「シマナンヨウスギ(アローカリア)ってどんな植物なのかな?」
「ナンヨウスギ(南洋杉)との違いは?」
あなたはこのような疑問をお持ちではないでしょうか?
調べてみると、情報が少ない植物で、どんな特徴があって、どのように育てるかがわからない方も多いと思います。
シマナンヨウスギはナンヨウスギ(南洋杉)属の一種で、世界の三大庭園樹に数えられるほど一般的な植物なのです。
今回は、観葉植物販売店のミドリスがシマナンヨウスギについて徹底的に解説します。
また、私たちミドリスではシマナンヨウスギを植木鉢で育てていますので、実際に育ててみた視点でも解説します。
【この記事でわかること】
・シマナンヨウスギの基本的特徴
・シマナンヨウスギが観葉植物として注目されている3つの理由
・シマナンヨウスギの育て方(お手入れカレンダー付き)
この記事を読めば、シマナンヨウスギのことがわかり、グッと身近に感じることができるでしょう。
この記事の目次
1.シマナンヨウスギ(アローカリア)の特徴
この章では、そもそも「シマナンヨウスギって何?」という方向けへ、基本的な情報を紹介します。
1-1.シマナンヨウスギは、「ナンヨウスギ科ナンヨウスギ属」の植物
シマナンヨウスギは「ナンヨウスギ科ナンヨウスギ属」の植物で、学名は、アローカリア(アラウカリア)です。
アローカリアの名前の由来は諸説あり、チリの先住部族に因んで名付けられた説が一般的です。
1-2.ナンヨウスギ(南洋杉)は世界に10種類以上存在する
ナンヨウスギ属は、世界各地に10種類以上存在します。
主に、南アメリカ、ニュージランド、オーストラリア、ニューギニアなど温暖な地域で存在しています。
多くは木材で利用されることが多く、中には種子を食べたり、庭園で利用されたりしています。
種類によっては高さ60m以上にもなる個体があります。
日本で流通しているものはほとんどが「シマナンヨウスギ」という種類です。
1-3.世界の三大庭園樹に入っている
シマナンヨウスギを含む、ナンヨウスギ(南洋杉)は、コウヤマキ、ヒマラヤスギと並んで「世界三大庭園樹」と言われています。
特に、シマナンヨウスギは幼木の頃はクリスマスツリーとしても流通しています。
日本で見かけることは少ないですが、世界では3大庭園樹に数えられるほど一般的な樹木です。
1-4.花言葉は「雄大」「堅固」「堅実」「あなたのために生きる」「君のために生きる」
ナンヨウスギの花言葉は「雄大」「堅固」「堅実」「あなたのために生きる」「君のために生きる」と、たくさんの良い言葉が付けられています。
この花言葉から、観葉植物の贈り物として注目されています。
1-5.「スギ」でも花粉はつけない
シマナンヨウスギは、名前にスギが付いていますが、スギ科ではないので花粉はつけません。
そのため、花粉症の方でも観葉植物として楽しむことができます。
1-6.種類によっては、絶滅危惧II類に指定されている
ナンヨウスギの中でも、シマナンヨウスギは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅危惧II類(VU)に指定されています。
取引は制限されていませんが、貴重な種類であることは間違いありません。
1-7.日本では日本庭園や観葉植物として使われている
日本では、シマナンヨウスギが観葉植物として多く販売されています。
2章で詳しく解説しますが、縁起物とされているので贈り物や、室内のインテリアに人気があります。
2.シマナンヨウスギ(アローカリア)が観葉植物として注目される3つの理由
この章では、日本で流通しているナンヨウスギのほとんどを占める「シマナンヨウスギ」の魅力を解説します。
2-1.シマナンヨウスギは、別名:黄金昇り竜という名前で縁起物として人気
シマナンヨウスギは「黄金昇り竜」とも呼ばれています。
理由は、名前の通り、黄金の幹に天に登るような竜の姿をしていることから名付けられました。
昔から贈った人も、贈られた人も幸運を招く植物と言われています。
そのため、縁起の良い贈り物として使われることが非常に多いです。
もちろん、ご自身で育てるために購入する方も多くいらっしゃいます。
2-2.非常に丈夫で枯れることが少ない
シマナンヨウスギは耐寒性・耐暑性に優れており、病気になることも少ない非常に丈夫な植物です。
初心者の方でも簡単に育てることができます。
私たちも、実際に今まで販売用として100鉢以上管理してきましたが、シマナンヨウスギが枯れたことは一度もありません。
他の観葉植物と比べても、非常に強靭な種類です。
2-3.盆栽仕立ての美しい樹形と葉っぱが存在感を発揮する
シマナンヨウスギは、幹が曲がっている盆栽仕立てが多く流通しています。
和風の家との相性は抜群です。
葉っぱも常緑で年中同じ姿を安定して披露してくれます。
3.シマナンヨウスギ(アローカリア)の室内での育て方
この章では、シマナンヨウスギの育て方について詳しく解説します。
3-1.置き場所は日当たりの良い窓際が基本
シマナンヨウスギは日当たりの良い場所を好みますので、観葉植物として室内で育てる場合は、できるだけ日当たりの良い場所で管理しましょう。
耐陰性もあるので、日陰でも管理ができますが、日光不足になると樹形が乱れることがあります。
そのため、日光にしっかりと当てて、美観を維持することが重要です。
日照量が少ない時は、観葉植物育成ライトでカバーできることもあります。
観葉植物の育成ライトについて詳しく解説した記事がありますので、ぜひご覧ください。
3-2.水やりの頻度は季節によって変える
水やりをする頻度は以下を目安にしてください。
春から秋:土が完全に乾いたタイミングでたっぷりと水やり
冬:土が完全に乾いてから4、5日経過した後にたっぷり
このような頻度で与えます。
冬は、生育緩慢期ですので、乾かし気味に育てます。
水不足の症状「葉先の枯れ」が出た場合はあ、水やりの頻度を少しだけ多めに変更しましょう。
また、水やりの頻度は季節によって変えますが、「1回あたりの量」は一年を通してたっぷりと与えます。
水やりには、土の空気を入れ替えるという重要な役割があります。
観葉植物が育つ過程で、土の中に二酸化炭素が溜まってしまいます。
水やりにより、二酸化炭素を鉢底から押し出して、新鮮な空気を入れてあげることが非常に重要となります。
私たちで実際に育てている個体は、乾かし気味で育てています。
シマナンヨウスギを含め、観葉植物の枯れる原因で一番多いのが根腐れです。
乾かし気味で育てることで、根腐れを防ぎ健康的に育てることができます。
3-3.植え替えは2年に1度を目安に行う
植え替えを行う理由は次の4つです。
1.根詰まりの防止
2.古い根や腐った根を除去する
3.古い土を入れ替えることで老廃物や有害な微生物を除去する
4.土の栄養分の改善
根詰まりとは、根っこが鉢中に張り巡らされ、鉢の中が根っこでパンパンになった状態です。
根詰まりを起こすと、栄養や水分が補給できなくなり、最終的にはシマナンヨウスギが枯れてしまいます。
また、古い根や腐った根は根腐れの原因となります。
枯らさないためにも、植え替えは必須の管理となります。
具体的な植え替え方法は次のとおりです。
シマナンヨウスギを植え替えする手順9STEP
STEP1.水やりを一週間程度控える
STEP2.一回り大きい新しい鉢に鉢底石と鉢底ネットを入れる
STEP3.観葉植物用の土を3割程度入れる
STEP4.シマナンヨウスギを鉢からゆっくり出してほぐしながら土を落とす
STEP5.古い根や黒い根、腐った根をハサミでカットする
STEP6.シマナンヨウスギを入れて、鉢の一番上から2、3cmまで土を入れる
STEP7.割り箸などで根の隙間まで土が入るようにつつく
STEP8.鉢底から水が出る程度、たっぷり水やりをする
STEP9.シマナンヨウスギが落ち着くまでは日陰で管理する
このような手順で行います。
工数は多いですが、実際は20分程度で完了することができます。
観葉植物の植え替えについて詳しく解説した記事はこちら。
観葉植物の植え替えが絶対必要な理由4つ|手順と時期、注意点を解説植え替えの際に、おしゃれな植木鉢に交換すると、さらにデザイン性がアップします。
おしゃれな植木鉢について知りたい方は、次の記事をご覧ください。
3-4.肥料は生育期の4月から9月に与える
肥料は、シマナンヨウスギを大きくしたい場合におすすめです。
シマナンヨウスギは、肥料を与えると成長スピードが早くなります。
大きく育てたい方は4月から9月に緩効性化成肥料(マグァンプなど)を与えましょう。
肥料のやり過ぎは、ダメージを与えてしまうので、使用する肥料の「用法用量を正しく守ること」が非常に重要です。
1-5.剪定は成長期の4月から9月に切り戻し剪定を行う
剪定が必要な理由は次の通りです。
【観葉植物に剪定が必要な理由4つ】
1.蒸れによる病害虫の発生を予防する
2.不必要な枝をカットし、栄養をコントロールする
3.日当たりが悪い枝葉の対処をする
4.樹形の整え、美観を維持する
剪定を成長期に行う理由としては、シマナンヨウスギの負担を最小限に抑えるためです。
植物を切るということは、植物に負担をかけます。
成長期に行うことで、回復が早くなります。
剪定は「切り戻し剪定」が基本となります。
・伸びすぎて高くなりすぎた枝
・間延びして景観を崩している枝(葉っぱの付きが悪い枝)
・大きくなりすぎた葉っぱ
これらを取り除くことで、すっきりした美観を維持することができます。
その他、観葉植物の剪定について詳しく解説した記事がありますので、ぜひご覧ください。
観葉植物に剪定が必要な理由4つ|初心者でも失敗しない方法を解説1-6.病害虫は「早期発見・早期対処」が基本中の基本
シマナンヨウスギをはじめ、観葉植物を育てると、病害虫の被害に被害に遭うことがあります。
少しでも早く発見し、対処することが被害の拡大を防ぐことができます。
日々の水やりの際などに目視点検をしっかりすることで、異変に気づくことができるでしょう。
シマナンヨウスギには、カイガラムシが付着することがあります。
カイガラムシは放置すると、病気の誘発しますので、枯らさないためにも日々のチェックを実施しましょう。
観葉植物が枯れる原因について解説した記事がありますので、ぜひお読みください。
観葉植物が枯れる原因7つ|危険サインや元気がない時の対処法を解説観葉植物のコバエ駆除方法と予防策を紹介した記事がありますので、あわせてお読みください。
観葉植物のコバエ対策|効果抜群!7つの駆除方法と5つの予防策1-7.土は水はけを重視した配合のものを使う
シマナンヨウスギの土は、「水はけが良いものをつかう」が基本です。
水はけが悪いと根腐れを起こしてしまうためです。
土は、無機物のものがおすすめです。
有機物が含まれている腐葉土や一般的な培養土は、虫が寄りやすくなります。
そのため、培養土でも、熱処理をされているものなど、無機物中心の土を作ると良いでしょう。
4.ミドリスのシマナンヨウスギ販売サイト
私たちミドリスでは、シマナンヨウスギの8号盆栽仕立てを販売しております。
ぜひご覧ください。
・黄金昇り竜 シマナンヨウスギ アローカリア 8号鉢
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、黄金色の幹と美しい葉っぱが魅力のシマナンヨウスギについて解説しました。
簡単にまとめます。
シマナンヨウスギの特徴7つ
1.シマナンヨウスギは、「ナンヨウスギ科ナンヨウスギ属」の植物
2.ナンヨウスギ(南洋杉)は世界に10種類以上存在する
3.世界の三大庭園樹に入っている
4.花言葉は「雄大」「堅固」「堅実」「あなたのために生きる」「君のために生きる」
5.「スギ」でも花粉はつけない
6.種類によっては、絶滅危惧II類に指定されている
7.日本では日本庭園や観葉植物として使われている
シマナンヨウスギが観葉植物として注目される3つの理由
1.シマナンヨウスギは、別名:黄金昇り竜という名前で縁起物として人気
2.非常に丈夫で枯れることが少ない
3.盆栽仕立ての美しい樹形と葉っぱが存在感を発揮する
シマナンヨウスギの室内での育て方
・置き場所は日当たりの良い窓際が基本
・水やりの頻度は季節によって変える
・植え替えは2年に1度を目安に行う
・肥料は生育期の4月から9月に与える
・剪定は成長期の4月から9月に切り戻し剪定を行う
・病害虫は「早期発見・早期対処」が基本中の基本
・土は水はけを重視した配合のものを使う
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。