得られ、特別な道具なども必要なく手軽に取り入れられるという特徴があります。
砂利にもさまざまな種類があり、
白玉砂利 | 白く丸みがあり、白玉のような見た目が特徴 |
青玉砂利 | やや緑がかった青色が特徴 |
赤玉砂利 | 赤褐色のレンガのような色合いが特徴 |
五色砂利 | 赤・緑・白などさまざまな色の砂利を混ぜたもの |
金華砂利 | 黒・黄土色・茶色など落ち着いた色味の玉砂利を混ぜあわせたもの |
那智黒石 | 碁石の黒石としても使われる石 |
など、砂利によって色や形が異なり敷いた際の印象も変わるため、イメージに合う砂利選びをするのも楽しめるでしょう。
7-1.砂利を敷くメリット
砂利を敷くメリットには、以下のようなものがあります。
見栄えよく雑草対策ができる
防犯対策になる
泥はね防止になる
これらのメリットについて詳しく説明していきます。
7-1-1.見栄えよく雑草対策ができる
前述した通り、砂利にはさまざまな種類があり、建物や庭の雰囲気に合わせて砂利を選ぶことで見栄えが良くなります。
よく通る場所は砂利を敷いてそれ以外はグランドカバーで覆うなど、組み合わせるのもおすすめです。
7-1-2.防犯対策になる
砂利が敷かれたところを歩くと音がなるため、防犯対策にもなります。
音の大きさを求めるのであれば、ガラス製の防犯砂利がおすすめです。
7-1-3.泥はね防止になる
砂利は水はけがよく泥がはねないため、雨が降った後に歩いても服が汚れる心配がありません。
また、しっかりと砂利が敷かれていれば、小さな水溜りを防ぐこともできます。
7-2.砂利を敷く際の注意点
手軽に取り入れられる砂利ですが、以下のような注意点があります。
厚めに敷かないと防草効果がなくなる
砂利が埋もれて土が浮いてくる
これらの注意点について、詳しく説明していきます。
7-2-1.厚めに敷かないと防草効果がなくなる
砂利だけを敷く場合、しっかりと厚めに敷かなければ砂利の隙間から雑草が生えてきます。
雑草の種が土にたどり着いてしまうことで雑草が生えるため、防草効果を得たいのであれば砂利で厚みがでるように敷き詰めましょう。
7-2-2.砂利が埋もれて土が浮いてくる
土の上に直接砂利を敷けば、その上を踏みしめるたびに砂利は土に埋まっていきます。
砂利が土に埋もれることによって、砂利の下にあった土は砂利の上へと浮いてしまい、浮いてきた土に雑草の種が付くとそこに雑草が生えてきてしまうことも。
砂利が埋まってしまうようであれば、さらに砂利を追加で敷き詰める必要があるでしょう。
7-3.砂利は防草シートとの組み合わせがおすすめ
防草シートと砂利を組み合わせることで、5つのメリットが生まれます。
「防草シート」と「砂利」のお互いのデメリットを補うので防草効果が高い
耐久性が高くなる(劣化しにくい)
様々な種類から砂利(タイル・レンガ)を選んでおしゃれにデザインできる
お庭の維持管理コストがほとんど発生しない
砂利(砕石)雑草が生えても簡単に抜くことができる
防草シートと砂利の組み合わせについてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
記事タイトル:防草シートと砂利|おすすめの理由と選び方、DIY施工の注意点を解説【写真付き】
記事URL:https://midoris.jp/anti-weed-sheet-gravel/
8.まとめ
除草剤が子供にとって危険と言われることがあるのは、2015年に「IARC(国際がん研究機関)」が除草剤に使用される成分であるグリホサートを発がん性の「グループ2A」に分類した影響が大きいと考えられます。
しかし、「グループ2A」の分類には、普段多くの人が口にしている赤身肉や65℃以上の飲み物なども含まれており、さらに、除草剤を正しく使うことで体内に入れなければ、安全に除草剤を散布することができます。
大切なのは、散布時に極力肌をおおって露出させないことと、子供を散布場所付近に近づけないことです。
パッケージに書かれた注意書きは、散布前に必ず読みましょう。
どうしてもグリホサートに不安がある場合は、食品成分100%の除草剤など、体内に入ってしまったりしても安全な除草剤もあります。
ただし、そのような除草剤は除草力が弱く、割高で雑草の種類によって選ぶ除草剤が異なるため注意が必要です。
しかし、除草剤に少しでも不安を感じるなら、雑草対策として以下の方法を検討してみましょう。
グランドカバーを植える
防草シートで被う
砂利を敷き詰める
これらの雑草対策を組み合わせて、子供に安全な雑草対策を行ってみてください。