「お庭でガーデニングを始めたいけど何からすればいいかわからない」
「おすすめのお花や植物を知りたい」
あなたはこのような疑問をお持ちではないでしょうか?
確かに、初めてガーデニングをする方は、色々とわからないことも多いと思います。
また、知識不足でガーデニングを始めたものの、すぐに枯れてしまった…なんてこともあります。
そこで今回は、植物販売店の私たちミドリスが、初心者の方向けにガーデニングの始め方を中心におすすめの植物や失敗するパターンを詳しく解説します。
◎STEPごとに方法を解説
◎おすすめの植物10選
◎育て始めてからやるべき手入れ
◎ガーデニング初心者が失敗して後悔するパターン4つ
このような内容となっています。
この記事を読めば、初心者の方が、ガーデニングの全体像を理解し、お気に入りの品種を見つけることができるでしょう。
また、失敗パターンを知ることで、失敗確率を格段に下げることができるでしょう。
あなたが初めての庭づくりをスムーズに進め、もの寂しかった庭に色とりどりの花が植えられ、憧れだったガーデニングライフを送れることを願っています。
この記事の目次
1.【初心者でも失敗しない】ガーデニングを始めるときの流れ
冒頭でもお話した通り、初心者がガーデニングに失敗しないためには、事前に全体の流れを把握しておくことが重要です。
なぜなら、全体をイメージしておけば抜かりなく準備しておくことができ、スムーズに進めることができるからです。
基本的なガーデニングの流れは、次の5STEPです。
1.育てる花を決める
2.庭の中のどこに植えるか決める
3.7つの必要な道具を揃える
4.植え付けを始める
5.育成を開始する
上記の5STEPに従って行えば、初心者でもスムーズにガーデニングを進めることができるでしょう。
各STEPについて次から詳しく説明していくので、最後までお読みになりガーデニングの参考にしてくださいね。
プランターや花壇であれば、土づくりが非常に簡単で、小面積なので管理の手間も少ないです。
いきなり無理して大きなお庭でガーデニングをするよりは、小さい面積から修行を始めましょう!
2.【STEP1】育てる花を決める|地植えもできるおすすめの花10種類
ガーデニングを始める際は、まず育てる花を決めましょう。
とは言え、たくさんある花の種類から育てる品種を決めるのには時間がかかります。
そこで今回はガーデニングの初心者でも簡単に育てることができるおすすめの花を、厳選して10種類をご紹介していきます。
全てのお花が地植え、花壇など、お庭のどこでも楽しむことができます。
②【春植え】マーガレット(常緑多年草)
③【春植え】アシュガ(常緑多年草)
④【秋植え】ムスカリ(多年草)
⑤【秋植え】チューリップ(多年草)
⑥【秋植え】クリスマスローズ(常緑多年草)
⑦【春〜秋植え】クラピア(多年草)
⑧【春・秋植え】タピアン(多年草)
⑨【春・秋植え】芝桜(多年草)
⑩.【春・秋植え】オレガノ ケントビューティー(常緑多年草)
上記の9つは、数ある花の種類の中でも初心者におすすめの品種です。
見た目や色など、あなたのイメージに近いものがあれば、ぜひ花選びの参考にしてください。
2-1.【春植え】ペチュニア(非耐寒性常緑多年草)
ペチュニアは成長が早くて丈夫なので、ガーデニング初心者にピッタリ。
3月〜11月まで、長い期間花を楽しめます。
枝垂れるものやこんもりと茂るもの、大輪~小輪、八重咲きなど、いろいろな園芸品種があるので、複数の品種を組み合わせても良いでしょう。
4月〜5月に植え付けますが、梅雨時期は避けるようにしてください。
ペチュニアは高温多湿に弱く、蒸れると病気にかかりやすくなってしまいます。
また、泥はねも病気の原因になるので、植える際は少し高いところに植えると良いでしょう。
本来、ペチュニアは多年草ですが、日本の寒さでは越冬が難しいため、一年草として扱われています。
暖かい地域で、霜が降りない場所であれば、多年草として楽しめます。
植え付け時期 | 4月〜5月 |
開花時期 | 3月〜11月 |
生育環境 | 日当たりと風通しの良い場所 |
水やり | 土が乾いたらたっぷりと |
耐寒温度 | 0度〜5度 ※冬に0度〜5度以下になる地域は室内で越冬するか霜よけネットなどを施す |
種類 | 非耐寒性常緑多年草 |
2-2.【春植え】マーガレット(常緑多年草)
マーガレットは、可愛らしく清楚なイメージの花です。
常緑多年草という部類で、1年を通して緑を維持します。
夏越し・冬越しをしっかりすれば、何年も楽しむことができる多年草です。
開花時期は11月〜5月で寒さに強く、日当たりがよければ冬でも綺麗な花を見せてくれます。
花色が豊富で、赤、ピンク、オレンジ、黄色、白などバリエーション豊か。家のイメージに合わせやすいでしょう。
植え付けは3〜6月、または9月〜10月ですが、できれば暖かい時期の春に植えた方が花を長く楽しめます。
秋植えの場合は霜が降りる時期を避けるようにしてください。
日当たりを好みますが夏の暑さに弱いので、直射日光や西日を避ける場所に植えるか、ネットで日除け対策をするなどしっかりと対処することが必要です。
植え付け時期 | 3月〜6月、9月〜10月 |
開花時期 | 11月〜5月 |
生育環境 | 日当たりと風通しの良い場所 |
水やり | 土が乾いたらたっぷりと |
耐寒温度 | 0度 ※雪や霜が下りる寒冷地ではプランターで育て、室内で越冬を行う |
種類 | 常緑多年草 |
2-3.【春植え】アシュガ(常緑多年草)
アシュガは、春に青紫色やピンク色の花を多数咲かせ、爽やかで涼しげな印象を与えてくれます。
常緑多年草で、1年を通して緑を維持し、何年も楽しむことができる多年草です。
開花時期は4月〜6月中旬までと短いものの、水やりの世話がほとんどいらず、初心者におすすめの品種です。
耐陰性があり、半日陰でも育ちます。
一方で耐暑性が低いため、直射日光や西日を避けるようにしましょう。
アシュガはほふく型でマット状に広がるので、グランドカバーでも植えることができます。
植え付け時期 | 3月上旬〜6月上旬、9月中旬〜11月上旬 |
開花時期 | 4月〜6月中旬 |
生育環境 | 水はけの良い、涼しい半日陰 |
水やり | 地植えの場合は特に必要なし |
耐寒温度 | 0度 ※冬に0度以下になる地域は室内で越冬するか霜よけネットなどを施す |
種類 | 常緑多年草 |
2-4.【秋植え】ムスカリ(多年草)
ムスカリは、丸い小花がさまざまな表情を見せてくれる、美しい花です。
「宿根草」と呼ばれ、休眠期の夏には地上部が枯れ、休眠期に入りますが、また次の年も緑を楽しむことができる多年草です。
花色は青系、桃色、白色、黄色など幅広く、形もブドウの房のようなものから筒状までさまざまな種類が見られます。
【ムスカリの豊富な色展開】
寒さが厳しいヨーロッパでも花を咲かせるほど耐寒性が強く、丈夫です。
開花時期は3月〜4月、マスクメロンのような香りが楽しめます。
植え付けの時期は10月〜11月ですが、特に11月下旬頃に植えると葉が伸びすぎないため、遅い時期に植えるのがおすすめです。
植え付け時期 | 10月〜11月 |
開花時期 | 3月〜4月 |
生育環境 | 水はけの良い、日当たりが良い場所 |
水やり | 地植えの場合は雨水が溜まらないようにする |
耐寒温度 | -10度〜-5度 |
種類 | 多年草(宿根草なので休眠期は枯れる) |
2-5.【秋植え】チューリップ(多年草)
チューリップはユリ科の多年草植物です。
多年草と言っても、球根の掘り上げ・分球等をして何年も楽しむような植物です。
チューリップは春の訪れを感じさせてくれる、春ガーデンの代名詞です。
花色は赤や黄、ピンク、白、オレンジ、緑、黒色。
形は一般的な一重咲きのほかにも八重咲き、パーロット咲き、ユリ咲き、フリンジ咲きなど、さまざまな姿を楽しめます。
植え付けの目安は、紅葉が見頃を迎える頃です。そのため、地方によって植えどきが異なります。
例えば、植えどきの目安を示した次の図をご覧ください。
【地域別の植えどきの目安】
北海道や東北地方:10月上旬から下旬以降
北陸や中国・日本海側地方:10月下旬から11月上旬以降
関東や東海地方・近畿・瀬戸内海沿岸:11月上旬以降、九州地方では11月下旬以降
上記の植えどきの目安を参考にしてくださいね。
植え付け時期 | 10月上旬〜12月下旬 |
開花時期 | 3月下旬〜5月上旬 |
生育環境 | 日当たりが良く、風通しが良い場所 |
水やり | 地植えの場合はほとんど必要なし |
耐寒温度 | 0〜5度前後 ※冬季間は土の中に球根があるから心配ないが、土の中の球根が凍るほど寒い地域は生育に不向き |
種類 | 多年草 |
2-6.【秋植え】クリスマスローズ(常緑多年草)
クリスマスローズは、冬に咲く貴重な花です。
クリスマス時期になると寄せ植えやデコレーションされたクリスマスローズを花屋で見かけることも多いでしょう。
1年を通して緑を維持し、何年も元気で過ごすことができる「常緑多年草」です。
耐寒温度が-15度までと低く、寒い地方でも育てることができます。
花色が豊富で、白、ピンク、緑、紫、黄、黒、アプリコットなどがあります。
さらに、茎が立ち上がって葉を展開しその頂部に花を咲かせる「有茎種」と葉柄と花柄が根茎から別々に出る「無茎種」があり、咲き方もさまざまです。
クリスマスローズは耐陰性があり、明るめの日陰もしくは半日陰で育ちます。
暑さに弱いので、夏の直射日光は避けるようにしてください。
植え付け時期 | 3月、10月〜12月 |
開花時期 | 12月〜4月 |
生育環境 | 明るめの日陰、半日陰 |
水やり | 地植えの場合はほとんど必要なし |
耐寒温度 | -15度前後 (生育温度は0度〜15度のため、暑い地方には不向き) |
種類 | 常緑多年草 |
2-7.【春〜秋植え】クラピア(多年草)
クラピアは、可愛らしい小花が楽しめる品種です。
花色は3種類で、ピンク、白、薄ピンクがあります。
宿根草なので、休眠期の冬には地上部が枯れます。
その次の年は新芽が出てまた緑が広がる多年草です。
地面を這うように育ち成長が早いことから、グランドカバーとしても親しまれています。
グランドカバーとして植えれば雑草対策にもなるので、一石二鳥です。
クラピアについてさらに詳しく知りたい人は次の記事をご覧ください。
最新版・クラピアとは?お庭の雑草対策で大人気のグランドカバーを徹底解説厳選写真40枚!成長したクラピアがキレイに庭一面に広がった事例集植え付け時期 | 4月〜9月 |
開花時期 | 5月〜9月 |
生育環境 | 日なたを好む(日照時間は最低3時間) |
水やり | 植え付け直後から2週間は週に2〜3回、たっぷりと。その後は土が乾いたらたっぷりと行う |
耐寒温度 | 10度程度 ※北海道は不向き、東北でも土の深さ1mまで凍結するような地域は不向き |
種類 | 多年草(宿根草) |
2-8.【春・秋植え】タピアン(常緑多年草)
タピアンは「サントリーフラワーズ」が開発した大人気の植物です。
1年を通して緑を維持し、何年の楽しむことができる常緑多年草です。
開花期間が4月から11月と非常に長く、雑草抑制効果も高いことから、注目度が高まっています。
グランドカバーをはじめ、花壇、プランターなど様々なシチュエーションで楽しむことができます。
お花の色は主に下の写真の3色です。
お庭に植えると、非常に綺麗なデザインになるでしょう。
植え付け時期 | 春もしくは秋 |
開花時期 | 4月〜11月 |
生育環境 | 日向もしくは半日陰。粘土質は苦手。 |
水やり | 土が乾いたタイミング |
耐寒温度 | 0度程度。寒冷地では冬越しが不可能。 |
種類 | 常緑多年草 |
タピアンについて詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
タピアンとは?常緑の花咲くグランドカバー植物の特徴や育て方を解説・タピアン 4色各3株 合計12株セット(肥料付き)
・タピアン 4色 合計24株セット(肥料付き)
・タピアン 3色各4株 合計12株セット(肥料付き)
・タピアン 3色 合計24株セット(肥料付き)
・タピアン 3色セット 合計48株
・タピアン パープリッシュホワイト(白色品種)24株
・タピアン パープリッシュホワイト(白色品種)48株
・タピアン バイオレット(紫品種)24株
・タピアン バイオレット(紫品種)48株
・タピアン ローズ(赤品種)24株
・タピアン ローズ(赤品種)48株
2-9.【春・秋植え】芝桜(シバザクラ)多年草
芝桜は春に可憐な花を咲かせるグランドカバープランツです。
日本全国に、芝桜公園もあり観光名所となっています。
宿根草なので休眠期の冬には地上部が茶色くなります。
翌年にはまた綺麗なお花を楽しむことができる多年草です。
地植えやプランターなど、様々なシチュエーションで活躍できます。
お花の色もたくさんあり、あなたの好みに合わせたガーデニングを楽しむことができます。
私たちミドリスの事務所でも、春には綺麗な芝桜を玄関に飾っています。
芝桜について詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
芝桜(シバザクラ)とは?基本的な特徴と植え方、育て方をプロが解説お庭での芝桜活用法6選|おすすめの理由と注意点【花壇・プランター・玄関もOK】植え付け時期 | 4月〜10月 |
開花時期 | 4月〜5月 |
生育環境 | 日なたを好む |
水やり | 植え付け直後から2週間は週に2〜3回、たっぷりと。 その後は土が乾いたらたっぷりと行う |
耐寒温度 | -5度程度 |
種類 | 多年草(宿根草) |
2-10.【春・秋植え】オレガノ ケントビューティー(常緑多年草)
ライムグリーンの葉っぱから桃色の花が咲く多年草の観賞用ハーブです。
観賞用のオレガノなので、「花オレガノ」と呼ばれることもあります。
幸福のシンボルとしてギリシャでは結婚式に用いられます。
お庭の地植えや鉢植え、花壇などガーデニングで様々な場所で活躍しています。
植え付け時期 | 3月〜4月、9月〜10月 |
開花時期 | 5月下旬~7月、9月下旬~11月上旬 |
生育環境 | 日なたを好む |
水やり | 植え付け直後から2週間は週に2〜3回、たっぷりと。 |
耐寒温度 | -20度程度 |
種類 | 常緑多年草(地上部が枯れる場合あり) |
2章のまとめ|花を選ぶ際はイラストにしよう!
育てる花を決める際は、あなたがイメージする庭のイラストを簡単に描いて、色の組み合わせを可視化することもおすすめです。
特にガーデニングは、見た目が重要です。
植える花の色の組み合わせ次第で、華やかになったり可愛らしくなったり、落ち着いた雰囲気になったりします。
庭のどこにどんな色の花を植えたいか、という簡単なイメージを描いておきましょう。
色の組み合わせは、「色相環」というカラーチャートのようなものを参考にすると失敗しません。
次の図をご覧ください。
上の図が、12色で示した色相環になります。隣り合った色が同系色で、向かい合っているのが反対色です。
同系色だけでまとめても良いですが、アクセントとして反対色を混ぜる時は「同系色:反対色=7:3」の割合にするとセンスのある配色になります。
植える花の色は全体の雰囲気を左右する重要なポイントになるので、じっくり決めていきましょう。
3.【STEP2】庭の中のどこに植えるのかを決める
育てたい花を決めたら、次は庭のどこに植えるかを決めていきましょう。
ただし、単に好きな場所に植えれば良いというわけではなく、失敗しないためには場所を決めるポイントがあります。
ガーデニングの場所を決めるポイントは、次の4つです。
①日当たりの良さ
②風通しの良さ
③水はけの良さ
④スペースの広さ
上記のポイントを押さえておけば、場所決めに失敗することはないでしょう。
それぞれについて詳しく説明していくので、ぜひ参考にしてください。
3-1.日当たりの良さ
庭に花を植える場合は、日当たりの良さに着目しましょう。
日当たりが良いというのは、1日6時間以上日が当たる場所のことを言います。
おすすめは、南側か東側です。
品種によっては日当たりが必要なものがあり、何も考えずに日当たりが悪い場所に植えてしまうと、上手く育てることができません。
日当たりを確認する際は、植えたいと思う場所が、一日中よく日があたるのか、半日だけ火が当たるのか、それともまったく日が当たらず常に日陰なのかをチェックしてください。
午前と午後など、時間帯によっても日当たりが変わりますので、できれば1日を通して観察することがポイントです。
3-2.風通しの良さ
花を植える際は、風通しの良さも必要です。
植えたいと考えている場所は風通しが良いか、確認する必要があります。
タオルやハンカチを広げ、なびくようなら風が通っている証拠です。
ほとんどの品種は、よく風が通る風通しの良い場所を好みます。
風が通らないような場所は、花の植え付けには適していないでしょう。
3-3.水はけの良さ
花を植えようとする場所の水はけもチェックしましょう。
水はけが悪いと根の周りが湿った状態が続くので、酸素が十分に行き渡らず根腐れを起こしてしまうからです。
植物は水はけが良い土を好みます。
水はけが悪いと、病害虫も繁殖しやすい状況になってしまいます。
水はけが良いかどうかをチェックする方法は次の通りです。
②1リットル程度の水を注ぐ
③約2時間、水がなくなっている場合は「水はけが良い」と判断できる
水はけがどうしても改善できない場合は、レンガなどで花壇を作ることで水はけを改善できます。
花壇で元々の土壌ではなく、新たな土壌を数10cm作り、水はけの良い土壌を作ることができます。
花壇の作り方は次の記事をご覧ください。
【完全版】お庭の花壇の作り方|DIYでもおしゃれにできる全6手順3-4.スペースの広さ
庭でガーデニングを行う場合は、十分なスペースがあるかどうかを確認しておく必要があります。
花を植える時は、成長とともに根が広がることを計算して株同士を20〜30cm離して植えなければならないからです。
植えるスペースに花をたくさん詰め込むことはできません。
「こんなに広ければ10株以上植えられる!」と思っても、実は3〜4株しか植えられないかもしれないのです。
植える花の数に対してスペースが十分か、事前に確認しておくようにしましょう。
3-5.初心者はまずはプランターや花壇からスタートするのもおすすめ!
いきなりお庭の広い面積でチャレンジするのは、様々なリスクがあります。
特に植物を育てることに慣れていない方は、最初の方は苦戦することもあります。
そこで私たちがおすすめのするのはまずは小規模な花壇やプランターでミニマムスタートをすることです。
小さい面積でスタートして、植物のお世話に慣れていくことが大切です。
花壇でのガーデニングの例
このように花壇を作ってお花を楽しむ方法があります。
花壇は、既製品やホームセンターでレンガを購入して作る方法があります。
土は元々の土壌の上に新しく作りますので、土づくりが非常に簡単です。
培養土で植物の生育に適した環境で成長することができます。
お庭の花壇の作り方は次の記事をご覧ください。
【完全版】お庭の花壇の作り方|DIYでもおしゃれにできる全6手順【プランターの一例】
このように、数十センチのおしゃれなプランターでガーデニングを始めるのも良いでしょう。
プランターなら地植えよりも手軽に始められますし、もしガーデニングをやめたくなったらすぐにやめることができます。
また、プランターを動かすことができるので、日当たりや風通しの調節も可能です。
プランターにはさまざまなデザインがありますから、プランターのデザインと花の色や形をコーディネートして楽しむのも良いでしょう。
4.【STEP3】7つの必要な道具を揃える
ガーデニングで植える花や場所を決めたら、必要な道具を揃えていきます。
ガーデニング初心者が用意すべきものは、次の7つです。
苗(もしくは種)
土(培養土)
移植ゴテ
軍手
くわ
肥料(元肥)
プランター
ガーデニングを始める際は、最低限上記の7つを準備しておけば滞りなく進めることができます。
事前に準備して揃えておきましょう。
植物を健やかに育てるためには、土作りにこだわることが重要です。
先ほどご紹介した「準備する物7つ」の中では、すでに最適な割合で肥料が配合されている培養土をおすすめしましたが、もちろんイチから土作りを行っても構いません。
自分で土作りを行う場合に、準備する物と手順は次の通りです。
【準備する物】
・スコップ
・くわ
・軍手
・堆肥
・肥料
・石灰
【手順】
①土を耕す
②石が出てきたら除去する
③土のPHを市販の試験液で調査する
④③で酸度が強い場合は石灰を投入する
⑤堆肥をすき込む
⑥肥料を施す
⑦草花の植え付けを行う
ガーデニングに最適な土作りについてもっと詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
【完全版】お庭の花壇の作り方|DIYでもおしゃれにできる全6手順5.【STEP4】植え付けを始める
必要な物を用意したら、いよいよ植え付けを始めましょう。
培養土を使わずに自分で土作りをした場合は、元肥を施してから1週間程度経って肥料が土に馴染んでから植え付けを始めるようにしてください。
植え付けの流れは次の通りです。
ガーデニングの植え付けの流れ
①(種や球根の場合)発芽を待つ
②ポット苗の場合は、苗をポットから取り出す
③植える場所に穴を堀り、苗をそっと入れる
④土を被せて全体に水をたっぷり与える
各工程について詳しくお話していきます。植え付けを行う際の参考にしてください。
5-1.【種や球根の場合】発芽を促す
「せっかくなら、種や球根から育てたい」という人も多いでしょう。
おすすめは、土に蒔く前に種や球根を水に浸して、発芽を促しておく方法です。
種をそのまま土に撒いても良いのですが、種を直接土に蒔く方法は難しく、発芽に時間がかかったり、結局発芽しなかったというケースもよく見られます。
種や球根を水に浸すと、外皮がふやけて発芽しやすくなります。
そのため、直接蒔くよりも発芽の可能性が高く、発芽時期を揃えられるというメリットがあるのです。
方法は簡単で、それぞれ次の通りです。
①タッパなどの容器を用意する
②キッチンペーパーを湿らせる
③種を置く
④芽が出るまで、乾く度に霧吹きで1〜2プッシュ分湿らせる
※日光に当てなくてもOK
①ペットボトルを水平に切る
②水を入れる
③根が出るまで球根を漬ける
※水の量は球根の底がわずかに触れる程度でOK(多いと腐る)
※水は毎日変える
発芽に良い温度は15〜20度、種類によっては25度とされています。
種や球根の種類によって異なるので、袋の裏の説明をよく読んで作業を進めましょう。
通常は、3日〜7日程度すると発芽します。
7日経っても発芽しなければ、種や球根自体に問題がある可能性が高いので、買い直すことがおすすめです。
5-2.【ポット苗の場合】苗をポットから取り出す
ポット苗を植える場合は、苗をポットから取り出します。
強い力を加えたり、無理に引き剥がしたりしないように注意してください。
根の部分に枯れ葉や枯れた根、ゴミなどがついていたらやさしく取りましょう。
ポットの形に固まったままだと土との馴染みが悪いので、植える直前に軽く土をほぐしておきます。
5-3.植える場所に穴を掘り、種や苗をそっと入れる
種や苗が十分に入る深さの穴を掘り、そっと入れましょう。
この時、植える間隔に注意が必要です。密集して植えすぎると一つひとつに十分な栄養がいかず、枯れる原因になってしまいます。
そのため、植える際は概ね30cm程度の間隔をあけることが重要です。
さらに植物によって、花が咲いた時の草丈が低いものなら15〜20cm、高いものなら30cm程度は開けましょう。
5-4.土を被せて全体に水をたっぷり与える
種や苗を植えたら、土をそっと被せ、水をたっぷりと与えます。
植え付けの時に水をたっぷりと与えることで、土と苗がしっかりと馴染み、よく育つからです。
水を与えると土が凹むので、穴に植えた苗に土を被せる際は、こんもりと山になる位に重ねてくださいね。
6.【STEP5】育成を開始する
種や苗を植えたら、育成を開始しましょう。
せっかく始めたガーデニングをできるだけ長持ちさせるために、育て方における次の3つのポイントを押さえておくことが大切です。
①新芽を間引きする
②水をあげる
③追肥をあげる
それぞれのポイントについて詳しく説明していきますので、花を育てる際にぜひ参考にしてください。
6-1.新芽を間引きする
種から育てている方は、出てきた新芽は間引き(元気な芽を残して、他を摘み取ること)しましょう。
全部の芽を残すと、栄養を取り合ってしまい、結果的に枯れたりうまく成長しないからです。
狭い部分に密集すると、葉が大きくなったときに日光の奪い合いにもなってしまいます。
間引きのタイミングは、下記のとおりです。
1回目:発芽直後
2回目:本葉が1〜2枚ほど
3回目:本葉が5〜6枚ほど
間引きの量やタイミングは植物によって異なるため、確認しましょう。
6-2.水をあげる
水やりのポイントは、「土の表面が白く乾いた時」にたっぷりあげることです。
これを目安にすることで、水やりで重要なあげすぎ・足りなさすぎを防げます。
プランターなら、底から溢れるくらいの量をあげても大丈夫です。
地植えの場合で雨がよく降る時期であれば、自分で水をあげる頻度はかなり少なくしても良いでしょう。
ガーデニングの初心者にありがちなのが、水をあげすぎてしまうことです。
水をあげすぎると土が常に湿った状態になってしまい、根腐れや生育不良、病害虫の発生などを引き起こしてしまいます。
とはいえ、乾燥させすぎると水やりによって土の中に運ばれるべき空気が不足してしまうので、生育に影響を与えてしまうのです。
だからこそ、水やりは「土が乾いたらたっぷり」という目安をしっかり守っておきましょう。
6-3.肥料をあげる(元肥・追肥)
花を育てる際は肥料をあげることも忘れないようにしましょう。
肥料をあげることで、根に効率よく栄養を届けられるからです。
肥料をあげるタイミングは大まかに言うと2回で、植え付けの時に行う「元肥」と成長しているタイミングで行う「追肥」です。
また、肥料には、液体と固形があり、それぞれにメリットデメリットがあります。
液体肥料 | 固形肥料 | |
施し方 | 水やりの際に、薄めて一緒にあげる | 土に馴染ませるように敷く |
効き方 | 即効性がある、何度も施す必要あり | ゆっくりと長く効く |
すぐに効果を感じたいなら液体肥料、ゆっくり長く効果を実感したいなら固形肥料がおすすめです。
追肥のタイミングは花の種類によって異なりますが、主に次のうちのいずれかのタイミングで行います。
・成長期
・開花期
・開花後
適した時期を押さえて追肥をあげるようにしましょう。
追肥に適している時期がある一方で、追肥を避けるべき時期もあります。具体的には次の通りです。
・植物の元気がない
・病気になった
・植え替え後
上記のように、植物に元気がない時やストレスがかかっている時は追肥を避けなければなりません。
植物も人間と同じで、元気がない時に無理やりたくさん栄養を与えても、それが逆に負担になってしまうからです。
追肥を避けるべきタイミングだなと感じたら無理に与えず、様子を見るようにしてくださいね。
7.ガーデニング初心者が育て始めてからやるべきお手入れ3つ
ガーデニングを始めてしばらく経ってからも、綺麗な庭を保つためにやるべきことがたくさんあります。
初心者だと分からないことも多いので、あらかじめやるべきお手入れについても知っておくことが大切です。
①花がら(咲き終わってしおれた花)をカットする
②球根は定期的に回収する
③寒冷地では雪囲いを行う
それぞれについて詳しく説明していきますので、お手入れの参考にしてください。
7-1.花がら(咲き終わってしおれた花)をカットする
しぼんだ花がら(咲き終わってしおれた花)は、こまめにハサミでカットするようにしましょう。
【花がらの写真(赤丸)】
花びらではなく、花茎から切り取るのがポイントです。
しぼんだ花をそのままにしておくと、新しい花がつきにくくなるほか、病気やカビの原因にもなります。
花がらをこまめにカットすることで次の花が早く咲き、病気の発生も予防できるのです。
7-2.球根は花が咲き終わったら回収する
チューリップなど球根を持つ植物は、花が咲き終わったら土を掘って回収しましょう。
そのまま放置していても翌年また芽は出てきますが、花は咲かず、葉っぱしか出てこないからです。
一度花が咲き終わった球根は、栄養がなくなり弱っています。
そのため、花が咲き終わったら球根を掘り起こして保存し、翌年また植え直す必要があります。
7-3.寒冷地では雪囲いを行う
寒冷地では、雪が降る期間に雪囲いをするのを忘れないようにしましょう。北風や雪から枝や茎を守るためです。
上の写真は雪囲いの一例です。これほど本格的でなくても、ネットや麻紐などで覆うケースも多いです。
まだ花が咲いている場合は、剪定をしてから雪囲いを施しましょう。
枝や茎が細い場合は、支柱を立てて雪の重さで折れないようにする工夫も大切です。
覆ったものが飛ばされないように、麻紐などで優しく止めておきましょう。
8.ガーデニング初心者が失敗して後悔するパターン4つ
最後に、ガーデニング初心者が失敗するケースを紹介します。
よくある失敗は次の4つです。
1.いきなりお庭の広い面積でスタートして失敗
2.植物を構いすぎて枯れる
3.ガーデニング植物の特性を理解せず植えて枯れる
4.植物を植えっぱなしで放置して枯れる
それぞれ詳しく解説します。
8-1.いきなりお庭の広い面積でスタートして失敗
「ガーデニングを始めるぞ!」と張り切ってスタートする時に、一度に広い面積で挑戦する方が多いです。
しかし、いざ始めてみると、植物のお世話は色々と手間がかかります。
また、真夏の作業もありますので、だんだんお世話をしなくなってしまうケースがあります。
そうなると、せっかく植えた植物が枯れて、雑草がたくさん生えてきてしまうことになります。
そのため、「3-5.初心者はまずはプランターや花壇からスタートするのもおすすめ!」で記載した通り、初心者の方はミニマムスタートをおすすめします。
8-2.植物を構いすぎて枯れる
ガーデニングを始めると、どうしても植物のお世話を頻繁にしたくなります。
特に失敗するケースで多いのが「水のあげすぎ」です。
「植物は水が大好きだから毎日たっぷりあげる」は、根腐れで枯れる原因となります。
植物も適切な水やり頻度があり、多くの植物は「土が乾いたタイミング」が水やりの合図です。
あなたが植える植物がどの程度の頻度で水を要求するのかを調べた上でお世話をしましょう。
その他にも、肥料の与えすぎなどが挙げられます。
8-3.ガーデニング植物の特性を理解せず植えて枯れる
これもよくある失敗です。
ポイントは次の4つです。
1.植え付け時期
2.必要な日光量
3.適切な土壌環境
4.耐寒性
これらを理解せず、誤った環境に植物を植えると、枯れるケースが多いです。
回避するためには、事前に植える植物の特性を理解し、「適切な環境」と「植える場所の環境(日当たり・水はけ)」をよく調べることです。
しっかりと下調べをすれば、簡単に枯れることはありません。
8-4.植物を植えっぱなしで放置して枯れる
これも非常に多い失敗です。
植えて満足してしまい、その後の管理に飽きてしまうことがあります。
【ガーデニングでの管理の例】
・水やり
・肥料
・病害虫のチェック、対処
・雑草の除去
・植え替え
・刈り込み(草木)
・花がら摘み(花)
・間引き(野菜)
・支柱取り付け(野菜)
・その他植物による
これらの管理が必要になります。
ガーデニングの定義は「家庭で行う園芸や庭づくり」です。
つまり、庭やベランダで草木や野菜を楽しみながら育てたり、レイアウトを楽しむ活動です。
植えっぱなしにすることがガーデニングとは言えません。
手間が少ない植物もありますが、最低限のお手入れは必須ですので、最初から植えっぱなしにするつもりの方は、ガーデニングを始めない方が良いでしょう。
草木や野菜も生き物ですので、枯らすことは避けたいですね。
もし「飽きてしまいそう」と不安な方は「3-5.初心者はまずはプランターや花壇からスタートするのもおすすめ!」で記載の通り、プランター1つから始めましょう。
8.まとめ
いかがでしたか?
初心者でも失敗しないガーデニングの方法やコツ、おすすめの花について説明してきました。
最後にこの記事をまとめましょう。
◎初心者でも失敗しないガーデニングの流れは次の5STEP
1.育てる花を決める
2.庭の中のどこに植えるか決める
3.道具を揃える
4.植え付けを始める
5.育成を開始する
◎初心者におすすめの花は次の10種類
①【春植え】ペチュニア(非耐寒性常緑多年草)
②【春植え】マーガレット(常緑多年草)
③【春植え】アシュガ(常緑多年草)
④【秋植え】ムスカリ(多年草)
⑤【秋植え】チューリップ(多年草)
⑥【秋植え】クリスマスローズ(常緑多年草)
⑦【春〜秋植え】クラピア(多年草)
⑧【春・秋植え】タピアン(多年草)
⑨【春・秋植え】芝桜(多年草)
⑩.【春・秋植え】オレガノ ケントビューティー(常緑多年草)
◎ガーデニング初心者が育て始めてからやるべきお手入れ3つ
1.花がらをカットする
2.球根は定期的に回収する
3.寒冷地では雪囲いを行う
ガーデニング初心者が失敗して後悔するパターン4つ
1.いきなりお庭の広い面積でスタートして失敗
2.植物を構いすぎて枯れる
3.ガーデニング植物の特性を理解せず植えて枯れる
4.植物を植えっぱなしで放置して枯れる
以上になります。
ガーデニングは事前に方法やコツを押さえておけば、初心者でも失敗することなく楽しむことができます。
色とりどりの花に囲まれた美しい庭に憧れていたあなたが、この記事を参考にガーデニングを始め、少しでも憧れの庭に近づけられることを願っています。