「金鯱ってどんなサボテンなんだろう?」
「初心者の私でも育てることができるのかな?」
あなたはこのような疑問をお持ちではないでしょうか。
サボテン金鯱は、「サボテンの王様」と呼ばれるほど人気の植物です。
実は、基本的な育て方を理解すれば、初心者でも簡単に育てることができます。
今回は、年間で数百鉢の金鯱サボテンを管理・発送する私たちミドリスが、サボテン金鯱について徹底解説します。
今まで管理した中での経験談も交えて解説します。
【この記事でわかること】
・サボテンの基本的情報(花や、風水、花言葉、寿命など)
・金鯱の上手な育て方
・枯らさない為に知っておくべき7つの注意点
・金鯱に関するよくある質問
この記事を読めば、金鯱のことを理解し、元気に成長させられるレベルまでの知識を得ることができるでしょう。
1.サボテン金鯱とは?基本情報
この章では、サボテン金鯱の基本情報を記載します。
サボテン「金鯱」の基本ステータス | |
---|---|
科 | サボテン科 |
属 | タマサボテン属 |
原産地 | メキシコ |
大きさ(最大) | 1m程度 |
寿命 | 平均で30年程度 |
花 | 20年以上経過すると開花する |
続いて詳しく基本的特徴を解説します。
1-1.サボテン金鯱はサボテン科タマサボテン属の植物
金鯱はサボテン科タマサボテン属のメキシコ原産の植物です。
元々メキシコ中央部に自生をしていたサボテンですが、乱獲やダムの建設の影響で湖底へ沈み、大幅に数を減らしました。
現在では、国際自然保護連合が「絶滅寸前」に指定するほど、数が減少しています。
自然下では最大1m程度まで大きくなる植物です。
1-2.サボテンの王様と言われている人気の種類
金鯱は、日本で「サボテンの王様」「王様サボテン」と呼ばれています。
日光をたくさん浴びて、金色に大きく成長する姿はまさに王様のようです。
金鯱はサボテンの中でも、最も人気のある品種の一つです。
1-3.サボテン金鯱の花言葉は、「儚い夢」
「儚い夢」というネガティブな花言葉が付けられています。
これは、平均寿命が30年程度でありながら、花を咲かせるのに20年以上かかるためだと言われています。
サボテン自体は「枯れない愛」・「燃える心」・「温かい心」・「偉大」という素晴らしい花言葉があります。
金鯱もサボテンの一種なので、このような花言葉も持っています。
1-4.風水では「魔除けの効果」と言われている
サボテン金鯱は、マイナスエネルギーが入るトイレや鬼門などに置くと良いとされています。
一方で、玄関などの運気が入る場所には置かない方が良いとされています。
1-5.サボテン金鯱のお花は咲くのに20年以上かかる
金鯱の花は、咲くのに20年程度の期間を必要とします。
長い間、健康的に育てることで、開花します。
花は下の画像の中心部のような形です。
1-6.金鯱の寿命は30年以上と言われている
金鯱の平均寿命は30年程度と言われています。
一般的なサボテンが10年から20年なので、長い部類に入ります。
長寿なことからも「王様」という呼ばれ方にぴったりです。
日本で一番長寿の金鯱は、静岡県にある「伊豆シャボテン動物公園シャボテン温室メキシコ館」の推定170歳のものと言われています。
平均寿命が30年のところ、これだけ長生きしているのは、伊豆シャボテン動物公園の皆様がとても大切にして育てていることも重要な要因だと思います。
皆様も金鯱を購入された際には、大切にしてあげてくださいね。
2.サボテン金鯱の育て方
この章では、サボテンの育て方を紹介します。
初心者の方でも簡単に育てることができますので、この章に記載している内容で育てれば、元気に成長するでしょう。
2-1.置き場所は室内の日当たりが良い場所で管理する(冬以外は屋外でも可)
金鯱は基本的に「日当たりの良い場所」で過ごします。
風水の観点から、トイレなどの日光が当たらない場所で過ごす場合は、1週間に1度はしっかりと日光浴をしましょう。
また、真夏の直射日光は葉焼けの可能性があるので、真夏は明るい日陰か、午前中に日光浴をしましょう。
真夏の午後の日差しは強いので注意しましょう。
始めでもお伝えしましたが、私たちは年間で数百鉢以上の金鯱サボテンを管理しています。
その中で、葉焼け(日焼け)が起きたことは一度もありません。
ただ、小さい株や栄養状態が良くない株、ずっと日陰で過ごしていた株は、いきなり真夏の直射日光に当てるダメージを負いますので、注意しましょう。
日照量が少ない時は、観葉植物育成ライトでカバーできることもあります。
観葉植物の育成ライトについて詳しく解説した記事がありますので、ぜひご覧ください。
2-2.金鯱を綺麗な丸型で維持したい場合は、鉢を回して平均的に日光を当てると良い
金鯱は綺麗な丸型が特徴のサボテンです。
この綺麗な形を維持するためには、日光を当てる際に定期的に鉢の向きを変えると良いです。
多くの植物が、太陽の向きに合わせて大きくなります。
そのため、丸型を維持するためには金鯱にある程度均等に日光を当てる必要があります。
1日ごとに変えるほどは必要ありませんが、一週間に1度程度は鉢を回しましょう。
2-3.金鯱の水やりは気温によって回数を変える
水やりは時期によって回数を変えます。
春から秋:土が乾いて2、3日経過したらたっぷりあげる
冬:1ヶ月に1度程度、軽めに与える
元々、金鯱はメキシコ北部の乾燥地帯が原産なので、乾燥には非常に強いです。
そのため、乾かし気味で育てた方がリスクが少ないです。
夏場は水分をよく吸いますが、冬場は吸水力も弱いので、軽めの水やりにしましょう。
私たちミドリスでは、冬場はほとんど断水に近い状態で管理しています。
2、3週間に1度くらい、霧吹きでかるーく濡らす程度です。
それでも水切れの症状はなかなか起きません。
もし、冬場でも日当たりの良い温かい室内(20度以上)であれば、3週間に1度たっぷり水やりをしても問題ありません。
2-4.土は水はけが良いものを選ぶ
サボテンの土は「とにかく水はけ重視」です。
植物は原産地と同じような環境を目指すのが基本です。
原産地がメキシコの乾燥地帯のため、水はけが良い土を作ることが大切です。
基本的には、「サボテン用の土」を使いましょう。
サボテン用の土は、サボテンに合わせて水はけに特化した商品となっているためです。
逆に、水はけが悪い土に植えると根腐れを起こして枯れてしまいますので、注意が必要です。
2-5.植え替えは毎年5月ごろに行う
植え替えは、小さい鉢(概ね6号鉢以下)の場合は毎年5月に行います。
梅雨が始まる前には必ず終わらせましょう。
植え替えは「根詰まり」を防ぐ目的で行います。
根詰まりを起こすとサボテンの根っこが水分や栄養分を吸えなくなり、枯れてしまいます。
特にサボテンの根っこはデリケートなので、しっかりと毎年植え替えを行いましょう。
6号以上の鉢になれば、2、3年に1度程度でも問題ありません。
具体的な植え替え方法を紹介します。
STEP1.5月に入ったら水やりをストップして土を乾かす
植え替えの準備期間として、水やりをストップします。
土が湿っていると、サボテンが取り出しずらくなります。
そのため、2週間程度は水やりを控えて土を乾かしておきましょう。
STEP2.新しい鉢を用意して、鉢底石と鉢底ネットを入れる
新しい鉢は大きすぎるのはNGです。
大きくてもサボテンより一回り程度までにしておきましょう。
大きすぎると、サボテンが水を吸収しきれず、土が湿っている状態が続くので根腐れが起こります。
鉢底ネットと鉢底石はホームセンターで購入することができます。
STEP3.緩効性化成肥料を混ぜて、サボテン用の土を鉢の半分程度までに入れる
鉢底石と鉢底ネットを入れたら、サボテン用の土に緩効性化成肥料混ぜて半分程度入れましょう。
サボテン用の土はホームセンターで購入することができます。
水はけに特化した「サボテン用の土」を準備しましょう。
肥料はマグァンプなどの緩効性化成肥料にしましょう。
有機肥料は虫が寄ってくることがあるため、虫が寄らない化成肥料にしましょう。
STEP4.金鯱を鉢から取り出す
次に金鯱を鉢から取り出します。
金鯱のトゲは固いので怪我をしないように注意しましょう。
STEP5.新しい鉢に仮配置をする
取り出した金鯱を新しい配置に配置します。
一旦置いてみて、高過ぎたり低過ぎたりしたら土で調整しましょう。
STEP6.配置が決まれば、土を入れて植え込む
配置が決まれば、サボテン用の土を入れて植え込みましょう。
STEP7.割り箸などで土を慣らして隙間を埋める
仕上げに割り箸などで土を慣らして隙間を埋めましょう。
STEP8.植え替え後、2週間程度日光が当たる場所に置いて水やりを控える
植え替え後は、日当たりが良い場所で管理をしましょう。
植え替えてから二週間は水やり厳禁です。
根が活着しておらず水が吸えないので、根腐れを起こしてしまいます。
これで植え替えは完了です。
植え替え直後は、金鯱サボテンが少しグラグラします。
2週間程度経過すると、根付いて動かなくなるので、そこから水やりを開始しましょう。
植え替えの際に、おしゃれな植木鉢に交換すると、さらにデザイン性がアップします。
おしゃれな植木鉢について知りたい方は、次の記事をご覧ください。
2-6.肥料は大きく育てたい場合に成長期に与える
金鯱は、肥料がなくても健康に過ごすことができます。
そのため、肥料不足で枯れることはありません。
肥料は金鯱を大きく育てたい場合に使用しましょう。
与える時期は、成長期の「春と秋」です。
サボテン用の液肥を規定より少し薄めて与えましょう。
根が吸収できないようなタイミングや量は、かえってサボテンを枯らすことになります。
また、しばらく植え替えをしていないサボテンは、根詰まりを起こしている肥料成分が吸収できないため、枯れてしまいます。
2-7.金鯱サボテンは基本的に剪定は不要
金鯱は基本的に剪定は不要です。
植え替えの際などに、茶色くなってしまったトゲなどをカットする程度で十分です。
柱サボテンなどの縦に大きくなるサボテンは剪定が必要ですが、金鯱はそのままで大丈夫です。
2-8.耐寒温度は5度程度が目安
金鯱は暖かい地域が原産なので、寒さには弱いです。
5度を下回ると枯れてしまう可能性があります。
そのため、ベランダなどで管理している場合は、室内へ移動しましょう。
3.サボテン金鯱を枯らさないために知っておくべき注意点6つ
この章では、サボテン金鯱を枯らさないようにするための注意点を記載します。
注意点は次の6つです。
1.サボテンの枯れる理由ダントツ1位!水のあげすぎに注意
2.トゲが固いので怪我に注意する
3.鉢が大きいと根腐れするので注意
4.エアコンの風が当たらない場所で育てる
5.気温5度を下回ると枯れるので、ベランダで育てる場合は要注意
6.害虫には注意して、見つけたらすぐに対処する
それぞれ詳しく解説します。
3-1.サボテンの枯れる理由ダントツ1位!水のあげすぎに注意
一番重要なのが「水をあげ過ぎないこと」です。
枯れる原因の1位は水のあげすぎです。
サボテンは頻繁に土が湿っていると根腐れを起こして枯れます。
この記事で記載した通りの適切な水やりが必要です。
水のあげ過ぎを防ぐために基本的には地面が乾いているように育てましょう。
3-2.トゲが固いので怪我に注意する
金鯱のトゲは非常に硬いです。
サボテンはさまざまな種類があり、トゲが硬いものからフワフワしたものまであります。
金鯱のトゲは成長すると非常に硬くなり、手に刺さるレベルです。
大きな魚のしっかりした骨ぐらい硬いです。
そのため、管理をする際には十分に注意しましょう。
3-3.鉢が大きいと根腐れするので注意
サボテンは、鉢を大きくしすぎると根腐れを起こすことがあります。
サボテンに対して鉢が大きいと、水やりをしてから水分を吸収しきれず土が常に湿っている状態になってしまいます。
そうなると、簡単に根腐れを起こして枯れてしまいます。
植え替えで鉢を新しくするときには要注意です。
3-4.エアコンの風が当たらない場所で育てる
サボテンは、エアコンの風に直接当てるとダメージを負ってしまいます。
そのため、エアコンの風が当たらない場所で過ごすようにしましょう。
3-5.気温5度を下回ると枯れるので、ベランダで育てる場合は要注意
金鯱は気温5度を下回ると枯れる可能性があります。
元々、暖かい気候の植物ですので寒さには注意が必要です。
ベランダで育てている方は、秋の終わりには室内に移動させましょう。
3-6.害虫には注意して、見つけたらすぐに対処する
サボテンにつく害虫としては「カイガラムシ、ハダニ、アブラムシ、ナメクジ」などがいます。
特にカイガラムシはサボテンの乾燥した状態が好きなので、注意が必要です。
定期的に金鯱の様子を見て、害虫を発見した場合はホームセンターなどで「植物用の害虫スプレー」を購入し、使用しましょう。
3-7.金鯱のトゲは切らないようにする
稀に、サボテンで怪我をしないようにトゲを切ってしまう方がいます。
金鯱のトゲは、水分を調整したり、成長点になっています。
そのため、全て切るとダメージを負って枯れてしまいます。
少し黒くなったトゲを切る程度は全く問題ありませんが、全て切るのはNGです。
4.サボテン金鯱でよくある質問
この章では、サボテン金鯱のよくある質問を記載します。
4-1.金鯱は初心者でも育てることができますか?
はい、簡単に育てることができます。
サボテンは、観葉植物の中でも育てやすさがトップクラスです。
頻繁な水やりが必要なく、丈夫なので初心者にはピッタリです。
この記事で紹介した育て方を実践すれば、あなたのお家でも元気に過ごすことができるでしょう。
4-2.成長しない場合はありますか?
成長しないパターンは2つあります。
①休眠期で成長しない
②金鯱が不健康で成長しない
①の休眠期であれば、全く問題ありません。
ただ、②の場合は対処が必要です。
「栄養不足」「根腐れ」「根詰まり」「害虫」「日光不足」など様々な要因が考えられます。
この記事で記載した育て方をみながら、自分の管理方法を見直して原因を特定しましょう。
原因特定の例
例1:水をあげ過ぎていた気がする→根腐れの可能性
例2:何年も植え替えをしていない→根詰まりの可能性
例3:ずっと日陰で管理している→日光不足の可能性
例4:エアコンが当たる場所で管理した→ダメージを負っている可能性
このように、今までの管理方法を振り返って原因を特定します。
4-3.金鯱が枯れる原因はなんですか?
サボテンが枯れる原因はいくつもあります。
・根腐れ
・根詰まり
・害虫
・葉焼け
・日光不足
この記事で記載した育て方をすれば、基本的には元気に成長します。
逆に枯れた場合は、何かしら原因があるはずですので、前の回答で記載した通り、「今までの自分の管理方法を振り返って原因を特定する」作業が必要となります。
4-4.全く日光が当たらないトイレなどでも育てることができますか?
金鯱は、日陰でも過ごすことは可能です。
風水の観点から、日光が当たらないトイレに置く方も多いです。
ただし、ずっと日陰の場合はやがて枯れてしまいます。
そのため、一週間に1度は日光浴をさせてあげると非常に元気に育ちます。
4-5.サボテン金鯱が綺麗に丸くならないのはなぜですか?
金鯱が丸くならないのは、太陽に対してずっと同じ向きで管理しているためです。
植物の多くは、日光を求めるので、太陽に向かって伸びます。
金鯱も、同じ面ばかり日光を当てると形が崩れてしまいます。
そのため、一週間に1度は向きを変えて形を整えていきましょう。
4-6.サボテン金鯱は地植えできますか?
日本では地植えの生育は難しいです。
ただ、地植えで元気に過ごしている金鯱もいます。
霜が降りないようにしたり、北風が当たらない場所に植えるなど、条件を整えて寒さ対策をすれば可能です。
地植えで最低限すること
・水はけ重視の用土に改良する
・北風に直接当たらないようにする
・霜がおりないようにする
・30cm以上大きくしてから植える
・冬までにしっかり根付くように春ごろに植える
このような対策が必要です。
また雨樋の下など、雨が直接当たらない場所に植えると尚良いです。
4-7.サボテン金鯱の成長速度はどの程度ですか?
環境にもよりますが、1年で1cmから2cm程度は大きくなります。
金鯱を健康的にすることで、順調な生育が可能です。
4-8.金鯱を観葉植物の台に飾りたいのですが、おすすめはありますか?
金鯱のサイズにより異なります。
観葉植物の台について詳しく解説した記事がありますので、ぜひ合わせてお読みください。
観葉植物の台12選!ワンランク上の部屋を目指す配置のコツ3つ5.ミドリスの金鯱販売サイト
この章では、ミドリスの金鯱販売サイトを紹介します。
・サボテン金鯱 3号鉢
・サボテン金鯱 4号鉢
・サボテン金鯱 5号鉢
・サボテン金鯱 3鉢セット(3号、4号、5号)
・サボテン金鯱 8号鉢
・サボテン金鯱 12号鉢
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はサボテンの王様「金鯱」について詳しく解説しました。
簡単にまとめます。
サボテン金鯱の基本情報
金鯱はサボテン科タマサボテン属の植物
サボテンの王様と言われている人気の種類
花言葉は、「儚い夢」
風水では「魔除けの効果」と言われている
お花は咲くのに20年以上かかる
寿命は30年以上と言われている
サボテン金鯱の育て方
置き場所は室内の日当たりが良い場所で管理する
金鯱を綺麗な丸型で維持したい場合は、鉢を回して平均的に日光を当てると良い
金鯱の水やりは気温によって回数を変える
土は水はけが良いものを選ぶ
植え替えは毎年5月ごろに行う
肥料は大きく育てたい場合に成長期に与える
金鯱サボテンは基本的に剪定は不要
耐寒温度は5度程度が目安
サボテン金鯱を枯らさないために知っておくべき注意点6つ
サボテンの枯れる理由ダントツ1位!水のあげすぎに注意
トゲが固いので怪我に注意する
鉢が大きいと根腐れするので注意
エアコンの風が当たらない場所で育てる
気温5度を下回ると枯れるので、ベランダで育てる場合は要注意
害虫には注意して、見つけたらすぐに対処する
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。