「庭の雑草が気になるから防草シートを敷きたいけど防草シートの水はけは良いの?」
「防草シートの種類によって水はけが悪いものがある?」
雑草対策に防草シートを敷きたいけど、雨が降ったときにみずが溜まったりしないのか気になるところですよね。
結論から言いますと、一般的にホームセンターなどで売られている防草シートは、水を通します。
しかし、種類によって水を通すスピードが違います。
織布(しょくふ)の防草シートは、繊維を1つ1つ織って作られたものに対し不織布の防草シートは繊維を絡ませて接着させて作られたものなので、織布の方が一気に水を通します。
防草シートは人工芝の下や砂利の下に敷かれることが多く、実際に防草シートそのものがどのくらい水はけするのか知らない人も多いですよね。
実際にどのくらい水はけするのか知っていれば、安心して防草シートを敷くことができるでしょう。
そこでこの記事では次の2点を解説します。
防草シートの水はけはどうなのか?
防草シートの透水性レベル
この記事を読めば防草シートの水はけや透水性のレベルが分かります。
ただ、水はけの良さだけで防草シートを選んでしまうと、すぐに雑草が突き抜けてきたり防草シートが破れたりすることがあるので注意が必要です。
防草シートは、使用する目的や場所によって適切なものを選ぶことが重要です。
織布と不織布の防草シートの特徴を理解し、防草シートを敷きたい場所や目的に合っているのはどれなのか判断しなければなりません。
そこで、使用シーン別のおすすめ防草シートを紹介します。
あなたの使用シーンに合わせた防草シートがどのようなものなのか選んでください。
防草シートの基本から詳しく知りたい方は次の記事からご覧ください。
防草シートとは|雑草対策の効果と利用するメリット・デメリットを解説この記事の目次
1. 防草シートの「水はけ」はどうなの?
雑草を防ぐ防草シートは、雨が降ったときに水がたまらないのか気になりますよね。
この章では、防草シートの水はけについて詳しくご説明していきます。
1-1.防草シートは十分な透水性がある
一般的な防草シートのほとんどは、十分な透水性があります。
雨水などは防草シートを通過し、そのまま土に吸収される仕組みです。
水はけが良いと雑草が育ってしまうのでは?と思われるかもしれませんが、水はけが悪いと防草シートの表面に水が溜まり、そこに雑草の種子が飛んできて発芽し雑草が繁殖してしまいます。
これでは、逆効果になってしまいますよね。
基本的に防草シートは、庭や畑、駐車場など人が通るところで使われることが多いです。
そのため、水が溜まると人が通りづらくなったり、ぬかるんだ状態が続きカビや虫が発生する原因となります。
そのようにならないためにも、防草シートはちゃんと透水性が確保されているのです。
1-2.防草シートの種類によって透水速度が変わる
防草シートは十分な透水性があるとお話しましたが、防草シートの種類によって透水する速度が変わります。
防草シートの種類ごとの特徴と透水速度は、以下の通りです。
種類 | 透水速度 | 特徴 |
織布 |
一気に水がはける | 繊維を1つ1つ織って作られたもの 強害雑草には効果が薄い 安価 耐久年数が1~5年 |
不織布 |
じわじわと水はけしていく | 繊維を絡ませて接着させて作られたもの 強害雑草にも効果がある 耐久年数が7~10年 |
防草シートには、「織布」と「不織布」の2種類があります。
織布の方が織り目が粗いため、すぐに水を吸収してくれます。
水はけの良い防草シートを敷きたいという人は、織布の防草シートを選ぶと良いでしょう。
ただし、織布の防草シートは先の尖った雑草が突き抜けてきたり、耐久年数が短かったりといったデメリットもあります。
防草シートを選ぶ際には、ご自身の使用目的に合わせて選ぶ必要があります。
使用目的によってどのような防草シートを選ぶと良いのかは、「3.【シーン別】おすすめの防草シート」でご紹介しますので、参考にしてください。
1-3.透水性がない水はけが悪い防草シートもある
基本的に透水性のある防草シートが多いですが、透水性のない防草シートもあります。
透水性のない防草シートは、水を通さないだけでなく太陽光や雑草もまったく通さないという強力な防草シートです。
不透水性の防草シートは、主に以下のような場面で使われます。
道路脇の法面(のりめん)
人があまり歩かない場所
傾斜のある場所
植栽のない場所
透水性のない防草シートは、このような場面で使われるので一般的な家庭で使うことはほとんどないでしょう。
お家の庭などで透水性がない防草シートを使うと、水たまりができたり下の土が痩せてしまうので不向きです。
一般的にホームセンターなどで売られている防草シートは透水性のあるものですが、透水性がないものもあるので、購入する際には気をつけてください。
2.防草シートの透水性レベル
織布は一気に水を吸収しますが不織布の場合は、どのくらいのスピードで吸収されるのか気になりますよね。
以下の写真は、不織布の防草シートを敷いたところにバケツにいっぱいの水を流したときの写真です。
水をかけて1分程度に水が吸収され、水たまりもできていません。
実際の雨になるとここまで多くの水が一気に降るということはないので、しっかりと雨水も吸収できます。
極端な話、コンクリートに防草シートを敷いても水はけは悪いです。
そのため、防草シートは水を通しますが、「元々の土壌の水はけ能力次第」ということがわかります。
3.防草シートは水はけだけではなく利用シーン別に選ぶべき
1章でもお話しましたが、一般的に売られている防草シートは透水性のある防草シートです。
しかし、水はけの良さだけで防草シートを選ぶと雑草が突き抜けてきたりすぐに破れてしまったりする可能性もあります。
防草シートは、種類も多く安いものから高いものまで幅広いです。
すぐに水を吸収してくれるからといって砂利の下に耐久性の良くない織布の防草シートを敷いてしまうと、2〜3年で敷き直さなければならず費用と労力が必要となります。
このようなことにならないためにも、防草シートは使用する目的や場所に合わせて選ぶことが大切です。
次の章では、利用シーンに合わせたおすすめの防草シートをご紹介していきます。
4.【利用シーン別】おすすめの防草シート
シーン別のおすすめ防草シートは以下の通りです。
ご自宅のお庭で防草シートをどのように活用していきたいか、当てはまるものを選び参考にしてください。
4-1.砂利を撒きたい
【砂利を撒きたいときの防草シート】
不織布タイプ
耐用年数が長い(7〜10年程)
耐久性に優れている
砂利を撒きたい人におすすめな防草シートは、耐用年数が長く耐久性に優れているタイプのものです。
防草シートの上に砂利を撒くとなれば重労働ですよね。
2~3年ごとに防草シートを交換するのは大変なので、耐用年数が長く耐久性に優れているものを選ぶと良いでしょう。
4-2.人工芝を敷きたい
【人工芝を敷きたいときの防草シート】
不織布タイプ
密度が高い
耐用年数が長い(7〜10年程)
遮光性が高い
人工芝を敷きたい人におすすめの防草シートは、不織布タイプで密度が高い遮光性の高いシートです。
人工芝の合間から雑草が生えてきてしまうと見た目も良くありませんし、手入れが大変になります。
防草効果を重視して、不織布の中でも密度が高いものを選ぶと良いです。
さらに日光が届きにくい遮光性の高いシートであれば、雑草の生育も抑えることができるでしょう。
防草シートザバーン240Gは、不織布タイプで密度が高い遮光性の高いシートなので、人工芝との相性が抜群です。
人工芝の隙間から生える雑草を長期間防ぐことが期待できます。
4-3.植物や野菜を育てたい
【植物や野菜を育てたいときの防草シート】
織布タイプ
カットしやすい
植物や野菜を育てたい人におすすめなのは織布タイプの防草シートです。
不織布タイプに比べ水はけも良いため、植物や野菜の生育環境に適しています。
雑草が生えてきてしまうと栄養をそちらに持っていかれてしまうため、防草シートを敷いてから育て始めることをおすすめします。
また、植物や野菜があるところは防草シートに穴を開けなければならないので、カットしやすいものを選ぶと良いでしょう。
防草シートの中には、もともと植物用にくり抜かれている防草シートや穴を開ける専用の機械もあるので上手く利用してみてください。
・0.3m×10m×20本
・0.5m×10m×10本
・0.5m×100m×2本
・0.5m×50m×4本
・0.75m×100m×2本
・0.75m×50m×4本
・1m×10m×10本
・1m×100m×2本
・1m×20m×10本
・1m×50m×4本
・1.5m×10m×10本
・1.5m×100m×1本
・1.5m×50m×2本
・2m×10m×5本
・2m×100m×1本
・2m×50m×2本
4-4.泥はねやぬかるみを防ぎたい
【泥はねやぬかるいを防ぎたいときの防草シート】
織布タイプ
泥はねやぬかるみを防ぎたい場合にも織布タイプの防草シートが適しています。
不織布タイプに比べて透水性が高いため、雨が降っても泥が溜まったりぬかるむ前に浸透してくれます。
ただし元々水はけが悪い場所だと泥はねやぬかるみを防ぐことができない場合もあるので、水はけ対策をしてからシートを敷くようにしましょう。
庭の水はけ対策については、「5.庭の水はけを良くする方法」で紹介しているので参考にしてください。
4-5.強雑草が生えないようにしたい
【強雑草が生えないようにしたいときの防草シート】
不織布タイプ
厚み・密度が高い
遮光性が高い
スギナやイネ科の植物などの強雑草は、安価な薄い防草シートでは抑えられないことが多くあります。
これらの強雑草を生えないようにするには、厚み・密度のある不織布タイプの防草シートがおすすめです。
強雑草には強い突き抜け力を持つチガヤやスギナのようなものもありますし、強い繁殖力を持つやっかいな雑草も含まれます。
チガヤやスギナのような突き抜け力に対応するには、厚手のものであると安心です。
さらに雑草の生育を防ぐという意味で日光が届かない遮光性の高いものもおすすめです。
強雑草を抑えたいという場合は、厚みや密度の高い「ザバーン350G」がおすすめです。「ザバーン350G」は、ザバーン防草シートの中でも高耐久で強力なタイプになります。
むき出しの状態でも約10〜15年の耐用年数で、厚みもあり強雑草をしっかりと防いでくれます。強雑草でお困りの方は、「ザバーン350G」を検討してみてください。
・0.3m×10m×20本
・0.5m×10m×10本
・0.5m×100m×2本
・0.5m×50m×4本
・0.75m×100m×2本
・0.75m×50m×4本
・1m×10m×10本
・1m×100m×2本
・1m×20m×10本
・1m×50m×4本
・1.5m×10m×10本
・1.5m×100m×1本
・1.5m×50m×2本
・2m×10m×5本
・2m×100m×1本
・2m×50m×2本
・0.5m×10m×10本
・0.5m×100m×2本
・0.5m×50m×4本
・0.75m×100m×2本
・0.75m×50m×4本
・1m×10m×10本
・1m×100m×2本
・1m×50m×4本
・1.5m×10m×10本
・1.5m×100m×1本
・1.5m×50m×2本
・2m×10m×5本
・2m×100m×1本
・2m×50m×2本
5.そもそも水はけが悪い場所は防草シートを敷く前に対処が必要
どうしても水はけが悪いところに防草シートを敷きたいという人もいますよね。
水はけが悪いところに防草シートを敷いても水はけは悪いままなのでおすすめではありません。
そのような場所は、水はけを良くしてから防草シートを敷く必要があります。
この章では、次の2点を解説します。
なぜ水はけの悪いところに防草シートを敷かない方がよいのか
防草シートを敷く前に水はけを良くする方法
それぞれ詳しく見ていきましょう。
5-1.水はけの悪い場所に防草シートを敷くとより悪化する
もともと水はけの悪い場所に防草シートを敷いても水はけが良くなるわけではありません。
水はけの悪い場所に水を通す防草シートを敷いた場合、雨水が浸透していくスピードが合わず、シートの下は水溜まりができてしまいます。
そして溜まった水は衛生的に良いとは言えず、細菌が発生することもあります。
防草シートを敷く際には、事前に雨水の流れを確認し対処しておく必要があるのです。
5-2.庭の水はけを良くする3つの方法
水はけが良くないからといって、雑草対策をするのを諦める必要はありません。
以下の3つの方法をぜひ試してみてください。
3つの方法を実践し、水の流れを良くすることで防草シートを敷くことは可能になります。
5-2-1.防草シートの上に砂利を敷く
防草シートの上に砂利を敷くことは、水はけを良くするのに効果的な方法の1つです。
砂利を敷くことで雨が降っても水を通す層を作ってくれるため、水はけがよくなります。
さらに防草シートの上に砂利を敷くことで、以下のような効果もあります。
足元を濡らさず歩く
ことができる
紫外線から守り劣化を防ぐ
防草効果が高い
このように防草シートと砂利を組み合わせることで一石何鳥にもなるのです。
さらに防草シートと砂利をおすすめする理由や選び方については、次の記事で解説しています。
記事タイトル:防草シートと砂利|おすすめの理由と選び方、DIY施工の注意点を解説【写真付き】
記事URL:https://midoris.jp/anti-weed-sheet-gravel/
お庭の砂利はたくさんの種類があります。
あなたのおうちにピッタリの砂利を選ぶためにも、次の記事を参考にしてください。
記事タイトル:おしゃれな庭砂利14選|おすすめの選び方とDIYで施工する方法【画像付き】
記事URL:https://midoris.jp/garden-gravel/
5-2-2.勾配をつける
雨水などがたまらずに流れるように地面に傾きを作ります。
このような勾配をつけることで、水がたまらず流れていくので水はけが悪い状態は改善されます。
勾配をつけるためには、スコップなどで表面の土を削ったり、土を足したりして緩やかな傾きを作りましょう。
5-2-3.暗渠(あんきょ)を入れる
暗渠を入れるのも水はけの改善に効果があります。
暗渠というのは、穴の開いたパイプを地面の中に埋めることです。
浸透に時間がかかる雨水もパイプを抜けて排水されるため、劇的に水はけが良くなります。
暗渠を入れる位置や、パイプの勾配はプロによって計算されたものでなければ効果は見込めないため、業者にお任せすることをおすすめします。
しかし、人生で何度もあることではないので、そもそもどうやって業者を探せばいいのかわからないという方も多いと思います。
同じ外構業者でも専門分野が違ったり、できないことがあったりしますが、1件1件問い合わせるだけでも手間がかかります。
そんな時は一括見積もりを活用するのも選択肢に入れましょう。
複数の業者にまとめて見積もり依頼できるので、1件1件探し回る手間を省くことができます。
見積もりは無料でお願いできます。
良いところが見つかれば、防草シート敷設や砂利敷き、人工芝などの外構までまとめてお願いすることもできます。
6.防草シートだけじゃない!雑草対策はあなたの目的で選びましょう。
この章では防草シート以外の雑草対策を紹介します。
6-1.おしゃれで手間要らず!防草シート+砂利
防草シートと砂利の組み合わせは次の5つのメリットがあります。
「防草シート」と「砂利」のお互いのデメリットを補うので防草効果が高い
耐久性が高くなる(劣化しにくい)
様々な種類から砂利(タイル・レンガ)を選んでおしゃれにデザインできる
お庭の維持管理コストがほとんど発生しない
砂利(砕石)雑草が生えても簡単に抜くことができる
ポイントを押さえておけば、DIYでも簡単に施工することができます。
検討する方はぜひ次の記事をご覧ください。
記事タイトル:防草シートと砂利|おすすめの理由と選び方、DIY施工の注意点を解説【写真付き】
記事URL:https://midoris.jp/anti-weed-sheet-gravel/
6-2.グランドカバープランツ「クラピア」でお庭を彩る!
クラピアのメリットは次の通りです。
成長速度が速く、あっという間にきれいな緑が広がる
背が高くならない植物で密集しているため、雑草が生える隙間がない
踏まれることでより緻密になる
種をつけずに太陽と水と土の栄養で繁殖するため、管理がとてもしやすい
クラピアを検討する方はぜひ次の記事をお読みください。
記事タイトル:クラピアとは?お庭の雑草対策で大注目!芝生より綺麗なグランドカバー
記事URL:https://midoris.jp/kurapia/
6-3.グランドカバーの王様「タマリュウ」でお庭を常緑に!
タマリュウをおすすめする理由は次の通りです。
常緑のため1年中綺麗な緑のお庭を維持したい方におすすめ!
管理が簡単なので、園芸初心者でも簡単に育てることができる
他の植物に比べて強く、病気になりにくいので失敗する可能性が低い
日光が当たらない場所で植物を諦めていた方におすすめ!
ただ、人に踏まれると枯れてしまうので、お庭の一部に植えたり、飛び石を設置して人が歩くスペースを作ることでタマリュウと共存することができます。
タマリュウが気になる方は次の記事をご覧ください。
記事タイトル:タマリュウとは?基本的な特徴と植え方、育て方を写真付きで徹底解説
記事URL:https://midoris.jp/tamaryu/
6-4.お庭を緑にしたいけど、管理は嫌な人は「人工芝」がおすすめ!
芝生やクラピア、タマリュウなどのグランドカバープランツは綺麗ですが、定期的な管理をしなければなりません。
毎日忙しい人はなかなか管理ができない場合もあります。
そんな場合は、人工芝がおすすめです。
人工芝は次のメリットがあります。
お庭を緑にできる
植物で行う管理は一切必要ない
DIYで施工することができる
まとめ
よく売られている防草シートのほとんどは、水を通すので水はけが悪くなるという心配はいりません。
しかし、防草シートの種類によっては水を吸収する速度が違うので購入する際にはそれぞれの特徴を理解しておきましょう。
種類 | 透水速度 | 特徴 |
織布 |
一気に水がはける | 繊維を1つ1つ織って作られたもの 強害雑草には効果が薄い 安価 耐久年数が1~5年 |
不織布 |
じわじわと水はけしていく | 繊維を絡ませて接着させて作られたもの 強害雑草にも効果がある 耐久年数が7~10年 |
また、防草シートを選ぶ際には水はけの良さだけではなく使用目的や場所に合わせて選ぶ必要があります。
注意しておきたい点として、もともと水はけの悪い場所に防草シートを敷いても水はけが良くなることはなく、コケやカビが繁殖するという問題が起こります。
水はけの悪い場所に防草シートを敷く場合には、水はけが良くなる工夫をしてから敷くようにしましょう。