「観葉植物にコバエが沸いて気持ちが悪いから駆除したい!」
「もう2度と湧かないように、対策をしたい」
観葉植物販売店の私たちミドリスには、このようなお問合せをいただきます。
観葉植物と過ごしていると発生する「コバエ(小さな羽虫)」は繁殖で非常に多くなりとても不快ですね。
さらに、台所やリビングの食品につくこともあるため衛生的な観点でもぜひ排除したいところです。
そこで今回は、「コバエ」が「適切な駆除と対策」で解決可能であることを解説します。
「①駆除方法」「②予防策」「③発生原因」と順番に写真付きで解説しますのでスッと理解できると思います。
【この記事でわかること】
①コバエの駆除方法7つ(おすすめ度別)
②湧かないための予防策5つ
③コバエが湧く原因4つ
今、コバエが発生している人も、これから湧くのを予防したい方も、全ての方が対象の記事です。
最後までぜひご覧ください。
1.観葉植物の「コバエ」7つの駆除方法
まず始めに、コバエの駆除方法を紹介します。
今コバエが発生している人は、まずはこちらの章の対策を実施しましょう。
1-1.土替え(植え替え)をして無機質中心の土に変える(ダントツおすすめ)
観葉植物のコバエは、基本的に土の有機物を求めて集まってきます。
そのため、現在の土や肥料が有機物を多く含む場合は、植え替えが非常に効果的です。
コバエが発生しているということは、土の中にコバエの卵や幼虫もいる可能性が非常に高いです。
植え替えをして無機質中心の作りをすることで、「今居る卵や幼虫を駆除する」+「コバエが寄りにくい」というダブルの効果が期待できます。
注意点としては、植え替えは4月から9月中旬までが目安です。
それらの時期以外は、植え替えが負担になってしまうので、次の駆除方法「表土を変える」がおすすめです。
具体的手順は次の通りです。
STEP1.屋外の場所で大きなビニール袋を準備する
STEP2.鉢をビニール袋の中に入れて土を出す
STEP3.観葉植物についている細かい土を綺麗に落とす
STEP4.元々の鉢を綺麗に洗う
STEP5.植木鉢に鉢底石と鉢底ネットを入れる
STEP6.室内の観葉植物用の土を鉢に入れる
STEP7.観葉植物を植える
STEP8.落ち着くまで日陰で管理する
このようにして、植え替えを行います。
ポイントは次の3つです。
ポイント1.土にコバエの卵や幼虫がいるのでビニールに入れて処分する
ポイント2.土は「プロトリーフ」などの無機物中心の土にする
ポイント3.植え替えの基本的な知識を持っておく
この3つのポイントを押さえておけば、無事に植え替えをすることができます。
観葉植物の基本的な知識を知りたい方は次の記事をご覧ください。
観葉植物の植え替えが絶対必要な理由4つ|手順と時期、注意点を解説1-2.表土5cm程度を入れ替える
コバエの幼虫や卵は、表土のおよそ3cm程度の範囲で存在します。
そのため、表土5cm程度をごっそりと入れ替えることで、駆除することができます。
特に植え替えができない時期におすすめの方法です。
植え替えに使う土は無機質中心の「プロトリーフ」などの土を使いましょう。
表土を削る手順は次の通りです。
STEP1.屋外の場所で大きなビニール袋を準備する
STEP2.鉢をビニール袋の中に入れて表土5cmを削る
STEP3.「プロトリーフ」など無機質中心の土を5cm入れる
このように非常に簡単に作業をすることができます。
1-3.園芸用スプレーで駆除する
コバエ駆除の園芸用スプレーで代表的なものは2つあります。
イカリ消毒:ムシクリンコバエ用スプレー
アースガーデン 園芸用殺虫剤
それぞれ詳しく解説します。
イカリ消毒:ムシクリンコバエ用スプレー
画像引用元:イカリ消毒公式サイト「ムシクリンコバエ用スプレー」より
こちらは、コバエを発見したら、都度、観葉植物に直接当たらないように噴射します。
また、土に吹きかけると一定の効果を発揮します。
そのため、使用するのは「園芸用」のもの限定にしましょう。
園芸用であっても、観葉植物に直接吹きかけないよう、商品ラベルの使用方法を遵守してお使いください。
アースガーデン 園芸用殺虫剤
画像引用元:アース製薬公式サイト「BotaNice 飛びまわるコバエ退治 1プッシュ式スプレー 60回分」より
こちらは、部屋の中でコバエが発生した場合に使う殺虫剤です。
4畳あたり1回使用します。
ベランダでコバエが沸いた場合は、ベランダの壁面数カ所に噴射します。
使用後は、コバエが少なくなりますが、土の中の幼虫や卵には効果がないため、根本的な解決にはなりません。
商品ラベルの注意事項等を遵守した上で、ご自身の判断のもとご使用ください。
1-4.コバエ取りで駆除する
画像引用元:アース製薬公式サイト「BotaNice 土からわいたコバエ退治 粘着剤タイプ 4個入」より
コバエとりで代表的なものは、アースガーデンの「園芸用コバエ捕獲器」です。
こちらは、鉢の土に挿すだけの簡単設置が可能です。
土の中の卵から孵化するコバエを捕獲します。
ただ、卵や幼虫への効果がないため、「植え替え」や「表土5cm入れ替え」と合わせて行うと効果的です。
1-5.鉢ごと水につける
この方法は、物理的にコバエの幼虫を駆除する方法です。
コバエがたくさん沸いてしまった場合に有効です。
ただ、有効度としては「植え替え」に劣りますので、おすすめ度は低くなります。
手順は次の通りです。
STEP1.鉢より大きいバケツを用意して水を溜める
STEP2.観葉植物をゆっくり沈めて15分放置する
STEP3.水面に浮き出た幼虫を捕獲し、処分する
この手順で駆除することができます。
注意点としては、根腐れを起こさせないように注意することです。
土が完全に濡れるので、完全に乾くまでは次の水やりは行わないようにしましょう。
特に大型の観葉植物の場合は、鉢も大きいので乾きにくいです。
1-6.食虫植物を近くに置いて駆除する
コバエの駆除に有効な食虫植物は「モウセンゴケ」が有名です。
通販サイトでも安く販売されており、簡単に入手することができます。
ただし、コバエの幼虫や卵には効果がないため、根本解決にはなりません。
スプレーのように薬剤を一切使わない点は魅力の一つです。
1-7.掃除機で吸う
掃除機で吸引するのは物理的な方法です。
ただし、こちらも根本的な解決にはなりませんので、おすすめしません。
注意点としては、コバエを吸った掃除機で繁殖する恐れがあるので、ゴミはすぐに処分しましょう。
2.観葉植物にコバエが湧かないようにする5つの予防策
この章では、駆除後に今後コバエが湧かないための事前予防を紹介します。
コバエが発生すると不快に感じますので、予防をすることで快適に過ごすことができます。
2-1.無機質の土を使う
この記事でも解説しましたが、コバエは土に含まれる有機物を好みます。
1匹で卵を80個以上産むことから、コバエが好む有機物中心の土(堆肥や腐葉土)ですと、あっという間に増殖します。
そのため、無機物中心の土づくりが重要です。
私たちがおすすめするのは、プロトリーフの「室内向け観葉・多肉の土」です。
堆肥が使われていないので、コバエを含む虫が非常によりにくい設計になっています。
2-2.化成肥料を使う
肥料は「有機肥料」と「化成肥料」があります。
有機肥料は、有機物を多く含みますので、コバエが寄りやすいデメリットがあります。
一方で、化成肥料は無機物が原料ですので、コバエが好む成分が入っていません。
そのため、「無機物中心の土」+「化成肥料」で相乗効果があり、コバエが寄りにくい環境を作ることができます。
化成肥料でおすすめなのが、ハイポネックスの「プロミック観葉植物用」です。
有機肥料とは違い、虫が寄りにくい設計になっています。
2-3.受け皿に水を溜めない
受け皿に水を溜めないことも、コバエが寄りにくくなる方法の一つです。
受け皿が汚れて濡れていると、コバエが産卵して大量発生する可能性もあります。
また、観葉植物の育てる上で、受け皿に水を溜めると次のようなリスクが発生します。
・根腐れの原因となる
・雑菌が繁殖する
・カビが発生する
・異臭が発生する
このようなリスクがあります。
そのため、コバエ対策に関わらず、観葉植物の受け皿には水を溜めないようにしましょう。
2-4.木酢液を散布する
木酢液を希釈して観葉植物に散布することで、コバエを含む害虫の予防をすることができます。
ただし、臭いが強いため、ベランダで散布した後、少しの間は屋外で管理をしましょう。
2-5.観葉植物を乾燥気味に育てる
コバエは、土が湿った環境を好みます。
そのため、乾燥気味に育てることで、コバエが寄る可能性を低くすることができます。
観葉植物は、根腐れを防ぐために水のあげすぎには注意が必要です。
そもそも、基本的には乾燥気味に育てているので、極端に乾燥を優先すると、水不足になってしまうので注意してください。
3.観葉植物にコバエが湧く4つの原因を知っておこう
この章では、そもそもなぜコバエが湧くのかを説明します。
3-1.有機物を含む土や肥料を使っている
この記事で何回も述べた通り、コバエは「有機物」に集まります。
観葉植物で有機物が使われるのは「土」と「肥料」です。
堆肥や腐葉土入りの土や、有機成分が含まれている肥料を使うと、コバエが寄る可能性が高くなります。
3-2.土が湿っていて風通しが悪い
風通しが悪くジメジメした環境は、コバエにとって非常に魅力的な状態です。
このような状態になるのは「梅雨時期」が多いです。
湿気でジメジメしていると、表土も湿ってコバエが寄ってきます。
そのため、室内で管理している場合は、除湿機などを近くに置くと効果的です。
3-3.受け皿に水を溜めている
受け皿の水を放置することも、コバエの発生原因となります。
受け皿に溜まった土や根っこの切れ端が湿っている状態は、コバエの産卵場として魅力的です。
先ほども述べましたが、観葉植物の受け皿の水を放置することは、コバエだけではなく根腐れや病気のリスクを非常に高くするので注意が必要です。
3-4.外部からの飛来
コバエの発生場所は、ゴミ置き場や水回りが多いです。
そこで発生したコバエが観葉植物の土に産卵することもあります。
ご自宅にコバエが発生した場合は、発生場所を探って対処をしましょう。
観葉植物のコバエ対策だけしても、発生原因が他にあれば再発します。
その為、お家の中や周りでコバエの発生源がある場合は、場所に応じた対処法を取りましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事を読んだあなたは、「駆除」「予防」がしっかりと実践できるレベルまで知識を得ることができたと思います。
この記事を簡単にまとめます。
コバエの駆除方法7つ
1.土替えをして無機質中心の土に変える(おすすめ)
2.表土5cm程度を入れ替える
3.園芸用スプレーで駆除する
4.コバエ取りで駆除する
5.鉢ごと水につける
6.食虫植物を近くに置いて駆除する
7.掃除機で吸う
コバエが湧かないための対策5つ
1.無機質の土を使う
2.化成肥料を使う
3.受け皿に水を溜めない
4.木酢液を散布する
5.観葉植物を乾燥気味に育てる
コバエが湧く原因4つ
1.有機物を含む土や肥料を使っている
2.土が湿っていて風通しが悪い
3.受け皿に水を溜めている
4.外部からの飛来