「観葉植物が枯れたけどどうすればいいですか?」
「なんで枯れたのですか?」
私たち観葉植物販売店のミドリスにはこのようなお問い合わせを多くいただきます。
観葉植物が枯れる理由はいくつもあり、「枯れた原因によって対処法が異なる」というのが重要なポイントです。
今回は、観葉植物が枯れる理由や、植物が枯れそうになるサインを紹介します。
【この記事でわかること】
観葉植物が枯れる原因7つ
こんな症状は危険!?観葉植物が枯れるサイン9つ
観葉植物が枯れたり、元気がない場合の対処法
観葉植物を枯らさないための適切な管理方法
この記事を読めば、観葉植物が枯れる原因を探り、対処法を学ぶことができます。
この記事の目次
1.観葉植物が枯れる原因7つ
まず始めに、観葉植物が枯れる原因を紹介します。
【観葉植物が枯れる原因7つ】
1.根腐れで枯れる
2.根詰まりで枯れる
3.水切れ(水不足)で枯れる
4.寒さで枯れる
5.病気により枯れる
6.害虫により枯れる
7.肥料を誤ったタイミングで与えて枯れる
それぞれ詳しく解説します。
1-1.根腐れで枯れる
観葉植物が枯れる原因で一番多いのが「水のあげすぎによる根腐れ」です。
別の要因として、排水性が悪い土で観葉植物を育てると根腐れを起こすことがあります。
ほとんどの観葉植物の土は水はけが良いので、ご自身で配合し、失敗するパターンがあります。
水のあげすぎは、初心者の方が失敗しやすいパターンです。
「植物は水が好きだから毎日水やりをしよう!」は間違いです。
確かに、観葉植物は水が必要ですが、与えすぎはNGです。
基本的には次のように行います。
【基本的な水やり】
春から秋:土が乾いたタイミングでたっぷり
冬:土が乾いてから4、5日経過した後、たっぷり
このようなタイミングで行います。
観葉植物の水やりについて詳しく解説した記事を紹介します。
観葉植物の正しい水やり方法|時間や頻度と注意点をわかりやすく解説1-2.根詰まりで枯れる
根詰まりは、植え替えをしないことで発生します。
根詰まりとは、観葉植物の根が鉢の中いっぱいに張った状態です。
根詰まりを起こすと、観葉植物が土から栄養や水分を吸収できなくなり、放置すると枯れます。
植え替えは1、2年に1度してあげる必要があります。
根っこの剪定をすることでまたどんどん成長していきます。
観葉植物の植え替えについて詳しく解説した記事を紹介します。
観葉植物の植え替えが絶対必要な理由4つ|手順と時期、注意点を解説植え替えの際に、おしゃれな植木鉢に交換すると、さらにデザイン性がアップします。
おしゃれな植木鉢について知りたい方は、次の記事をご覧ください。
1-3.水切れ(水不足)で枯れる
水切れは、いくつかの要因で発生します。
【水切れが起こる原因】
・水やりが少なすぎる
・暑さで水分が蒸発しすぎている
・根詰まりが起きている
このような原因があります。
根詰まりが起きていたら「植え替え」、単純に水不足の場合は一旦日陰に避難してたっぷりと水やりを行います。
1-4.寒さで枯れる
観葉植物は、寒さに耐えれず枯れることがあります。
ベランダで管理している場合に発生しやすいです。
また、室内でも、ヒーターや暖房を使わない部屋の窓際は非常に寒くなります。
観葉植物の多くは耐寒温度が0度から15度の種類が多いので、寒さに弱い耐寒温度15度の植物を窓際で管理すると枯れてしまう可能性があります。
そのため、真冬は部屋の暖かい場所で管理してあげましょう。
ただし、エアコンの風が直接当たる場所は、観葉植物にダメージを与えますのでNGです。
1-5.病気により枯れる
観葉植物は生き物ですので、病気にかかることもあります。
病気を放置すると、完全に枯れてしまいます。
観葉植物がかかりやすい病気を紹介します。
黒い粉のようなものが葉っぱに付着する「すす病」
葉っぱに白い斑点ができる「うどんこ病」
黒、白、茶色などの斑点ができる「炭疽病(たんそ)」
葉っぱが灰色になる「灰色カビ病」
茎や葉っぱに黄、茶色の斑点がつく「斑点病」
葉っぱに黒い斑点がつく「黒星病」
葉っぱがベトベトになって枯れる「ベト病」
赤い斑点ができる「赤星病」
葉っぱは緑でも枯れていく「青枯病」
これらの病気があります。
また、観葉植物によって注意する病気も異なりますので予め知っておきましょう。
対処法は、病気のよって変わりますが「薬剤、病気部分の切除」などがあります。
病気は、放置すればするほど悪化していきます。
一番重要なのが「早期発見・早期対応」です。
被害が少ないうちに迅速に対処することで、回復するまでの時間も早くなります。
普段から観葉植物をよく見ていれば、発見できる場合も多いです。
1-6.害虫により枯れる
観葉植物は害虫により枯れてしまうことがあります。
観葉植物につきやすい害虫は次の通りです。
アブラムシ
カイガラムシ
ハダニ
コナジラミ
オンシツコナジラミ
ナメクジ
どの虫も、観葉植物を枯らしたり、病気を誘発する害虫です。
対処方法は次のようなものがあります。
・薬剤を散布する
・濡れたティッシュで拭き取る
・シャワーで流す
・被害が広い場合は、葉っぱを落とす
このような対処法で除去します。
1-7.肥料を誤ったタイミングで与えて枯れる
肥料は観葉植物の成長をサポートしてくれる味方ですが、使い方によっては枯れてしまうケースがあります。
2つ例を挙げます。
・冬に肥料を与えて枯れる
・成長期に肥料を過剰に与える
1つ目の「冬の施肥」ですが、冬は多くの観葉植物か休眠期に入っています。
休眠期は成長がストップしていますので、そこで肥料を与えても、観葉植物に負担をかけるだけです。
ストレスにより観葉植物の体力を消耗して、最終的には枯れてしまうことがあります。
2つ目の「肥料過多」ですが、肥料も与え過ぎは「毒」になります。
一度にたくさんの肥料を与えると、観葉植物の根っこに大きなダメージを与えます。
根がダメージを受けて、土から栄養を吸収できなくなると、枯れてしまうことがあります。
このように、肥料の誤った使い方で観葉植物が枯れるケースがありますので、適切な施肥をしましょう。
【観葉植物に肥料を使う際のポイント】
・用法用量を遵守する
・肥料は成長期に与える
・冬は肥料を与えない
・冬に肥料の効果が残るようにしない
このような適切な使い方によって、観葉植物の成長をサポートしてくれます。
2.こんな症状は危険!?観葉植物が枯れるサイン9つ
観葉植物は体調不良の場合、自分の姿でサインを出します。
この章では、危険なサインを紹介します。
早急に気づいて対応することが重要です。
【観葉植物のサイン9つ】
1.観葉植物の葉っぱが垂れて元気がない
2.観葉植物がぐったりしている
3.葉っぱに異変がある
4.土に白いカビのようなものがついている
5.観葉植物に黒い粒(黒い斑点)がついている
6.観葉植物に黒い虫がついている
7.観葉植物がベタベタする
8.観葉植物がぐらつく
9.観葉植物がブヨブヨする
それぞれ詳しく解説します。
2-1.観葉植物の葉っぱが垂れて元気がない
【原因】
・水切れ
・根詰まり
・寒さ
・日光不足
葉っぱが垂れるのは「水切れ」を起こしている可能性があります。
最近水やりをしていなかったと思い当たる場合は、たっぷりと水やりをしましょう。
水やりをしていても葉っぱが垂れた場合は、根詰まりを起こしている可能性があります。
鉢底から根が出ているのであれば、植え替えをしましょう。
また、寒さで弱っている場合でも葉っぱが垂れることがあります。
日光不足の時は、観葉植物育成ライトでカバーできることもあります。
観葉植物の育成ライトについて詳しく解説した記事がありますので、ぜひご覧ください。
2-2.観葉植物がぐったりしている
【原因】
・水不足
・水やりをしている場合は「根腐れ」
観葉植物がぐったりしている場合は、水切れか根腐れを疑いましょう。
水不足の場合は、水をたっぷり与えましょう。
根腐れの場合は植え替えが必要です。
観葉植物の植え替えについて詳しく解説した記事を紹介します。
観葉植物の植え替えが絶対必要な理由4つ|手順と時期、注意点を解説2-3.葉っぱに異変がある
観葉植物は、体調が悪くなると葉っぱに症状が出やすくなります。
異変と言っても、さまざまな症状があります。
症状1.葉っぱが葉焼けを起こしている場合
直射日光の当てすぎが原因です。
葉焼けの場合は、一旦日陰に移して体力を回復させます。
その後、葉焼けした葉っぱをカットしましょう。
一度葉焼けを起こした葉っぱは元に戻らないので、切るしかありません。
症状2.葉っぱが黒い場合
葉っぱが黒い場合は「根腐れ」もしくは「過湿」、「病気」が原因の可能性が高いです。
根腐れの場合は、植え替えをしましょう。
過湿が原因の場合は、風通しの良い場所で管理しましょう。
病気の場合は、「黒星病」や「すす病」の可能性があります。
ホームセンターで薬剤を購入し、散布しましょう。
症状3.葉っぱが黄色い場合
葉っぱが黄色い場合は「根詰まり」「寒さ」「肥料不足」が原因の可能性が高いです。
単純に葉っぱが古くなって黄色くなる場合もあります。
根詰まりの場合は植え替えで対処します。
寒さの場合は、室内のエアコンの当たらない暖かい場所に移します。
肥料不足の場合は、観葉植物用の液肥を与えましょう。
ただし、冬の場合は観葉植物に負担をかけるので3月になったら与えましょう。
症状4.葉っぱがパリパリに乾燥している
パリパリになっている場合は、「水切れ」が原因です。
水切れは単純に水やり不足か、根詰まりが原因です。
最近水やりをしていなかった場合は、たっぷりと水やりをしましょう。
水やりをしているのにパリパリになっている場合は、根詰まりを起こしている可能性があります。
その場合は植え替えをしましょう。
症状5.葉っぱに傷、穴がある
傷、穴がある場合は害虫による食害の可能性があります。
傷ついた葉っぱをカットしましょう。
害虫を発見した場合は、除去しましょう。
2-4.土に白いカビのようなものがついている
土に白いカビが付着している場合は、アルコール消毒をしましょう。
その後、日当たりがよく、風通しの良い場所で管理すれば自然と治ります。
何回も付着する場合は、植え替えをして土を入れ替えましょう。
【カビの発生原因】
・日当たりが悪い場所で管理している
・湿度が高い場所で管理している
・肥料(特に有機肥料)が原因
・土の中が常に湿っている
このような原因があります。
特に梅雨時期には注意が必要です。
ただ、日陰が好きな観葉植物も居ますので、いきなり日光に当てると植物を弱らせてしまう可能性があります。
まずはアルコール消毒でカビを除去後、管理を見直してカビの発生原因を探りましょう。
その上で、育てている観葉植物の特性に合った対処法をしましょう。
【対処法の例】
例1:日当たりが悪いことが原因
対処法:日光が好きな植物であれば、日当たりの良い場所に移動する
例2:土の中が常に湿っている
対処法:根腐れなど他の症状が発生する可能性もあるので、適切な水やり頻度に変える。
例3:有機肥料を使っている
対処法:緩効性化成肥料や観葉植物用の液肥に変える
このような対処をしましょう。
2-5.観葉植物に黒い粒(黒い斑点)がついている
黒い斑点が付いている場合は「すす病」という病気の可能性が高いです。
濡らしたティッシュなどで拭き取り、晴れた日にシャワーで流してあげると良いでしょう。
また、ホームセンターで殺菌剤を購入し、散布するのもおすすめです。
2-6.観葉植物に黒い虫がついている
観葉植物につく黒い虫は「アブラムシ」や「カイガラムシ」が多いです。
これらの虫は観葉植物を枯らす害虫ですので、殺虫剤などで除去しましょう。
2-7.観葉植物がベタベタする
ベタベタするのは、カイガラムシの可能性が高いです。
ホームセンターで殺虫剤(植物用)を購入して散布しましょう。
2-8.観葉植物がぐらつく
植え替え直後でもないのに、観葉植物がぐらついているのは「根腐れ」や「害虫」が原因です。
植え替え直後はぐらつくことがありますが、育てている中でぐらつく場合は注意が必要です。
対処法としては「植え替え」です。
2-9.観葉植物がブヨブヨする
ブヨブヨしているのは根腐れを起こしている可能性が高いです。
植え替えをして、腐った根を除去しましょう。
3.観葉植物が枯れたり、元気がない場合時の対処法
観葉植物がすでに枯れ始めている場合は、早急な対応が必要です。
まずは、今までの管理方法を振り返って、枯れた原因を特定することが重要です。
【振り返る例】
・水をあげすぎていないか
・水が少なすぎではないか
・植え替えをしていたか
・観葉植物が好む場所・日当たりで管理をしていたか
・乾燥しすぎていなかったか
・観葉植物の葉っぱや幹に異変はないか
・寒い場所で管理していなかったか
・適切なタイミングで肥料をあげたか
このように、チェックをしていきます。
その後、思い当たるものがあれば、原因は特定できる場合があります。
【対処法の例】
根腐れの場合:断水か植え替え
日照不足の場合:半日陰で管理した後、日当たりが良い場所で管理
水不足の場合:水をたっぷりあげる
根詰まりの場合:植え替えと根の剪定
害虫の場合:葉水と害虫スプレー
葉焼けの場合:日陰に移す
病気の場合:病気を特定し、お薬や植え替えなどで対処
寒さの場合:暖かい場所に移す
肥料過多の場合:肥料をストップする
乾燥の場合:葉水をする
このように対処していきます。
4.観葉植物を枯らさないためには適切な管理をすることが重要
これから観葉を枯らさないためには、「適切な管理」をすることが大事です。
適切な管理とは次のような育て方です。
観葉植物の育て方の基本
水やりの頻度・量は季節によって変える
植え替えは1、2年に1度必ず行う
置き場所は観葉植物の特性に合わせて決める
肥料は成長期に合わせて行う
剪定は成長期に行う
病害虫は日頃の目視確認で早期発見し、対処する
乾燥や病害虫を防ぐために定期的な葉水をする
「自生地の環境に近づける」というのが重要
これらの育て方を基本に、後は観葉植物ごとの特性に合った育て方をすることが重要です。
観葉植物の育て方について詳しく解説した記事と、関連記事を紹介します。
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いかがでしたでしょうか。
今回は観葉植物が枯れる原因や対処法について詳しく解説しました。
簡単にまとめます。
観葉植物が枯れる原因7つ
1.根腐れで枯れる
2.根詰まりで枯れる
3.水切れ(水不足)で枯れる
4.寒さで枯れる
5.病気により枯れる
6.害虫により枯れる
7.肥料を誤ったタイミングで与えて枯れる
こんな症状は危険!?観葉植物が枯れるサイン9つ
1.観葉植物の葉っぱが垂れて元気がない
2.観葉植物がぐったりしている
3.葉っぱに異変がある
4.土に白いカビのようなものがついている
5.観葉植物に黒い粒(黒い斑点)がついている
6.観葉植物に黒い虫がついている
7.観葉植物がベタベタする
8.観葉植物がぐらつく
9.観葉植物がブヨブヨする
観葉植物が枯れたり、元気がない場合の対処法は「振り返り」と「症状に合わせた対策」
【振り返る例】
・水をあげすぎていないか
・水が少なすぎではないか
・植え替えをしていたか
・観葉植物が好む場所・日当たりで管理をしていたか
・乾燥しすぎていなかったか
・観葉植物の葉っぱや幹に異変はないか
・寒い場所で管理していなかったか
・適切なタイミングで肥料をあげたか
【対処法の例】
根腐れの場合:断水か植え替え
日照不足の場合:半日陰で管理した後、日当たりが良い場所で管理
水不足の場合:水をたっぷりあげる
根詰まりの場合:植え替えと根の剪定
害虫の場合:葉水と害虫スプレー
葉焼けの場合:日陰に移す
病気の場合:病気を特定し、お薬や植え替えなどで対処
寒さの場合:暖かい場所に移す
肥料過多の場合:肥料をストップする
乾燥の場合:葉水をする
観葉植物を枯らさないための適切な管理方法
水やりの頻度・量は季節によって変える
植え替えは1、2年に1度必ず行う
置き場所は観葉植物の特性に合わせて決める
肥料は成長期に合わせて行う
剪定は成長期に行う
病害虫は日頃の目視確認で早期発見し、対処する
乾燥や病害虫を防ぐために定期的な葉水をする
「自生地の環境に近づける」というのが重要