- 「防草シートの貼り方ってどうやるんだろう?」
- 「失敗して雑草が生えてこないか心配・・・」
雑草のわずらわしさから解放されるために、せっかくお金と時間をかけても効果がないとがっかりしてしまいますよね。
「防草シートの敷き方をよくわかっていない状態」でしてしまうと次のような写真になってしまう可能性があります。
いくら高品質のシートを使っても敷き方を間違えると、確実に雑草が生えてきます。
実は、防草シートの敷き方は下準備をしっかりすれば失敗する確率が格段に下がります。
段取り八部という言葉があるように、下準備が成功の80%を決めると言っても過言ではありません。
残りの20%は、シートを敷く実際の作業ということになります。
そこで今回は、20万平米以上の防草シート施工実績があるミドリスが、次の6つを徹底解説します。
①敷く前に絶対に押さえておくべき5つのポイント
②施工前に決めておくべき幅の長さと購入数量
③敷き方4ステップ
④綺麗に施工するためのプラスアルファ
⑤施工する時の持ち物リスト
⑥防草シートを長持ちされるために敷いた後に行う5つのこと
この6つを徹底的に解説します。
この記事を読んで、その通りに実行していただければ、初めてシートを敷く方でも綺麗に仕上げることができるでしょう。
ぜひ、最後まで読んでいただいて、毎年の雑草に悩む時間を一緒に減らしていきましょう。
防草シートの基本から詳しく知りたい方は次の記事からご覧ください。
防草シートとは|雑草対策の効果と利用するメリット・デメリットを解説この記事の目次
1.防草シートを敷く(貼る)前に絶対に押さえておくべき5つのポイント
防草シートを成功させるための一番の秘訣は「完璧な下準備」です。
実際に敷くのは難しいことではありません。
なぜなら、下準備を怠るとどんなに上手な人が敷いても、必ず失敗するからです。
この章ではまず、敷く前に絶対に押さえておくべき5つのポイントを紹介します。
ポイント1.今生えている雑草を除去する
防草シートを敷く場所に雑草が生えている場合、枯らして除去する必要があります。
雑草を除去しないまま敷くとと、次の3つのデメリットがあります。
①雑草により防草シートが浮いて見栄えが悪くなる。
②浮いてしまうことで、シートがめくれやすくなる。
③雑草が成長してシートを突き破る可能性がある。
このようなことになってしまえば、せっかく多くの費用をかけて購入したシートが無駄になってしまいます。
雑草は次の手順で除去しましょう。
STEP1.茎葉処理型(液剤)ですぐに雑草を枯らす
茎葉処理型除草剤は画像の通り、「今生えている雑草」を枯らします。
即効性が高いのが特徴です。
大体、1週間程度で完全に枯れます。
そのため、晴れた日の午前中、できれば何日か晴れが続く日に散布をしましょう。
STEP2.枯れた雑草を集草する。
今生えている雑草が完全に枯れたら、草刈り機や鎌などで綺麗に刈り、集草しましょう。
雑草を刈って集草せずそのままシートを敷いてしまうと、刈り屑でシートが浮いてしまいます。
綺麗に仕上げるためと思って、かんばって集草しましょう。
集めた草は、ゴミ袋などにまとめておきましょう。
この2ステップで、雑草の処理は完了です。
・竹があなたの土地に侵入し、防草シートを破壊します。
・蔓(つる)性植物があなたの土地に侵入し、シートを上に繁茂します。
対策法としては、竹林がある場合は、「防竹シート」を用いて少し大きな作業をする必要がありますが、防ぐことができます。
蔓(つる)性植物の場合は、定期的に侵食がないかチェックをして侵入を許さないようにしましょう。
軍手でゴミ袋に直接集めても良いですが、量が多いと大変です。
ゴミ袋も入っている量が少ないと風で飛ばされたり、いちいち袋の口を開けなければならないなど使い勝手が良くありません。
まずは熊手とテミ(大きなちりとりのようなザル)で自立型の集草バッグにざっくりと集めましょう。
熊手は地面の上で大雑把に集めるための大きめのものと、テミに乗せるために片手で使える小さめのものがあると便利です。
熊手 | テミ | 集草バッグ |
楽天 Amazon Yahoo! | 楽天 Amazon Yahoo! | 楽天 Amazon Yahoo! |
集草バッグはテミの横幅より口が広いと使いやすいです。
また、使用できるゴミ袋の容量と同じぐらいか少し小さめだと、ゴミ袋に移す際も楽です。
ポイント2.シート同士の重ね代を15cm以上確保する
防草シートは必ず15cm以上の重ね代を確保しましょう。
重ねしろが少ないと隙間から雑草が生えてきます。
20万平米以上の施工実績から、重ねしろは最低15cm以上必要と断言できます。
このシートは公共事業でも使われるような高耐久(設計耐久10年以上)のシートです。
ただ、いくら高耐久のシートでも、重ねしろが少ないと、写真のようにどんどん雑草が生えてしまいます。
多くの費用をかけて、写真のような状態になってしまうと「大失敗」となります。
そのため、重ねしろは必ず15cm以上確保しましょう。
ポイント3.しっかり整地をしておく
整地をすることで、防草シートにとって4つのメリットがあります。
①綺麗に仕上がり、見栄えが良い
②地面との空間が少なくなるので、雑草が生えづらい環境を作ることができる
③地面と密接しているので、シートが風でめくれにくくなる
整地をするだけで、3つの大きなメリットが生まれます。
整地をしないと、上述したメリットの逆の結果になり、「失敗」してしまいます。
真っ直ぐな板など、できればトンボ(レーキ)を使ってできるだけデコボコの無いように整えましょう。
地面の凸凹があるとその場所が砂埃の溜まり場になり、雑草が生えてしまいます。
ポイント4.防草シートは耐久性があるものを選ぶ
防草シートは耐久性があるものを選びましょう。
私たちミドリスのメンバーが今まで10万平米以上、防草シートの施工をしましたが、廉価品を使用するとすぐに雑草が生えてしまいます。
品質の悪いシートは安価で手に入れることができます。
しかし、物には相場というものがあり、安いのには理由があります。
「安かろう悪かろう」の通り、格安の防草シートには「その代わり耐久性も低い」という理由があるのです。
次の画像は高耐久の「ザバーン240G」と廉価品のアップ写真です。
ザバーンは繊維が密になっていますが、廉価品のシートは編み込んであるだけです。
廉価品の場合は、ほつれて劣化をしやすいので、結果的にすぐに雑草が生えてしまいます。
この点を理解して、しっかりと高耐久のシートを選びましょう。
ポイント5.防草シート用固定ピンは50cm間隔で打ち、平米あたり5本以上用意する。
固定ピンは最低でも50cm間隔で打ち込みましょう
また、打ち込む際のロス10%(曲がったり)を見込んだ数量が必要です。
50cm間隔でピンを打ち、ロス10%を見込んだ、表が次の通りです。
あなたの土地の面積 | 予備10%を含む必要最小限の本数の目安 |
10平米 | 70本(7本/㎡) |
20平米 | 125本(6.25本/㎡) |
30平米 | 185本(6.16本/㎡) |
40平米 | 240本(6本/㎡) |
50平米 | 295本(5.9本/㎡) |
60平米 | 353本(5.88本/㎡) |
70平米 | 410本(5.85本/㎡) |
80平米 | 465本(5.81本/㎡) |
90平米 | 520本(5.77本/㎡) |
100平米 | 575本(5.75本/㎡) |
500平米 | 2830本(5.66本/㎡) |
この表を参考にピンの数量を決めていきましょう。
2.防草シートの施工前に決めておくべき幅の長さと購入数量
「防草シートはどれくらい注文すればいいのだろう?」というご質問をよくいただきます。
この章では防草シートの数量の決め方を記載します。
まず、考え方は次の画像をご覧ください。
この画像で説明していることは次の2点です。
・2m幅のシートを使うことで、重ね部分が少なくなり、1m幅を使うより多くの面積を敷くことができる。
・2m幅のシートを使うことで、ピンの数を少なく済ませることができる。
つまり、1m幅×30m×2本と2m幅×30m×1本は同じ60平米分でも、重ねしろが少ない分、2m幅の方が多くの面積を敷設できるので、お得に敷くことができます。
注文する量の目安は、「実面積の1.2倍〜1.3倍(=20〜30%増し)」で計算することをおすすめします。
具体例
・50m2の土地面積なら、60〜65m2分を用意する
・100m2の土地面積なら、120〜130m2分を用意する
これくらいを目安にしましょう。
多少のあまりが出るかもしれませんが、シートは経年劣化やよく歩く箇所がすりきれてしまうものですので、補修用に大切に管理しておきましょう。
3.防草シートの敷き方(貼り方)4ステップ
ここまでの章で下準備は完了です。
あとは、実際に敷いていくだけです。
この章では防草シートの敷き方4ステップを記載します。
STEP1.端から敷いていく
シートを敷くときには、端っこから敷いていきましょう。
真ん中から敷くとロスが生まれてしまいます。
そのため、端から敷いていきましょう。
STEP2.防草シート固定ピンは最低でも50cm間隔で打つ
固定ピンは1章で記載した通り、50cm間隔で打っていきましょう。
都度50cm間隔で打つより、仮止めした後にまとめて増し打ちをした方が施工効率が上がります!
STEP3.重ね代を15cm確保する
1章で記載した通り、重ねしろは15cm以上確保して敷設していきましょう。
ここで費用を抑えようと思って重ねしろを少なくすると、後で雑草が生えてきて余計な管理コストがかかります。
そのため、最初にしっかりと施工することで、その後の維持管理を簡単にすることができます。
STEP4.防草シートの接続部分とピンの穴に防草シート用テープを貼る
防草シート用テープを貼るメリットは次の通りです。
メリット1.【管理コスト削減】シート同士の重ねしろ部分に貼って雑草を防ぐ
メリット2.【管理コスト削減】ピンの穴に貼って雑草を防ぐ
メリット3.【管理コスト削減】防草シートの端部処理に使って隙間を埋める
メリット4.【視覚的メリット】防草シートの継ぎ目に貼ることで、見栄えが良くなる
メリット5.【追加費用の削減】防草シートが破れたりした場合の補修に使う
雑草の力は非常に強いので、「シートの継ぎ目」「ピンの穴」「シートの端部」に隙間を見つけて生えてきます。
テープを使用することで、隙間を塞ぐので、雑草が生えるのを防ぐことができます。
費用は、20平米(約6坪)で4000円程度ですので、少しの費用で大きな効果を得ることができます。
4.防草シートをDIYで綺麗に施工するためのひと手間(ワンポイント)
この章では、防草シートを綺麗に仕上げるためのプラスアルファのものを紹介します。
4-1.防草シート用接続テープを貼って隙間やピン穴からの雑草を防ぐ
この写真は、防草シート用の接続テープです。
シート同士の重ね部分に貼ることで、隙間からの雑草を高確率で防ぐことができます。
そうすることで、ピンもテープで隠すことができ、2つのメリットが生まれます。
①ピンの穴から雑草が生えるのを防ぐ
②綺麗に仕上がるので、景観が良い
このようなメリットがあります。
4-2.防草シート用接着剤を壁際に使用する(端部処理)
壁際など、固定ピンが打ちにくいもしくは打てない場所は「防草シート用接着剤」を使用しましょう。
壁際に隙間を作ると、そこから雑草が生えてしまいます。
隙間ができないようにしっかりと接着剤で固定をしましょう。
4-3.風が強い日には少しずつ敷く
風が強い日は、シートが風に煽られるので、少しずつ敷いていきましょう。
煽られると、位置がズレて失敗してしまう場合があります。
重石代わりに置くことで、一人での作業でもシートが飛ばされにくいので、施工性が上がります。
4-4.砂利を敷く場合は、端部のシートは余裕を持って敷きましょう。
防草シートの上に砂利を敷く場合は、端部分は少し余裕を持って切りましょう。
ギリギリでシートを切ると、石の重みでシートが足りなくなり、端から雑草が生えてしまいます。
写真の奥側の通り、壁際はかなり余裕を持ってシートを配置するようにしましょう。
砂利などを入れたあと、カッターで切れば綺麗に仕上がります。
防草シートと砂利の組み合わせを検討中の方は次の記事をお読みください。
5.防草シートを長期間維持するために敷いた後に行う5つのこと
この章では、防草シートの効果を長期間発揮させるために行う5つのことを解説します。
早期発見・早期リカバリーが被害を最小限にします。
・防草シートに吹き溜まりがないか(砂が堆積していないか)確認する
・固定ピンの穴から雑草が生えていないか確認する
・重ねしろの部分から雑草が出ていないか確認する
・よく歩く場所のシートが擦り切れていないか確認する
・台風(強風)で防草シートがめくれていないか確認する
この5つを日常的に実施すれば、何か問題が起きた時に被害を最小限にすることができます。
せっかく多くの費用をかけて敷いたので、長期間、高い耐久性を維持するために行いましょう。
6.防草シートをDIYで施工する時の持ち物リスト
この章では防草シートを敷設するときに用意する持ち物を紹介します。
持ち物リスト | 目的 |
---|---|
防草シート | 敷くため |
ピン | シートを押さえるため |
防草シート用テープ | 重ね部分やピン部分に貼るため |
防草シート用接着剤 | 壁際に敷く場合に塗るため |
ハサミ | シートを切るため |
軍手 | 怪我をしないため |
メジャー | ピンの間隔を測るため |
コンクリートブロック | 敷設時の重石代わりに使用するため |
フォーク(100均のもので可) | 根っこを掘り起こすため |
また、外での作業に慣れていない方は絶対にこまめに休憩を取って作業をしてください。
シートの上での作業は、地面に近い分、暑さが増します。
黒い防草シートを敷く場合も、暑くなりやすいです。
そのため、繰り返しになりますが、5月から9月に作業をする場合は、こまめな水分補給、休憩を挟み、少しでも体調が悪くなったら即時作業を中止して休んでください。
7.ミドリスおすすめの防草シートの販売サイト
今回の記事でも簡単に紹介した私たちがおすすめする防草シート「ザバーン」は次の販売サイトでご購入いただけます。
・長さ15cm・100本セット
・長さ15cm・300本セット
・長さ15cm・600本セット
その他に下記のセットを各通販サイトにてご用意しております。
【長さ15cm】
1200本セット、1500本セット、1800本セット
【長さ20cm】
500本セット、1000本セット、1500本セット、2000本セット
【長さ30cm】
50本セット、200本セット、400本セット、800本セット、1200本セット、1600本セット、2000本セット
各通販サイトの黒丸釘カテゴリーページからご覧ください。
【黒丸釘カテゴリーページ】
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では防草シートの敷き方を詳しく解説しました。
防草シートの敷設は「準備80%作業20%」とお伝えしましたが、その準備で必要なものが以下の5つのポイントです。
ポイント1.今生えている雑草を除去する
ポイント2.シート同士の重ね代を15cm以上確保する
ポイント3.しっかり整地をしておく
ポイント4.防草シートは耐久性があるものを選ぶ
ポイント5.防草シート用固定ピンは50cm間隔で打ち、平米あたり5本以上用意する。
この5点を確実に実施して、あとはこの記事を印刷して実際に敷設作業をするだけです。
あなたのイメージ通り、防草シートを綺麗に敷けて長期間雑草の管理から解放されることを願っております。
防草シ-トの端部分を庭のアスファルト舗装部分に貼り付ける接着剤はありますか
記事に一通り目を通しました。我が家の場合は、庭の先に崖の部分が有り、そこに防草シート又は何かをしたいのですが、崖は幅2~3メートル 長さ7~8メートル有ります。1箇所 穴が空いている部分も有ります。生活には支障有りませんが、外観が気になりますし、崖の下は駐車場なので、そこにつるが伸びて 利用者が不快な思いをしているでしょう。駐車場から3m位まではコンクリートですが、その上がそのままで 見栄え最悪です。しかも斜めの部分は、根を枯らしたくありません。土の落下を根が支えているとおもうからです。良いアドバイス宜しくお願いします。
三浦由美子さま
コメントありがとうございます。
・御所有地の崖につる性植物が生えて見栄えが悪いので防草シートか何かをしたい
・崖に生えているつる性植物の根は枯らしたくない
というご質問ですね。
文章からのみ判断した内容で回答いたします。
【結論】防草シートは対策として適していない可能性があります。
理由は、3つあります。
①つる性の植物は防草シートに覆いかぶさること
②崖で施工が危険であること
③防草シートの施工場所は事前に除草する必要があること
駐車場利用者が不快な思いをしているようでしたら、毎年の手間になりますが切除することが良いと思います。
もしくは、業者さんを呼んで現地を確認した上で何かご提案いただくのも良いと思います。
高橋武則さま
コメントありがとうございます。
端部への固定ですが、ホームセンター等でコーキング剤が販売されておりますので、そちらを用いて固定することができます。
コンクリート用ボンドなども有効です。
こんにちは。防草シートの上に人工芝を引く場合にはどうしてもコーナーや、壁際など押さえのピンを打つ位置が重複してしまいますが、どの様に打ち分けたら良いのでしょうか?また、上面の全面に石などを載せる場合なら動かないかと思われますが、それでもピンは必要でしょうか?
コメントありがとうございます!
壁際の施工の際には、防草シートへのピンは壁際から少し離していただいて、人工芝の方のピンを壁際に打つ方法をおすすめしております。
また、上面の前面に重石があるのであれば、その部分にピンは不要でございます。